コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

森下唯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ピアニート公爵から転送)
森下 唯
別名 ピアニート公爵
生誕 (1981-09-22) 1981年9月22日(43歳)
出身地 日本の旗 日本東京都調布市
学歴 筑波大学附属駒場中学校・高等学校卒業
東京芸術大学音楽学部卒業
東京芸術大学大学院音楽研究科修士課程修了
ジャンル クラシック劇伴ゲーム音楽
職業 ピアニスト
担当楽器 ピアノ
レーベル ALM RECORDS
公式サイト https://www.morishitayui.jp/

森下 唯(もりした ゆい、1981年9月22日 - )は、日本ピアニスト東京都調布市出身。父はSF作家評論家森下一仁[1]。「ピアニート公爵」名義での活動でも知られる[2]

経歴

[編集]

1981年、東京都調布市に生まれる[3]。4歳よりピアノを学ぶ。竹尾聆子、辛島輝治、東誠三に師事[4]。リート伴奏をコンラート・リヒターに師事[5]

2000年、筑波大学附属駒場中学校・高等学校卒業。2004年、東京芸術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻卒業。2006年、東京芸術大学大学院音楽研究科器楽専攻修士課程修了[4]

2004年、第2回東京音楽コンクール ピアノ部門第2位入賞[4]。2015年より東京芸術大学非常勤講師(指揮科演奏研究員)。

活動

[編集]

大学時代、同級生だった鈴木優人シャルル=ヴァランタン・アルカンを紹介され、強く惹かれる[6]。以降、アルカンの作品を積極的に紹介している[1][4]。2015年から2019年にかけては、アルカンの楽曲のみで構成されたアルバム『アルカン ピアノ・コレクション』シリーズをリリースした[1]。アルカンの楽譜の校訂・解説なども行っている[7]

鈴木優人は森下と同じく調布育ちであり、小学生のときに進学塾で出会っていた[3]。2人は別の中学校に進学するが、後に芸大受験のために通い始めた塾で偶然にも再会し、そして共に東京芸術大学へ進学する。2013年より調布国際音楽祭を2人で企画し、毎年開催している[8]

2020年12月にはクロード・ドビュッシー交響詩』のアンドレ・カプレによる2台6手編曲を青柳いづみこ田部井剛と共に録音した[9]

ピアニート公爵

[編集]
ピアニート公爵
出生名 森下唯
職業 ピアニストニート
担当楽器 ピアノ
活動期間 2007年 -
レーベル dmARTSドワンゴ・ミュージックエンタテインメント
音楽・音声外部リンク
椎名豪作曲、塩入俊哉・森下唯編曲「蒼い鳥 (M@STER VERSION)」森下唯によるピアノソロ演奏(2007年) - ニコニコ動画

ピアニート公爵(ピアニートこうしゃく、: Duke of Pianeet)は、森下唯がインターネット上で活動するときの名義[2]

大学院を出て仕事がない中、2007年12月にニコニコ動画にピアノ演奏を投稿した際にニートを自称した[6]。しかし、演奏技巧と経歴の隔たりから視聴者に高等遊民と見做され、ピアノとニートを合体させた「ピアニート公爵」という名が付いた[10]。この際に投稿した曲はゲーム『THE IDOLM@STER』の楽曲「蒼い鳥 (M@STER VERSION)」(椎名豪塩入俊哉編曲)をアレンジしたピアノ独奏版である。森下は、ニコニコ動画にアイドルマスター関連作品を投稿する「ニコマス」文化に憧れ、自身も参加してみたいとの気持ちで投稿した[11]。すると、予想外にも一日で4万再生、その後70万再生と抜群の伸びを示し、一躍注目の的となった[10][12]。ピアニスト森下唯の生き別れの弟であることを告白しつつ、その後もニコニコ動画の時報を主題にした曲など数曲をニコニコ動画に投稿[11]。2011年4月には投稿曲を集めたアルバム『Singularity』を発売した。このアルバムはAmazonのベストセラーランキング(クラシックジャンル)およびオリコンデイリーチャート(クラシック・ジャズ、4月6日付)で1位となり、後者総合アルバムチャートでも50位という売れ行きを示した[12]。2019年にAnimelo Summer Live 2019 -STORY-に出演し、如月千早(声:今井麻美)歌唱の「蒼い鳥」ピアノ伴奏を務め、正式なコラボレーションを果たした[13]

2018年には、アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』のピアノソロ・カバーアルバムをリリース、ピアノソロ・コンサートも開催した[14]。オーケストラコンサートでは指揮者を務めた[15]

クラシック音楽業界の閉塞感への憂慮から、一般に受容されているアニメ音楽やゲーム音楽を、クラシック音楽で培われた作曲体系や演奏技巧をもってアレンジ・演奏する。かつては普遍的であった二次創作の重要性を説き、著作権に過度に束縛されることなく、メジャーレーベルからCDを出さなくてもアーティストとして活動できる時代の到来を予期している[12]

ディスコグラフィー

[編集]

森下唯

[編集]
  • アルカン ピアノ・コレクション1《交響曲》(2015年10月7日)
  • アルカン ピアノ・コレクション2《協奏曲》(2016年10月7日)
  • アルカン ピアノ・コレクション3《風のように》(2017年10月7日)
  • アルカン ピアノ・コレクション4《ファウストのように》(2018年11月7日)
  • アルカン ピアノ・コレクション5《幻影》(2019年9月7日)

ピアニート公爵

[編集]
  • Singularity(2011年4月6日)
  • コードギアス 反逆のルルーシュ ピアノソロコレクション(2018年3月28日)
  • コードギアス 反逆のルルーシュ ピアノソロコレクション2(2019年3月20日)

参加作品

[編集]

いずれもピアノ演奏での参加。

アニメ

[編集]

日付は放送開始日。

ドラマ

[編集]

ゲーム

[編集]

メディア出演

[編集]

テレビ

[編集]

ラジオ

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c 池上輝彦 (2018年9月22日). “「ピアニート公爵」森下唯 アルカンの超難曲に挑む”. NIKKEI STYLE. 日本経済新聞社日経BP. 2022年2月18日閲覧。
  2. ^ a b 森下唯. “ピアニート公爵とわたし”. 森下唯オフィシャルサイト. 2023年12月31日閲覧。
  3. ^ a b 竹中裕子 (2019年5月31日). “調布のまちで、楽しく豊かな音楽体験を(前編)”. 調布子育て応援サイト コサイト. ちょうふ子育てネットワーク・ちょこネット. 2022年2月18日閲覧。
  4. ^ a b c d 東京音楽コンクール入賞者 森下唯”. 東京文化会館. 2010年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月18日閲覧。
  5. ^ 森下 唯 / Morishita, Yui”. ピティナ・ピアノ曲事典. 全日本ピアノ指導者協会. 2022年2月18日閲覧。
  6. ^ a b 高坂はる香 (2016年11月13日). “森下 唯(ピアノ) 「アルカンの理解者を少しずつ増やしていきたい」”. SPICE. 2022年2月18日閲覧。
  7. ^ 飯尾洋一 (2017年1月15日). “難しいピアノ曲を弾く音楽家たち”. 「音楽会の帰り道」. テレビ朝日. 2022年2月18日閲覧。
  8. ^ 竹中裕子 (2019年6月10日). “調布のまちで、楽しく豊かな音楽体験を(後編)”. 調布子育て応援サイト コサイト. ちょうふ子育てネットワーク・ちょこネット. 2022年2月18日閲覧。
  9. ^ 西原幹喜 (2021年2月1日). “ドビュッシー「海」、青柳いづみこらが3人ピアノで披露”. 日本経済新聞. 日本経済新聞社. 2022年2月18日閲覧。
  10. ^ a b 宮崎美紀子 (2011年5月9日). “動画サイトからお出まし「ピアニート公爵」”. 東京新聞. 中日新聞東京本社. 2011年5月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月18日閲覧。
  11. ^ a b 駒井憲嗣 (2011年4月13日). “ニコニコ動画からデビューを果たしたピアニスト、ピアニート公爵が語るクラシックとニコ動の親和性”. webDICE. 2022年2月18日閲覧。
  12. ^ a b c 吾妻拓 (2011年4月15日). “超絶技巧のピアノ演奏がニコ動で話題!CDデビューのピアニート公爵が語ったネットと音楽の今”. 日経BP. 2011年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月18日閲覧。
  13. ^ 中里キリ (2019年8月31日). “蒼い鳥が羽ばたいた──アニサマ2019DAY1みどころレポ!”. アキバ総研. 2022年2月18日閲覧。
  14. ^ 塚越淳一 (2018年6月1日). “【ハイレゾ配信スタート】「『コードギアス 反逆のルルーシュ』ピアノソロコンサート」イベントレポート&ピアニート公爵インタビュー”. mysoundマガジン. ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス. 2022年2月18日閲覧。
  15. ^ 『コードギアス』オーケストラコンサートの追加公演決定”. アニメイトタイムズ. アニメイト (2019年1月28日). 2022年2月18日閲覧。

外部リンク

[編集]