マンハッタン・ミュニシパル・ビルディング
マンハッタン・ミュニシパル・ビルディング | |
所在地 | アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタン区 センター通り1号 |
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座標 | 北緯40度42分47秒 西経74度00分13秒 / 北緯40.71292度 西経74.00354度 |
建設 | 1909 - 1914年[2][3] |
建築家 | ウィリアム・M・ケンダル |
建築様式 | ルネサンス他 |
NRHP登録番号 | 72000879 [1] |
指定・解除日 | |
NRHP指定日 | 1972年10月18日 |
NYCL指定日: | 1966年2月1日 |
マンハッタン・ミュニシパル・ビルディング(英語: Manhattan Municipal Building)は、ニューヨーク市マンハッタン区シヴィック・センターに位置するニューヨーク市営のビルである。ミュニシパルとは「自治体の」という意味である。
概要
[編集]マンハッタン・ミュニシパル・ビルは、1898年に周辺自治体と合併したニューヨーク市政府の組織が巨大化して足りなくなったオフィススペースを補うために建設された。1909年に建設が始まり、ニューヨークの都市美運動の最後として1914年に完成した[2][3]。有名な建築事務所であるマッキム・ミード・アンド・ホワイトのウィリアム・M・ケンダルが設計している[2]。建物は、他のアメリカの都市の建築物にも大きな影響を与えている。そのボザール様式は、クリーブランドのターミナル・タワーやシカゴのリグレー・ビルディング、スターリン時代のソ連のセブン・シスターズの建築の見本となっている。
建物は、チェンバーズ通りとセンター通りの交差点に位置しており、住所はセンター通り1号である。ニューヨーク市地下鉄の駅と接続しており、周囲はシヴィック・センターと呼ばれる地区である。40階建ての高さは580フィート (180 m)で、世界最大の公共建築の1つである。ビルには、ニューヨーク市の13の機関が入っている。また、2009年にマンハッタン結婚局 (Manhattan Marriage Bureau) がセンター通り80号にある別の建物に移転する[4][5]まで、毎年1万8,000人[6]が2階のチャペルで結婚していた。
建物は、1966年にニューヨーク市歴史建造物に選ばれ[3]、1972年にはアメリカ合衆国国家歴史登録財に登録された。
歴史
[編集]1884年のニューヨーク市の年次報告で、ニューヨーク市長のフランクリン・エドソンは、事務所の拡張が必要であることに言及した。しかし、ニューヨーク市庁舎(シティ・ホール)を増築することは、外観の美を損なうので不可能であるとも述べた。
市の機関が増加するにつれ、ダウンタウンやミッドタウンなどの民間の事務所ビルのスペースが使われるようになっていた。市政府は賃料の支払いを避けることを望んでおり、多くの機関を収容できる大型の事務所ビルの計画が浮上した。このため、建物の設計競技を開催することになった。
アブラム・ヒューイット市長は、1888年に、建設用地を検討する委員会を設立した。当時4つの案が提案されており、この競技が1888年から1907年まで続いた。用地の最終的な競技は、橋の理事たちによって開催された。彼は、ブルックリン橋のマンハッタン側の拠点となるトロリー・ハブの土地を既に所有していた。
設計競技は、最後に12の建築事務所が残っていた。採用されたのは、ウィリアム・ミッチェル・ケンダルとマッキム・ミード・アンド・ホワイトの若いパートナーだった[6]。彼らは、ジョージ・B・マクレラン市長からコンテストに出場するよう促されていた[6]。マッキム・ミードは、そのとき100人以上のスタッフを持つ世界最大級の建築事務所であった。マンハッタン市営ビルの設計は、この事務所にとって初めて手がける超高層ビルだった。
建設工事は1909年に開始され、1913年1月、ビルは建設中であったが一部使用が開始された。そして、1914年には全体が完成した。
現在のビルは、床面積100万平方フィート(90,000㎡)で、2,000人が働く13の機関を収容している。
建築
[編集]ビル内では様々な彫刻やレリーフが使われている。ビルの中央のアーチは、コンスタンティヌスの凱旋門に似ており、建物もローマ建築のようなつくりである。現在のチェンバーズ・ストリートは、短くなっていて、東側に通り抜けできないが、昔はアーチの下を自動車が通り抜けることができた。円柱のコンクリートのスクリーンは、アーチの側面を補強している[3]。
テラコッタのヴォールトは、イタリア・ローマのファルネーゼ宮殿入口がモデルとなっている。また、南のアーケードの天井は、白いグアスタヴィーノ・タイルでできている[3]。
建物のファサードは、1990年にワンク・アダムス・スラヴィンが復元している[2]。
尖塔
[編集]1913年3月に取り付けられたビルの上に建つ「市民の栄誉の像」は、アドルフ・A・ウェインマンが制作した金めっきの像である。像は高さ25フィート(8メートル)で、マンハッタンで2番目に大きい。中心部のくぼんだ銅のシートのウェインマンのモデルからつくられ、その点は自由の女神像と似ている。像は、球体の上に裸足で建っており、栄誉を示すため、なだらかな服を着用し、王冠をかぶっている。彼女の左手には、ニューヨーク市の5つの行政区(マンハッタン、ブルックリン、ブロンクス、クイーンズ、スタテンアイランド)を表す5つに分かれた城壁冠を持っている。また、右手には勝利を表す盾を持つ。5つの丸屋根も、市の5つの行政区を表す。
オードリー・マンソン(1891 - 1996)は、ダニエル・チェスター・フレンチのモデルで、像のモデルともなった[7][8]。アレクサンダー・ハミルトン税関の前にもたっている。また、彼女は恐らく、ペンシルヴァニア駅前の「Day」と「Night」の彫刻のモデルでもある。
ウェインマンはさらに、ビルの土台にあるパネルの寓話の彫刻もしている[3][7]。
ビル内の機関
[編集]マンハッタン市営ビル内にあるニューヨーク市の公共機関には、次のようなものがある。
- ニューヨーク市行政サービス局
- ニューヨーク市金融部
- ニューヨーク公共事業委員会
- マンハッタン区長オフィス
- ニューヨーク市公共監察
- ニューヨーク市検査官
- ニューヨーク郡書記
- ニューヨーク市史跡保存委員会
- ニューヨーク市支払給与管理局
- ニューヨーク市税金委員会
- ニューヨーク市情報通信部(DoITT)
- ニューヨーク市ビルディング部
- ニューヨーク州監察長官部
- ニューヨーク市環境保護部
主な文化
[編集]- マンハッタン市営ビルは、1984年の映画『ゴーストバスターズ』に登場する。また、2001年のロックスタービデオゲーム『マックスペイン』のレベル1のセッティングにもなっている。1974年の映画『サブウェイ・パニック』では、警察が100万ドルを運び、センター・ストリートを走る場面で短時間登場する。
- 1994年の映画『レオン』では、ゲイリー・オールドマンが演じる悪役スタンスフォードが、麻薬取締局のオフィス1402で登場する。
- ポピュラーな1990年代のシチュエーション・コメディー『イレーヌ・ベネス』でビル内で働く場面がある。
- 2000年のゲーム『ミッドナイト・クラブ・ストリート・レーシング』に登場する。
- 2008年のゲーム『グランド・セフト・オートIV』に登場する。
- 2011年のゲーム『Crysis 2』では、建物の中央部の構造が大半崩壊するように見える。
ギャラリー
[編集]-
下から -
ブルックリン橋から見たビルの裏側
関連項目
[編集]- セブン・シスターズ - マンハッタン市営ビルがモデルとなった。
出典
[編集]- ^ National Park Service (15 March 2006). "National Register Information System". National Register of Historic Places. National Park Service.
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引数が必須です。 (説明) - ^ a b c d White, Norval [in 英語] & Willensky, Elliot (2000). AIA Guide to New York City (英語) (4th ed.). New York: Three Rivers Press. ISBN 978-0-8129-3107-5。, p.71
- ^ a b c d e f New York City Landmarks Preservation Commission; Dolkart, Andrew S. [in 英語]; Postal, Matthew A. (2009), Postal, Matthew A. (ed.), Guide to New York City Landmarks (4th ed.), New York: John Wiley & Sons, ISBN 978-0-470-28963-1。, p.33
- ^ Chung, Jen (October 5, 2008). “Manhattan Marriage Bureau Gets Ready to Move”. Gothamist 2010年8月7日閲覧。
- ^ Del Signore, John (January 8, 2009). “Manhattan Marriage Bureau Gets Makeover”. Gothamist 2009年6月9日閲覧。
- ^ a b c Willis, Carol. "Municipal Building" in Jackson, Kenneth T. [in 英語], ed. (2010), The Encyclopedia of New York City (英語) (2nd ed.), New Haven: Yale University Press, ISBN 978-0-300-11465-2。, p. 863-864
- ^ a b "Civic Fame"
- ^ "The Big Apple: Audrey Munson"
外部リンク
[編集]先代 ハドソン・ターミナル |
世界最大のオフィス (床面積) 1913-1915 |
次代 エクイタブル・ビル (マンハッタン) |