ペイジ
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ペイジ (page) は西洋における小姓のこと。
ヨーロッパの中世におけるペイジは、騎士の城や屋敷に仕える、7〜8歳から十代半ばくらいまでの少年のことをさす。
大部分は貴族や荘園主の子弟で、王の宮廷をはじめ、生家より家柄が上の貴族に奉公して、使い走りを務めたり、家庭内の仕事をまかされたりしながら、将来の騎士にふさわしく、馬及び武器の扱い方やテーブルマナー、また、チェスの遊び方などを教えられた。14歳くらいになると、今度は従騎士となって銀の拍車を付け、主人の身の回りの世話を担当するようになり、戦場でも補佐役を務めた。
現代のホテルや事務所などで、伝言や案内を担当するボーイもペイジ(ホテルペイジ)と呼ばれる。
また、アメリカ合衆国議会では、議員のために使い走りをするハイスクールの生徒をペイジと呼ぶ。
結婚式で、ウェディングドレスの裾を持つ少年もまたペイジと呼ばれる。
英国には「ペイジ・オブ・オナー」(Page of Honour)という制度がある。貴族やジェントリの子弟が選任され、式典などで、女王または王妃の式服の裾を持つ役目にあたる。
日本
[編集]御裳捧持者(おんもほうじしゃ)と呼ばれる学習院中等科の13歳から15歳の少年が皇后に4人、控えとして2人付き、妃には2人付く[1]。御裳捧持者の服装は紫紺のビロード製襟無しの上着に胸元に白ネクタイ、膝下の半ズボンに白長靴下に黒エナメル靴、サーベルを腰に佩く[1]。上着の左右に白いポンポンが5個ずつ、ズボンの脇に白いポンポンが2個ずつ付く[1]。
脚注
[編集]- ^ a b c 彬子女王「明治宮廷の華」、小松大秀(監修)『明治150年記念 華ひらく皇室文化 −明治宮廷を彩る技と美−』、青幻社、2018年5月、13-14頁、ISBN 978-4861526442。
関連項目
[編集]- ウェンセスラスはよい王様 - クリスマス・キャロル。王がペイジに領民について尋ねる場面、また、そのペイジを連れて、雪の中を領民に贈り物を届けに行く場面が登場する。
- カロン・ド・ボーマルシェ作フィガロ三部作中、『フィガロの結婚』及び『罪ある母』に登場するケルビーノは、ステレオタイプなペイジとして描写される。
- ページボーイ (髪型) - 英国のペイジをイメージした1950年代から1960年代に流行したヘアスタイル。これを短めにカットしたものがマッシュルームカットである。