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Template‐ノート:最近の出来事 2005年10月15日

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先程NHKのテレビ番組「知るを楽しむ」を拝聴したのですが、日本のワイン醸造の歴史が思ったより深く、また新たな可能性を内包していることを知り、何かの参考になればと思い投稿させていただきます。 今から1300年前の奈良時代、山梨の勝沼で修行中の行基の夢の中に現れた薬師如来のお告げに従い日本固有種の葡萄「甲州」の栽培が始まった。(偶然昨晩カール大帝のことをwikipediaで検索した折、彼がワイン用葡萄品種栽培を持ち込んだ記事が出てたのに、行基はその業績について余り周知されていないのはやはりここでもヨーロッパ中心史観が見られるのかな)明治に入り、2人の若者がフランスに渡り、ヨーロッパ式ワイン醸造法を採用。広く勝沼の白ワインが普及した。白瀬南極探検隊の滋養強壮に適した携行食品として認知された。 また、醸造過程で生じる酒石酸が潜水艦のソナーにも転用され、広く栽培と醸造が行われたが、生食用としてピオーネなどの新しい品種が台頭してくるに従い、90年代に入ると生産量が減少してきた。ここで新たな局面を迎える事となる。世界のワインの格付け(換言すれば値段付け)に大きな影響力を持つポール・パーカーJrが、甲州ワインに「柑橘系の香り」を見出し 、100点満点で80点台という日本のワインに対して破格の高評価を与えたことで再び生産農家の意欲を喚起した。(ワインとしての味に力強さに欠けるということで、他の品種やそれまでの棚田法から垣根法という新しい栽培法へ転換したり、果汁を一旦氷結保存して果汁の酸味と甘みを増す新工程を模索している最中だった)この「柑橘系の香り」成分の研究を行っているのがボルドー第二大学醸造学部の富永研究員である。 また、この香りは酸素に出会うとすぐに酸化して失われてしまうので、ビンに二酸化炭素をまず注入して空気を取り除いた後でビン詰めするなど製造工程でも新たな工夫を怠らない。製造業者の言葉を借りれば、「1300年間眠り続けた香り成分でワインに新たな可能性を秘めている」との事。正直に白状すれば、日本のワイン製造は、外国から輸入した原液に日本産果汁を少し混ぜただけで、(ヨーロッパに比較して)二流品の底の浅いものだと思い込んでいたのに、意外にも栽培と醸造の歴史は古く、その可能性が高く評価されているのは驚きとともに誇りでもある。

wikipediaの趣旨に賛同しますので、この原稿がもし活かされる場があればどうぞご利用ください。

私の名前は(申し送れましたが)西浦です。