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ネコ型亜目

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ネコ亜目から転送)
ネコ型亜目
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 食肉目 Carnivora
亜目 : ネコ型亜目 Feliformia
学名
Feliformia Kretzoi, 1945[1]
和名
ネコ型亜目[2]
英名
Cat-like suborder[3]

ネコ型亜目Feliformia)は、哺乳類食肉目の分類群である。ネコ亜目[4]ネコ様亜目ともいう[3]イヌ型亜目姉妹群をなし、ネコ科とそれに近い科からなる。

なお、かつて使われた分類群の裂脚亜目 Fissipedia をネコ亜目と呼ぶことがあったが、まったく別の分類群である。裂脚亜目は、鰭脚類以外の、食肉目の大部分を含み(したがって、ネコ型亜目も含む)、側系統なので現在は正式な分類群ではない。

特徴

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ネコ型亜目の鼓胞は2室に分かれている。

ネコ型亜目をイヌ型亜目から分ける特徴は、中耳を覆う骨化した組織の鼓胞 (auditory bullae) である。イヌ型亜目では主に内鼓室骨から鼓胞が構成される一方、ネコ型亜目では主に外鼓室骨から構成されている。ネコ型亜目よりも原始的な哺乳類においては、外鼓室骨は鼓膜を支持する輪状の骨であった[5]

進化史

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ネコ亜目は古第三紀の後期始新世に出現した。最初に出現したのはニムラブス科で、北アメリカの後期始新世の地層からホプロフォネウスディニクティスが報告されている。ニムラブス科がアジアヨーロッパを介してアフリカ大陸まで分布を広げていた前期漸新世から中新世のころにネコ科も出現したと考えられており、プロアイルルススーダエルルスが初期のネコ科の代表である[5]

ニムラブス科にやや遅れて、アジアやヨーロッパの前期漸新世の地層からは最古のジャコウネコ科の化石が発見されている。ジャコウネコ科が前期中新世にアフリカ大陸へ分布を拡大するころ、ジャコウネコ科と祖先を共有するハイエナ科も出現した。ただし、ハイエナ科の初期の系統である小型のイクティテリウム亜科は前期鮮新世までに絶滅し、現在知られている系統のハイエナ亜科が出現したのは後期中新世のことであった[5]

分類

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現生7科56属120種[6]、絶滅4科が含まれる。これらをいくつかの上科に分ける説もあるが、広く受け入れられている分類はまだない。一例として本亜目の下位にネコ下目Aeluroidea・ネコ上科Feloideaを置く分類体系があり、現生群はすべてネコ上科に含まれる[4]。古くはジャコウネコ科やハイエナ科などをマングース上科Herpestoideaとしてまとめる説もあった[7]。現生群の分子系統解析を踏まえたものとしてFeloidea・Nandinioidea・Viverroideaの3下目を置く分類体系などがある[8]

系統

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ネコ型亜目内の系統樹[9][10][11][12]

ネコ型亜目

ニムラブス科 Nimravidae (false saber-toothed cats)

 Aeluroidea 

キノボリジャコウネコ科 Nandiniidae (African palm civet)

ネコ上科

ネコ科 Felidae

Stenogale

バルボロフェリス科 Barbourofelidae

Haplogale

Prionodontidae

 Feloidea 

ジャコウネコ科 Viverridae

 Herpestoidea 

Lophocyonidae

ハイエナ科 Hyaenidae

Percrocutidae

マングース科 Herpestidae

マダガスカルマングース科 Eupleridae 

 Viverroidea 
 Feliformia 

進化

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ネコ型亜目の進化[要出典]

出典

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  1. ^ W. Christopher Wozencraft, “Order Carnivora,” In Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (eds.), Mammal Species of the World: A Taxonomic and Geographic Reference (3rd ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 532-628.
  2. ^ 川田伸一郎 ほか「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻別冊、日本哺乳類学会、2018年6月、doi:10.11238/mammalianscience.58.S1 
  3. ^ a b 佐藤淳・Mieczyslaw Wolsan「レッサーパンダ(Ailurus fulgens)の進化的由来」『哺乳類科学』52巻 1号、日本哺乳類学会、2012年、23-40頁。
  4. ^ a b 遠藤秀紀・佐々木基樹「哺乳類分類における高次群の和名について」『日本野生動物医学会誌』6巻 2号、2001年、45-53頁。
  5. ^ a b c 冨田幸光、伊藤丙雄、岡本泰子『新版 絶滅哺乳類図鑑』丸善出版、2011年1月30日、108-111頁。ISBN 978-4-621-08290-4 
  6. ^ a b c d e f g h Wilson, D. E.; Mittermeier, R. A., ed (2009) (英語). Handbook of the Mammals of the World. I. Lynx Edicions. p. 46. ISBN 978-8496553491 
  7. ^ 今泉吉典「食肉目総論」、今泉吉典 監修『世界の動物 分類と飼育 2 食肉目』東京動物園協会、1991年、10–21頁。
  8. ^ Connor J. Burgin, Jane Widness & Nathan S. Upham, “Introduction,” In: Connor J. Burgin, Don E. Wilson, Russell A. Mittermeier, Anthony B. Rylands, Thomas E. Lacher & Wes Sechrest (eds.), Illustrated Checklist of the Mammals of the World, Volume 1, Lynx Edicions, 2020, Pages 23–40.
  9. ^ Werdelin, L.; Yamaguchi, N.; Johnson, W. E.; O'Brien, S. J. (2010). “Phylogeny and evolution of cats (Felidae)”. In Macdonald, D. W.; Loveridge, A. J.. Biology and Conservation of Wild Felids. Oxford, UK: Oxford University Press. pp. 59–82. ISBN 978-0-19-923445-5. https://www.researchgate.net/publication/266755142 
  10. ^ Morales, Jorge; Mayda, Serdar; Valenciano, Alberto; DeMiguel, Daniel; Kaya, Tanju (2019). “A new lophocyonid, Izmirictis cani gen. et sp. nov. (Carnivora: Mammalia), from the lower Miocene of Turkey”. Journal of Systematic Palaeontology. Online Edition. 17 (16): 1347–1358. doi:10.1080/14772019.2018.1529000. hdl:10261/223616. http://zaguan.unizar.es/record/87561. 
  11. ^ Wilson, D.E.; Mittermeier, R.A., eds (2009). Handbook of the Mammals of the World, Volume 1: Carnivora. Barcelona: Lynx Ediciones. pp. 50–658. ISBN 978-84-96553-49-1 
  12. ^ Barycka, E. (2007). “Evolution and systematics of the feliform Carnivora”. Mammalian Biology 72 (5): 257–282. doi:10.1016/j.mambio.2006.10.011.