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バスカード (岩手県交通・岩手県北自動車)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
岩手県北自動車のバスに搭載されていた乗降兼用カードリーダー。このタイプでは、乗車時と降車時でカード挿入口と排出口が逆になっていた。

本項目では、岩手県交通(県交通)・岩手県北自動車(県北バス)が発行するバスカードについて解説する。

概説

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磁気式乗車カードバスカード[1][2]で、制度上は回数乗車券の位置付けである。

かつては岩手県交通・県北バス共通バスカードとして発売され、県交通・県北バスの間で共通利用が可能であったが、両社の経営環境の変化のため、2010年3月31日をもって共通利用を終了した。カードの共通乗車にあたっては1年ごとの契約としており、2009年9月までの期限後、契約更新について協議が行われたものの、継続は困難と判断されたことによる。2010年4月以降、県交通のカードでは県交通と奥州市営バスのみ、県北バスのカードでは県北バスと岩泉運輸のみでしか利用できなくなった。これに伴い、共通乗車取り扱い終了翌日の2010年4月1日から5月31日までの2か月間[3]、無手数料での払い戻しを実施した[4][5][6]

その後、車両のカード読み取り機器が耐用年数に達してきたことと、製造業者の減少によって修理や代替が困難になってきたことから、ICカード乗車券に切り替えることとなった[7]2022年、県北バスでは同年2月19日からのICカード乗車券「iGUCA」導入に伴い、同年1月31日をもってバスカードの発売を終了[8]、車内での利用も同年7月31日で終了した。残額については、2023年1月31日まで払い戻しまたは「iGUCA」への移行を取り扱っていた[9]。なお県北バスでは、106急行バスにおいて2020年9月28日よりキャッシュレス決済Visaのタッチ決済PayPayAlipayLINE Pay楽天ペイ)も導入されている[10]

また県交通でも、2021年3月27日よりICカード乗車券「Iwate Green Pass」を導入した[11]。県交通では経営上の理由から全車両の機器を一斉にICカードへ切り替えることはせず、段階的に導入していくこととしている。またICカード対応車両ではバスカードが利用不可であるため、バスカードのみ利用可の車両とICカードのみ利用可の車両が混在する状況になっていた[7]が、2024年2月までに盛岡都市圏管内(松園営業所滝沢営業所巣子車庫都南営業所矢巾営業所紫波営業所)と北上都市圏管内(花巻営業所北上営業所)の全車両がICカード対応となったことから、盛岡都市圏管内ならびに北上都市圏管内以外の路線のみの取り扱いとなった[12][13][14]

なお、「Iwate Green Pass」と「iGUCA」は、「Suica」機能付きかつ交通系ICカード全国相互利用サービスにも対応しているため、県交通・県北バスの間で相互利用可能である。ただし、サービスや交通ポイントは独自のものとなる。

かつて利用可能だった事業者・路線

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2008年10月1日 - 同年12月20日の間に限り、IGR線の上記各駅相互間において試験的に利用が可能だった。ただし、利用できる時間帯は10:00 - 17:00の間のみ[15]
バスカード読み取り装置の維持が困難になったため、2018年9月30日で取り扱いを終了した[16]
バスカード読み取り装置の維持が困難になったため、2019年5月15日で取り扱いを終了した[17]
  • 県北バス
ICカード乗車券「iGUCA」の導入に伴い、2022年7月31日で取り扱いを終了した(前述)。
  • 県交通の盛岡・北上都市圏管内の路線
ICカード乗車券「Iwate Green Pass」の導入に伴い、2024年2月まで順次取り扱いを終了した(前述)。

販売箇所

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  • 県交通発行のバスカード[1]
    • 盛岡・花北地区を除く同社各営業所・案内所・定期券販売所
    • バスカード委託販売所
    • バス乗務員
    再発行・払い戻しは、各営業所のみで取り扱い、委託販売店での取扱いは不可。また200円の手数料がかかる。

県北バスのバスカードは発行を終了している(前述)。

2008年4月1日から2010年3月31日までは、いわて銀河鉄道線盛岡駅・青山駅・厨川駅巣子駅滝沢駅渋民駅好摩駅いわて沼宮内駅奥中山高原駅一戸駅二戸駅においても販売していた。

種類

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現行券種(県交通)

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種別 発売額 利用額
普通バスカード 1,000円 1,100円
3,000円 3,300円
5,000円 5,700円

出典:[1]

利用方法

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基本的には、乗車時と降車時にカードをカードリーダーに通す。車両の仕様により「2リーダー車」(中乗り前降り)と「2ウェイ車」(前乗り前降り)が混在している。読み取り機は裏面に残額が印字されるタイプではない。

  • 中扉から乗車、前扉から降車の車両(2リーダー車):中扉に乗車用カードリーダー、前扉に降車用カードリーダーを設置。
  • 前扉から乗降の車両(2ウェイ車):前扉に乗降兼用カードリーダーを設置。この場合、乗車時と降車時でカード挿入口と排出口が逆になる。

残高不足の場合は「ピピピ」と音が鳴ると同時にカードが機器内に止まるが、その際は別のカードか現金と合わせて支払うことになる。また通学カードを利用の場合には、識別のために残高不足などに係わらず「ピピ」と音が鳴る。

脚注

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  1. ^ a b c バスカードのご案内 岩手県交通公式サイト、2019年9月16日閲覧。
  2. ^ よくあるご質問 Q.バスカードを購入したい 岩手県北バス公式サイト、2019年9月16日閲覧。
  3. ^ 「バスカード共通乗車の取り扱い終了について」ポスター (PDF, 岩手県北自動車プレスリリースより)
  4. ^ バスカード共通は来年3月終了 県交通と県北自動車岩手日報:2009年12月23日)
  5. ^ 「バスカード共通乗車の取り扱い終了について」 岩手県交通プレスリリース (PDF, 2009年12月22日)
  6. ^ 「バスカード共通乗車の取り扱い終了について」 岩手県北自動車プレスリリース (PDF, 2009年12月22日)
  7. ^ a b 従来型バスカードと IC カードの併用について” (pdf). 岩手県交通株式会社 (2022年1月24日). 2022年9月11日閲覧。
  8. ^ 【重要なお知らせ】バスカードの販売終了とご利用可能期間について”. 岩手県北自動車株式会社 (2021年12月7日). 2022年9月11日閲覧。
  9. ^ 【再・重要なお知らせ】バス車内でのバスカード利用終了について”. 岩手県北自動車株式会社 (2022年7月1日). 2022年9月11日閲覧。
  10. ^ 岩手県北バス:高速バスにおけるキャッシュレス決済の展開” (pdf). 株式会社みちのりホールディングス、岩手県北バス株式会社、株式会社小田原機器 (2020年9月23日). 2022年9月11日閲覧。
  11. ^ ICカード「Iwate Green Pass」でのご利用について”. 岩手県交通株式会社. 2022年9月11日閲覧。
  12. ^ "紫波営業所 交通系ICカード機器取付完了のお知らせ" (pdf) (Press release). 岩手県交通. 24 July 2023. 2023年8月20日閲覧
  13. ^ "北上営業所地域連携ICカード「Iwate Green Pass」サービス拡大について" (pdf) (Press release). 岩手県交通. 12 December 2023. 2024年1月20日閲覧
  14. ^ "花巻営業所・北上営業所交通系ICカード機器取付完了のお知らせ" (pdf) (Press release). 岩手県交通. 9 February 2024. 2024年2月14日閲覧
  15. ^ [1] IGRいわて銀河鉄道(PDFファイル)[リンク切れ]
  16. ^ 市街地循環バス「ふくろう号・星めぐり号」について”. 花巻市 (2019年2月23日). 2019年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月11日閲覧。
  17. ^ 盛岡中心市街地循環バス「でんでんむし」のバスカード取扱い終了と運行時刻の変更について 岩手県交通