マンダラート
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(マンダラチャートから転送)
マンダラートは、発想法の一種[1]。紙などに9つのマスを用意し、それを埋めていくという作業ルールを設けることにより、アイデアを整理・外化し、思考を深めていくことができる。今泉浩晃によって1987年に考案された[2][3]。
概要
[編集]3×3の9マスを書き、その中心のマスに考えたいことを書き込み、周りのマスにはそれに関連する事柄を埋めていく。次に周りの8マスのうち1マスを選び、そのマスの記載内容を別の紙の中心のマスに転記し、同様に繰り返す。これを何度も反復することにより、思考を深めていく[4][5]。枠組みを提供することにより思考の外化を促進することができるルールであるという意味ではKJ法やマインドマップと似た特徴を持つ手法である[6]。
1995年にMacintoshのハイパーカード上で動作するバージョンが開発されて以降、デジタルの世界へ浸透していった。 2014年1月1日に、iPhone/iPadの新しいマンダラートアプリの開発が始まったことが発表されている。
実践例と効果
[編集]ある研究では、「手法自体の使いやすさ」「アイデアの量が増える」「(アイデアの)ブラッシュアップ」「意見の共有、組み合わせ」などの点で効果が得られたとの報告がある。(立命館大学建築系の大学生・大学院生100名を対象とした、特性要因図やポジショニング法などを含む19手法の比較実験による。)[7]
また、マインドマップとの併用が効果的であるとの報告もある。児童の国語指導の場における実践例では、マインドマップにより広げたイメージをマンダラートに書くことで、思考の構成要素を視覚的に整理しやすいとされた[8]。
脚注
[編集]- ^ 宇都出雅巳 (2006年3月23日). “9つのマスがあなたをパワーアップ!(1)”. All About. 2014年1月27日閲覧。
- ^ 今泉浩晃『創造性を高めるメモ学入門』日本実業出版社、1987年9月。ISBN 4534012950。
- ^ 今泉浩晃『超メモ学入門 マンダラートの技法―ものを「観」ることから創造が始まる』日本実業出版社、1988年11月。ISBN 453401421X。
- ^ 開米瑞浩「MECEからマンダラートまで 「思考の技術」を身に付ける」『日経ITプロフェッショナル』第24号、2004年5月、39ページ。
- ^ “コミュニケーションをわかっている教師になろう!”. 読売新聞. 2014年1月27日閲覧。
- ^ 木村篤信、鈴木由里子、中茂睦裕、玉木秀和、小林稔「自省的思考を促進するアイデア外化支援システム」『情報処理学会研究報告. CVIM [コンピュータビジョンとイメージメディア]』第2008巻第115号、一般社団法人情報処理学会、2008年11月27日、15-20頁、ISSN 0919-6072。
- ^ 平尾和洋、山本伊織「発想法研究その1 : 発想法の効果の諸考察と組み合わせ表現型発想法を用いた比較実験」『日本建築学会近畿支部研究報告集. 計画系』第50号、社団法人日本建築学会、2010年5月25日、281-284頁、ISSN 1345-6652。
- ^ 表田さかえ「物語の構成要素を整理する : マインドマップとマンダラート」『国語科授業論叢』第2号、学思会 広島大学教育学部難波博孝研究室、2010年3月31日、64-69頁。