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ナツグミ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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ナツグミ
ナツグミの変種トウグミ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: バラ目 Rosales
: グミ科 Elaeagnaceae
: グミ属 Elaeagnus
: ナツグミ E. multiflora
学名
狭義: Elaeagnus multiflora Thunb. f. orbiculata (Makino) Araki (1955)[1]

標準: Elaeagnus multiflora Thunb. var. multiflora (1784)[2]

シノニム
和名
ナツグミ
英名
cherry silverberry
ナツグミの実と葉、大きさ比較のたばこ、2008年6月撮影

ナツグミ(夏茱萸[4]学名: Elaeagnus multiflora)はグミ科グミ属落葉小高木。山野に生える。別名は、ホソバナツグミ[1]。夏に実が熟すのでこの名がある[5][4]

分布と生育環境

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日本本州関東中部地方福島県から静岡県太平洋側)[6]四国に分布し、山野に自生する[5]。庭などにも植えられる[4]

形態・生態

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落葉広葉樹の小高木[5]はよく分枝する[4]。樹皮は暗灰褐色で皮目があり、若木のうちはなめらかで皮目が多いが、太くなると縦に裂ける[6]。若い枝には褐色を帯びた鱗状毛が密生し、赤褐色に見える[6]。果実や葉の表面には、うろこ状の毛がある。互生し、長さ3 - 10センチメートル (cm) の長楕円形から倒卵状長楕円形で、表面にある灰白色の鱗片はやがて脱落するが、裏面には灰白色と褐色の鱗片が残る[5][4]

花期は4 - 5月ごろ[5]。葉のつけ根に1 - 2個の淡黄色のが垂れ下がって咲く[5]花弁に見えるのは(萼筒)で、長さは7 - 8ミリメートル (mm) あって先端が4裂する[4]

果期は5 - 7月[6]。果実は偽果で、長さ12 - 17 mmの広楕円形をしており、長さ2 - 5 cmほどの果柄がついてアキグミよりも長い[4]。果実は赤く熟すと、少し渋いが食べられる[5]

冬芽裸芽で幼い葉が複数集まり、褐色の鱗状毛が密生する[6]。枝先の頂芽側芽よりもやや大きく、側芽は枝に互生する[6]。葉痕は半円形か三角形で、維管束痕が1個つく[6]

品種

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  • ホソバナツグミ(学名: Elaeagnus multiflora Thunb. var. multiflora f. multiflora[7]) - 狭義のホソバナツグミ

変種

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  • トウグミ(学名: E. multiflora var. hortensis
    これがよく植栽されている。ナツグミ、トウグミはよく似ているが、葉の表をルーペで拡大し鱗状毛があればナツグミ、星状毛があればトウグミである。
  • ダイオウグミ(学名: E. multiflora var. gigantea
    特に果実が大きい。ビックリグミともいう。鑑賞用兼食用(果実)として栽培されることが多い。

脚注

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参考文献

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  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、151頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 ベストフィールド図鑑〉、2009年8月4日、42頁。ISBN 978-4-05-403844-8 
  • 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、79頁。ISBN 4-522-21557-6 

関連項目

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