バーミンガムピープルムーバ
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バーミンガムピープルムーバ(英語:Birmingham People Mover)は、イギリスのバーミンガム国際空港とバーミンガム国際展示場駅間を結んでいた磁気浮上式鉄道のこと。一般者向けの常設磁気浮上式鉄道としては、世界初でもあった。
概要
[編集]1970年代からイギリス国鉄が、5000人/時間程度の輸送量が見込める短距離交通機関として磁気浮上式鉄道の研究・開発を進めてきた。1984年8月にバーミンガム空港の移動手段として開業。バーミンガム国際展示場駅との間、約620mの単線2本のシャトル型。最高速度54km/h。
経営は順調だったが、電力システムの問題、交換用部品が入手困難となった問題などから、維持にかかる費用が高すぎるとして1995年に運行を停止した。その後はバスでの運行を行いつつ路線の再利用を模索していたが、2001年にケーブルカーの原理を利用した高速のケーブルライナーに転用する工事が始まり、2003年に開業している。
構造
[編集]浮上は電磁吸引支持方式で浮上量は約15mm。推進は車上一次のリニア誘導モータ。
関連項目
[編集]- M-Bahn - 1989年8月に世界で2番目に開業した磁気浮上式鉄道 路線がベルリン市内の国境付近だったので東西ドイツの統一後は価値が減り、廃止された。
- トランスラピッド - 吸引式磁気浮上で高速化に適した地上一次式リニア同期モーターを備える。
- KOMET - 吸引式磁気浮上で車上一次式リニア誘導モーターを備える。
- クラウス=マッファイ・トランスアーバン - KOMETと同じく吸引式磁気浮上、車上一次式リニア誘導モーターを備えていた。実用化の寸前まで進んでいたが、高速化に適したトランスラピッドに開発資源を注力するために放棄された。
- HSST - 1970年代に日本航空がクラウス=マッファイの技術を導入して発展させた。
- 仁川空港磁気浮上鉄道 - 吸引式磁気浮上で車上一次式リニア誘導モータを備える。
リニアモータ方式\磁気浮上方式 | 電磁吸引方式 | 電磁誘導方式 | |
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支持・案内分離式 | 支持・案内兼用式 | ||
地上一次リニア同期モータ | トランスラピッド(TR-05〜、ドイツ) M-Bahn(旧西ドイツ) CM1(中国) |
超電導リニア(日本) EET(旧西ドイツ) MAGLEV 2000(アメリカ合衆国) | |
車上一次リニア誘導モータ | KOMET(旧西ドイツ) EML(日本) |
HSST(日本) バーミンガムピープルムーバ(イギリス) トランスラピッド(TR-02・TR-04、旧西ドイツ) トランスアーバン(旧西ドイツ) ROMAG(アメリカ合衆国) |
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推進方式未定 (リニアモータも可能) |
インダクトラック(アメリカ合衆国) |