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ベリーベスト法律事務所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ベリーベスト法律事務所
種類 弁護士法人
略称 ベリーベスト
本社所在地 日本の旗 日本
106-0032
東京都港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階
設立 2010年12月16日
業種 サービス業
事業内容 法律事務
代表者 酒井将(創業者、代表弁護士)、浅野健太郎(創業者、代表弁護士)、萩原達也(代表弁護士)
従業員数 弁護士約350名(2024年9月時点)
支店舗数 75拠点(2024年9月時点)
外部リンク https://www.vbest.jp/
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ベリーベスト法律事務所(ベリーベストほうりつじむしょ)は、日本の法律事務所士業ビジネスやコンサルティング業務等を広く手掛けるベリーベストグループの中核となる[1]

事務所名のベリーベスト(Very best)は、「最高の」という意味に加え、「一生懸命」、「精一杯」という意味を持ち合わせており、お客さまと「一生懸命」に向き合い、「精一杯」のサービスを提供することで、お客さまに「最高の」パートナーと思ってほしい、という願いが込められている[2]

概要

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慶應義塾大学法学部司法修習で同期だった酒井将と浅野健太郎によって2010年に設立。2013年には、同様に同期であった萩原達也も入所し、その4年後に代表に就任。以降、酒井将・浅野健太郎・萩原達也の3名が代表として事務所を運営している。

主たる事務所を東京都港区に置きながら、国内75か所に従たる事務所を開設し、法律事務所の拠点数全国№.1を誇る[3]。所属弁護士数は約350人(2024年9月時点)で、日本の法律事務所としては、所属弁護士数第6位である[4]。いわゆる「五大法律事務所」が企業法務を中心としているのに対し、ベリーベストは創業当初より国内個人客を中心に据えてきたのが特徴。

2024年公開のテレビCMでは、要潤を起用して全国放映を行っている。「ベストを超えろ」のキャッチコピーのもと、「業界の常識にとらわれることなく、この時代に相応しい弁護士事務所を目指そう」という事務所としての姿勢を示した[5]

業務分野

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設立当初は過払い金請求を中心業務とし、B型肝炎訴訟で存在感を急速に増した。

過払い金請求で得た利益で積極的に弁護士の採用に注力し、以降、取り扱い案件を拡大している。主には、交通事故離婚問題、遺産相続、刑事弁護、労働問題、債務整理、債権回収、削除請求、医療過誤、建築訴訟、消費者問題、学校問題、企業法務、国際業務などが挙げられる。

民事事件を多く取り扱うが、企業法務にも注力しており、月額3,980円から契約できる顧問弁護士サービスを展開。顧問契約社数は、1,900社(2024年9月3日時点)を超えた。国際法務も幅広く扱っており、2024年8月21日には、韓国の大手法律事務所「法務法人(有限)大輪(デリュン)」との業務提携覚書に調印している[6]

またグループ全体としても、税務、人事・労務、特許業務、M&A等広く手掛ける。

創業者の酒井は、「マーケティングを駆使して過払いに頼らない事務所経営をしようと当初から考えていた」と話す[7]

士業以外で活躍する弁護士

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東京オフィスに所属する五十嵐優貴は、弁護士兼小説家として活躍[8]。小説家としては、五十嵐律人のペンネームで推理小説を執筆している。2023年11月10日には、長編推理小説「法廷遊戯」が劇場公開された。

久保田康介は、弁護士兼Youtuberとして活躍[9]。弁護士が架空請求詐欺を相手にしたらどうなるのか、電話で攻防を行う様子などのフィクションを投稿している。2024年8月時点、チャンネル登録者数は42万人を超える[10]。また、べリーベスト法律事務所の弁護士が監修する、個人の法律問題解決チャンネル「みんなの法律手帳」も運営[11]。チャンネル登録者数は1万人を突破している(2024年9月時点)。

不祥事

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非弁提携による懲戒処分

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ベリーベスト法律事務所の酒井将・浅野健太郎は、2016年9月27日に「弁護士法や弁護士職務基本規定に反する」として懲戒請求を受け、2020年3月12日、東京弁護士会から「非弁提携」を理由に、業務停止6か月の懲戒処分を下された。その後、日本弁護士連合会に対する不服申し立ての審査請求を経て、業務停止3か月の裁決となる[12]

本件は、ベリーベスト法律事務所が司法書士法人新宿事務所から過払い金返還請求の案件を引き継ぐ際に19万8000円を支払ったことについて、東京弁護士会から「事件の紹介料である(=非弁提携を行った)」として問題になった。これに対し、酒井将・浅野健太郎は「業務委託料として支払ったもので紹介の対価ではない」と反論[13]

なお、同案件で関与していた司法書士法人新宿事務所にも懲戒がかかっていたが、東京司法書士会は不処分としている[14]

また、非弁提携に関する懲戒請求を行ったのは、弁護士法人アディーレ法律事務所を退職後、ベリーベスト法律事務所に入所した元職員であった。さまざまな証言や証拠から、この元職員はアディーレがベリーベストを陥れるために送り込んだスパイであるとして、2019年9月20日、酒井将はアディーレおよび元代表社員である石丸幸人弁護士に対して懲戒請求を行った[15]

訴訟依頼放置および判決書偽造

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2024年9月、土地登記を巡って偽の民事訴訟の判決書作成および依頼者側へのメール送信などを行い、有印公文書偽造・同行使の疑いで元所属弁護士が逮捕された。当該弁護士は訴訟提起の依頼を放置し、それを隠蔽するために依頼者側に「裁判で判決を受けた」と虚偽の報告をしていたという [16]。なお、当該弁護士は、逮捕時には事務所を退所している。

脚注

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  1. ^ ベリーベストってどんな会社?|株式会社ベリーベスト
  2. ^ 事務所概要|ベリーベスト法律事務所
  3. ^ 事務所一覧|ベリーベスト法律事務所
  4. ^ 数字で見るベリーベスト|ベリーベストグループ採用サイト
  5. ^ ベストを超えろ|ベリーベスト法律事務所 CM特設サイト
  6. ^ 韓国の大手法律事務所との提携に関するご報告|ベリーベスト法律事務所
  7. ^ 「勃発!士業バトルロイヤル」週刊ダイヤモンド2021年7月24日号 p.32~33
  8. ^ 弁護士 五十嵐 優貴|ベリーベスト法律事務所
  9. ^ 弁護士 久保田 康介|ベリーベスト法律事務所
  10. ^ kubota|Youtubeチャンネル
  11. ^ みんなの法律手帳【ベリーベスト法律事務所】|Youtubeチャンネル
  12. ^ 非弁提携を理由とする懲戒請求に対する見解について
  13. ^ 【vs弁護士会 前編】弁護士会の不当処分に対して徹底抗戦します。|Youtube
  14. ^ 東京弁護士会が調査命令 司法書士法人から「事件」紹介、法律事務所に 書士会「違反に当たらず」
  15. ^ スパイ行為に関するアディーレの言い分に対する反論
  16. ^ 判決書偽造容疑で弁護士逮捕 別事件の裁判官署名切り貼り―福岡地検

外部リンク

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