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ウスベニアオイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブルーマロウから転送)
ウスベニアオイ
Malva sylvestris
Malva sylvestris
(2008年1月6日)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
階級なし : 真正バラ類II Eurosids II
: アオイ目 Malvales
: アオイ科 Malvaceae
亜科 : Malvoideae
: ゼニアオイ属 Malva
: M. sect. Malva
: ウスベニアオイ M. sylvestris
学名
Malva sylvestris L. (1753)[1]
和名
ウスベニアオイ
英名
common mallow
high mallow
blue mallow
変種

ウスベニアオイ(薄紅葵、学名: Malva sylvestris)は、アオイ科ゼニアオイ属二年草ヨーロッパ原産[2]。日本では帰化植物の一つとして扱われるが、ヨーロッパではごく普通に見られる[2]。ウスベニアオイの和名は、栽培品につけられたものである[2]ブルーマロウとも呼ばれている。近縁種ゼニアオイMalva mauritiana)は、本種の変種扱い(ver. mauritiana)とされることがある[2]

形態・生態

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二年草[2]。大変丈夫で寒さに強い植物であり、草丈は20 - 80センチメートル (cm) で[2]、大きいものでは2メートル (m) に達することもある。茎にはまばらに毛がある[2]は長い柄がついて対生し、多くは掌状に3 - 5裂(ときに7裂)し、縁に鋸歯がある[2]

花期は夏[2]。葉腋から細い花柄を数個ずつ束生して、赤紫色または白色のを咲かせる[2]。花の径は3.5 cmほどで、花弁は5枚[2]雄蕊は多数あり、花糸の下半分は合着して1個の筒となる[2]。その筒の中には雌蕊があって、先端部は10裂する[2]。花柄の上端部で、に接するように3枚の小包葉がある[2]。萼は浅く5裂して、萼片は三角状となる[2]

果実は10 - 11個が輪状に並んだ分果に分かれ、熟すとハチの巣状に凹む[2]

人間との関わり

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利用

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花はハーブティとして利用されており、お湯を注ぐと透きとおった青いお茶になる。レモンを浮かべるとピンク色に変色するので、大変人気がある。近縁種のハーブに、芳香をもつムスクマロウや、平たく広がるクリーピングマロウ (Modiola caroliniana)がある。コモンマロウの花の水溶液は、酸性塩基性の溶液を加えると色が変化するので、理科教材や夏休みの自由研究などで利用されることがある[3]

若葉と花はサラダやハーブティに、葉と根は茹でて、野菜としても利用できる。民間薬として、胃炎に効果があるとされている。ただし、妊娠中の人や何らかの食べ物にアレルギーがある人、医師の治療を受けている人は飲用・飲食を控えるか、掛かり付けの医者に相談してからの服用が望ましい。

栽培

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良く日のあたる場所に植え、土は水はけの良い弱アルカリ性のものが適している。夏場は乾きやすいので水やりを怠らないこと。比較的多湿を好むが受け皿に水を溜めたりすると、根腐れの危険があるため、避ける。特に冬場は乾燥させて育てるのが良い。種まきは4月-5月中旬までに済ませる。株分けは4月-6月、9月-10月が良い。8月-9月頃種を付ける。直根性のため、種は直播が良いが、市販されているものを購入する場合は植えつける際に、根を傷つけないように注意が必要である。

脚注

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  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Malva sylvestris L. ウスベニアオイ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年9月28日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 長田武正 1976, p. 189.
  3. ^ 四ヶ浦弘 著「飲める指示薬マロウブルー : ハーブティーで酸・塩基」、左巻健男編著 編『理科おもしろ実験・ものづくり完全マニュアル』東京書籍〈東書TMシリーズ〉、1993年、38-40頁。ISBN 4-487-73761-3 

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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