コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

マリン・オールソップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マリン・オルソップから転送)
マリン・オールソップ
基本情報
生誕 (1956-10-16) 1956年10月16日(68歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニューヨーク
学歴 ジュリアード音楽院
ジャンル クラシック音楽
職業 指揮者
公式サイト 公式サイト

マリン・オールソップMarin Alsop, 1956年10月16日 - )は、アメリカ合衆国の女性指揮者

経歴

[編集]

ニューヨークマンハッタン生まれ。両親は共にニューヨーク・シティ・バレエ管弦楽団の楽団員。イェール大学に進学した後、ジュリアード音楽院修士博士号ヴァイオリン科)を取得。1989年タングルウッド音楽祭クーセヴィツキー賞を受賞し、レナード・バーンスタイン小澤征爾らに教えを受けた。

1980年代にはジャズとクラシック音楽の融合を目指した活動に力を入れており、1981年ビッグバンドスウィング・ジャズを演奏する室内アンサンブル「ストリング・フィーヴァー(String Fever)」をニューヨークで立ち上げている。1984年に組織したコンコーディア管弦楽団(the Concordia Orchestra)は、クラシック音楽のジャズ風演奏、ジャズミュージシャンによるオーケストラ作品の演奏や、ヘンデルメサイアゴスペル・ヴァージョンで演奏するなど、やはりジャズとのクロスオーヴァーを主体としている。

1993年にはコロラド交響楽団の音楽監督に就任し注目を集める(2005年まで在任)。またその在任中にユージン交響楽団ロングアイランド・フィルハーモニックの音楽監督及びリッチモンド交響楽団ヴァージニア州)の準指揮者を兼任した他、セントルイス交響楽団へ頻繁に客演するなど客演の要請も多く、ヨーロッパにおいてもシティ・オブ・ロンドン・シンフォニアロイヤル・スコティッシュ管弦楽団の首席客演指揮者を経験している。さらに2002年から2008年までボーンマス交響楽団の首席指揮者を務め、2003年グラモフォン誌「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」に選出され、同年ロイヤル・フィルハーモニック協会の指揮者賞も受賞した。

2005年ユーリ・テミルカーノフの後を継ぎボルティモア交響楽団の音楽監督に就任することが発表された。これによりオールソップは、アメリカで初めてメジャー・オーケストラの音楽監督を務める女性指揮者となった[1]。当初、マネージメントサイドの一方的な決定であるとして楽団員側の一部に反発があったようだが、ほどなく解消されたらしく、2007年に正式に音楽監督に就任し2021年まで務めた後、同年桂冠音楽監督に任命された[2]。2012年から2019年までブラジルのサンパウロ交響楽団の首席指揮者(2020年から名誉指揮者)[3]。2019年からウィーン放送交響楽団首席指揮者[4]、2023年からポーランド国立放送交響楽団芸術監督・首席指揮者を務める[5]

録音活動にも積極的であり、ナクソス等から数多くのレコーディングが発売されている。特にアメリカのクラシック音楽を多数録音しており、代表的なものではサミュエル・バーバーの6枚の管弦楽曲集、かつて教えを受けたバーンスタインの作品集などがリリースされている。その他、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してのブラームスの交響曲全集(女性による初の全集)、武満徹の管弦楽曲集などがある。

私生活

[編集]

同性愛者であることを公表しており、1990年からホルン奏者の Kristin Jurkscheit とパートナーの関係を結んでいる。彼女らには息子が一人いる[6][7][8]

外部リンク

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ Near a Breakthrough at the Baltimore Symphony by Jeremy Eichler (The New York Times, July 16, 2005)
  2. ^ Marin Alsop” (英語). BALTIMORE SYMPHONY ORCHESTRA HP. Musicians. 2023年10月2日閲覧。
  3. ^ ORQUESTRA” (ポルトガル語). OSESP. 2023年10月2日閲覧。
  4. ^ Marin Alsop” (ドイツ語). ORF RSO. 2023年10月7日閲覧。
  5. ^ History” (英語). NOSPR. 2023年10月7日閲覧。
  6. ^ Dalton, Joseph (August 10, 2008). “Marin Alsop to conduct Philadelphia Orchestra at SPAC”. Times Union 
  7. ^ Tommasini, Anthony (November 11, 2007). “A One-Woman Vanguard”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2007/11/11/arts/music/11tomm.html?pagewanted=all 2017年8月30日閲覧。 
  8. ^ Smith, Tim (June 11, 2010). “Alsop cements relationship with BSO, community”. The Baltimore Sun 
先代
エイドリアン・グナム
ユージン交響楽団
音楽監督
1989 - 1996
次代
ミゲル・ハース=ベドーヤ
先代
クリストファー・キーン
ロングアイランド・
フィルハーモニック

音楽監督
1990 - 1995
次代
デイヴィッド・ロッキントン
先代
フィリップ・アントルモン
(デンバー交響楽団時代)
コロラド交響楽団
音楽監督
1993 - 2005
次代
ジェフリー・カハーン
先代
ヤコフ・クライツベルク
ボーンマス交響楽団
首席指揮者
2002 - 2008
次代
キリル・カラビッツ
先代
ユーリ・テミルカーノフ
ボルティモア交響楽団
音楽監督
2007 - 2021
次代
ジョナサン・ヘイワード