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プレイヤーキャラクター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Legend of Grimrock英語版』に登場する「Contar Stoneskull」というプレイヤーキャラクター。四角の中には、冒険中に身に着けている装備と所持しているアイテムを示すアイコンが描かれている。体力や経験値などの統計も表示されている。
ゲーム『Celeste』内で、プレイヤーキャラクターのマデリン英語版(左)が建物の外でノンプレイヤーキャラクターと会話している。

プレイヤーキャラクター: Player characterPC)、もしくはプレイアブルキャラクター: Playable character)は、ビデオゲームやテーブルトークRPGなどの遊び手(プレイヤー)が操作する登場人物(キャラクター)である。反対に、プレイヤーが制御できないキャラクターは、ノンプレイヤーキャラクター(NPC)と呼ばれる。NPCの行動は、ビデオゲームではゲーム側から制御され、テーブルトークRPGでは審判を務めるゲームマスターにより、ルールに従って制御される。プレイヤーキャラクターは、キャラクターを操作するプレイヤーの架空の身代わりとして機能する[1][2][3]

ビデオゲームでは通常、各プレイヤーごとに1人のプレイヤーキャラクターが存在する。マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナヒーローシューター英語版対戦型格闘ゲームなどの一部ゲームでは、プレイヤーが複数のキャラクターの中から1人のキャラクターを選択し、操作する。複数キャラクターが利用可能な場合、キャラクターは特徴的な能力や異なるプレイスタイルを持つことがある。

概要

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アバター

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プレイヤーキャラクターは、実在の人物に基づいている場合がある。特に、実際のアスリートの名前や肖像を使用するスポーツゲームではその傾向が強い。歴史上の人物や指導者も、ストラテジーゲームシド・マイヤーの『シヴィライゼーション英語版』シリーズなどといった4Xゲームでキャラクターとして登場することがある。このようなプレイヤーキャラクターは、名前や肖像がゲーム自体とあまり関係がないため、アバターと呼ぶ方が適切である。アバターは、カジノゲームシミュレーションでもよく見られる。

ブランクキャラクター

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多くのビデオゲーム、特にファーストパーソン・シューティングゲームでは、プレイヤーキャラクターは目立った特徴やバックストーリーさえも持たない「白紙状態」である。例としては、パックマン英語版や『クロノ・トリガー』のクロノ、『ゼルダの伝説』のリンク、『Portal英語版』のChell英語版、『グランド・セフト・オートIII』のクロードなどがいる。一般的にこれらのキャラクターは無口な主人公である。

ゲームによっては、プレイヤーキャラクターを一切表示せず、名前もないということもある。これは『MYST』などの一人称視点のゲームではよくあることだが、『Dune 2000英語版』、『Emperor: Battle for Dune英語版』、『コマンド&コンカー』シリーズなどのストラテジーゲームでは特に顕著である。ストラテジーゲームでは、キャラクターが実際に(ステータス情報などでなく)表示されるのは、キャラクターが任務の説明または報告を受けている間のカットシーンのみである。通常、プレイヤーは「将軍」、「司令官」、またはその他の階級として扱われる。

ゲーム文化では、ブランクキャラクターは「年齢不詳(Ageless)、顔無し(Faceless)、性別中立(Gender-Neutral)、文化的に曖昧な冒険者(Culturally Ambiguous Adventure Person)」を略して「AFGNCAAP」と呼ばれていた。この用語は『Zork: Grand Inquisitor英語版』で生まれたもので、プレイヤーを指す風刺的な意味合いでも使用されている[4]

キャラクターアクションゲーム

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1989年発売のプラットフォーマーゲーム『プリンス・オブ・ペルシャ

キャラクターアクションゲーム(キャラクタードリブンゲーム、キャラクターゲーム、または単にアクションゲームとも呼ばれる)は、アクションゲームの広義の区分であり、プレイヤーキャラクターの物理的なアクションによって動作するさまざまなゲームを指す。この用語の起源は、1980年代初頭のアーケードゲームの黄金時代英語版にまで遡る。当時、「アクションゲーム」と「キャラクターゲーム」という用語は、 1970年代後半にアーケードゲームを席巻していたスペースシューティングゲーム英語版と、キャラクタードリブンアクションゲームという新しいジャンルを区別するために使用され始めた。当時のキャラクターアクションゲームの典型的な例としては、『パックマン』のような迷路ゲーム、『ドンキーコング』のようなプラットフォームゲーム、フロッガーなどがある[5][6]

横スクロールキャラクターアクションゲーム(「横スクロールアクションゲーム」または「サイドスクローラー」とも呼ばれる)は、1980年代半ばから1990年代にかけて人気のあったキャラクターアクションゲームの広義の区分であり、プレイヤーキャラクターが横スクロール形式のステージに沿って多数のザコ敵を倒していくものである[6]。例としては、『スパルタンX』や『ダブルドラゴンシリーズ』などのベルトスクロールアクションゲーム、『影の伝説』や『忍シリーズ英語版』などの忍者アクションゲーム[6]、『スーパーマリオブラザーズ[7]』や『ソニックシリーズ[8]』などのスクロールプラットフォームゲーム、『ローリングサンダー[6]』や『ガンスターヒーローズ[9]』などのラン&ガン英語版シューティングゲームなどがある。

「キャラクターアクションゲーム」は、『デビルメイクライ』をモデルにした3Dハックアンドスラッシュゲームにも使用される用語であり、アーケードキャラクターアクションゲームの進化形である。キャラクターアクションゲームには、『忍者龍剣伝』、『ゴッド・オブ・ウォー英語版』、『ベヨネッタ英語版』などがある[10]

対戦型格闘ゲーム

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対戦型格闘ゲームでは通常、使用できるプレイヤーキャラクターの数が多く、全て、もしくはほとんどのキャラクターが使用できる基本的な動作と、1人または少数のキャラクター独自の動作が存在する。このようなゲームでゲームプレイの多様性を生み出すには、各キャラクターが、異なる動作や能力といった特徴の多いキャラクターを相手にしてプレイすることが必要である。

ヒーローシューター

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MOBAと同様に、ヒーローシューター英語版では、他のキャラクターが使用できない個性的な能力や武器を持ち、事前に設計された「ヒーロー」キャラクターが強調されている[11]。ヒーローシューターでは、チーム内でのプレイヤー間のチームワークが大いに必要とされ、プレイヤーはヒーローキャラクターの効果的な組み合わせを決定し、戦闘中に各ヒーローの能力の使用を調整する[12]

マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ

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マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナでは、プレイヤーが選択できる多数のプレイヤーキャラクターが用意されており、各キャラクターが個性的な能力、長所、短所を持つため、ゲームのプレイスタイルが異なってくる。キャラクターは、戦闘中に経験値を集めることで、新たな能力を習得したり、既存の能力を強化したりすることができる。プレイヤーのチームメイトを補完し、対戦相手に対抗するキャラクターを選択すると、ゲーム開始前に戦略が開かれる[13]。プレイアブルキャラクターには、大衆文化神話への言及を数多く取り入れ、様々なファンタジー作品でよく用いられるキャラクターが使用される[14][15][16]

ロールプレイングゲーム

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ダンジョンズ&ドラゴンズ』などのテーブルトークRPGや『ファイナルファンタジー』などのロールプレイングビデオゲームでは、通常、ゲーム中のプレイヤーは、自身とは何の共通点もないキャラクターのアイデンティティを受け継ぐ。キャラクターは多くの場合、特定の種族とクラスゾンビベルセルクライフル銃兵英語版エルフ聖職者)であり、それぞれに長所と短所がある。キャラクターの属性(魔法や戦闘能力など)は数値として与えられ、プレイヤーが目標を達成したり敵と戦ったりすることでランクや経験値を獲得し、成長することで数値を増加させることができる。

スポーツゲーム

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多くのスポーツゲームでは、プレイヤーキャラクターは架空の人物ではなく、実際のアスリートをモデルにしていることが多い。これは特にスポーツシミュレーションゲームに当てはまる。その一方で、アーケードゲームのスポーツゲームでは架空の人物が登場することがよくある。

隠れキャラクター

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隠れキャラクターは、ビデオゲームでゲームを完了するなどの一定の要件を満たした後にのみ利用できる、プレイアブルキャラクターである。一部のビデオゲームでは、特定の要件を満たす、場合によってはチートを行うと、ボスや敵などの隠しキャラクターではないノンプレイヤーキャラクターとしてのみ登場するキャラクターがプレイアブルキャラクターになる。

脚注

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出典

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  1. ^ La Farge, Paul (September 2006). “Destroy All Monsters”. The Believer Magazine英語版. オリジナルの2008年9月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20080920141500/http://www.believermag.com/issues/200609/?read=article_lafarge 2008年12月25日閲覧。. 
  2. ^ TSR Hobbies, Understanding Dungeons & Dragons, 1979. Quoted in Gary Alan Fine, Shared Fantasy: Role-Playing Games as Social Worlds (Chicago: U Chicago Press, 1983)
  3. ^ Waggoner, Zack (2009). My Avatar, My Self: Identity in Video Role-Playing Games. University of Michigan. p. 8. ISBN 978-0-7864-4109-9. https://books.google.com/books?id=uf9QosYeuX4C&pg=PA8 2014年11月12日閲覧。 
  4. ^ Douglas, Jeremy (December 2007). Command Lines: Aesthetics and Technique in Interactive Fiction and New Media. University of California, Santa Barbara. p. 199. ISBN 9780549363354. https://books.google.com/books?id=jvfsQ5G9S7MC 2014年11月12日閲覧。 [リンク切れ]
  5. ^ Thorpe, Nick (March 2014). "The 80s: The Golden Age of the Arcade". Retro Gamer英語版. No. 127. pp. 28–31.
  6. ^ a b c d Williams, Andrew (16 March 2017). History of Digital Games: Developments in Art, Design and Interaction. CRC Press. pp. 79–84, 143–146, 152–154. ISBN 978-1-317-50381-1. https://books.google.com/books?id=xLVdDgAAQBAJ&pg=PA79 
  7. ^ Horowitz, Ken (21 October 2016). Playing at the Next Level: A History of American Sega Games. McFarland & Company. p. 82. ISBN 978-0-7864-9994-6. https://books.google.com/books?id=hxhmDQAAQBAJ&pg=PT94 
  8. ^ Conference Proceedings: Conference, March 15–19 : Expo, March 16–18, San Jose, CA : the Game Development Platform for Real Life. The Conference. (1999). p. 299. https://books.google.com/books?id=_UA-AQAAIAAJ. "what do you get if you put Sonic the Hedgehog (or any other character action game for that matter) in 3D" 
  9. ^ "Viewpoint". GameFan英語版. Vol. 1, no. 10. September 1993. pp. 14–5.
  10. ^ Hovermale, Chris (2019年3月11日). “How Devil May Cry's arcade inspirations shaped character action games”. Destructoid. オリジナルの2021年8月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210810223735/https://www.destructoid.com/stories/how-devil-may-cry-s-arcade-inspirations-shaped-character-action-games-545783.phtml 2021年4月30日閲覧。 
  11. ^ Wood, Austin (2016年10月25日). “What the strange evolution of the hero shooter tells us about the genre's future” (英語). PC Gamer. 2021年1月15日閲覧。
  12. ^ Wawro, Alex (6 May 2016). “Hero Shooters: Charting the (re)birth of a genre” (英語). www.gamasutra.com. 2021年1月15日閲覧。
  13. ^ Crider, Michael (Nov 6, 2017). “Why Are MOBA Games like League of Legends So Popular?” (英語). How-To Geek. 2020年7月17日閲覧。
  14. ^ Marshall, Cass (2019年12月5日). “Riot's new games are League of Legends' best asset (and biggest threat)” (英語). Polygon. 2020年9月7日閲覧。 “"Now it has lore that’s legitimately worth reading, in a collection of genres ranging from Lovecraftian horror to knights and banners fantasy to pirate power struggles."”
  15. ^ Blizzard's Worlds Collide When Heroes of the Storm Launches June 2” (英語). Business Wire (2015年4月20日). 2020年9月7日閲覧。 “"The free-to-play online team brawler brings together a diverse cast of iconic characters from Blizzard’s far-flung realms of science fiction and fantasy"”
  16. ^ Higgins, Chris (Nov 27, 2015). “The making of a Smite god: from mythology to main stage” (英語). PCGamesN. 2020年9月7日閲覧。 “Obviously we’re a game about mythology, so one of the things we look for is a mythological character that would be good to bring into the game”

関連項目

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