ヴァテライト
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ヴァテライト | |
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Vaterite from San Vito quarry, San Vito, Monte Somma, Somma-Vesuvius Complex, Italy | |
分類 | 炭酸塩鉱物 |
シュツルンツ分類 | 05.AB.20 |
化学式 | CaCO3 |
結晶系 | 六方晶系 |
対称 |
Hexagonal dihexagonal dipyramidal ヘルマン・モーガン記号: 6/mmm (6/m 2/m 2/m) 空間群: P63/mmc {P63/m 2/m 2/c} |
単位格子 | a = 4.13 Å, c = 8.49 Å; Z = 6 |
晶癖 | Fine fibrous crystals, typically less than 0.1 mm, in spherulitic aggregates. |
断口 | 凸凹で割れやすい |
粘靱性 | 脆い |
モース硬度 | 3 |
光沢 | ややガラス質でロウ状 |
色 | 無色 |
透明度 | 透明または半透明 |
比重 | 2.54 |
光学性 | 一軸性(+) |
屈折率 | nω = 1.550 nε = 1.650 |
複屈折 | δ = 0.100 |
文献 | [1][2][3] |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
ヴァテライト(vaterite)は炭酸カルシウム(CaCO3)の多形の一つ。弱塩基性の溶液中で安定相の方解石に先んじて晶出する。他の二つの多形である、方解石、アラレ石に比べ高い溶解度を持ち、溶液中では速やかにこれらの相に液相を媒介して相転移する。バテライト、ファーテル石とも言われる。
ドイツの鉱物学者ハインリッヒ・アウグスト・ファーターにちなみ命名された。
溶液中で合成すると、放射状の球晶として形成する。また、合成条件により、多彩なモルフォロジーを示す。
リン酸イオンの存在によって、その形成が強力に抑制されるが[4]、リン酸イオン存在下では溶解過程も抑制され、安定化するということが知られている[5]。結晶構造は、カルシウムイオンの六員環構造が層状に積み重なっており、この隙間に炭酸イオンが存在している構造をなしている。炭酸イオンの位置や、配列により、複数の結晶構造が存在するということが知られている[6]。また、CaとCO3の比率はかなり変動し、安定性の低いものの方がCO3比が大きい。
出典
[編集]- ^ Mindat.org
- ^ Handbook of Mineralogy
- ^ Webmineral data
- ^ Y. Sugiura K. Onuma Y. Kimura K. Tsukamoto A. Yamazaki, 2013, Am Min, 98, 262-270.
- ^ Y. Sugiura K. Onuma Y. Nagao M. Momma K. Kimura K. Tsukamoto A. Yamazaki, 2014, J Cera Soc Jpn, 122, 679-687.
- ^ R. Demichelis, P. Raiteri, J.D. Gale, R. Dovesi, 2013, Cryst Growth Des, 13, 2247-2251.