メルセデス・ベンツ・CLK-LM
先代 | メルセデス・ベンツ・CLK-GTR |
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後継 | メルセデス・ベンツ・CLR |
主要諸元[1]:110 | |
全長 | 4900 mm |
全幅 | 1999 mm |
全高 | 1119 mm |
ホイールベース | 2670 mm |
エンジン | M119 5 L V型8気筒 |
トランスミッション | 6速 シーケンシャル |
重量 | 940 kg |
タイヤ | ブリヂストン |
主要成績 | |
初戦 | 1998年のル・マン24時間レース |
初勝利 | 1998年 FIA GT選手権 第3戦 |
最終戦 | 1998年 FIA GT選手権 第10戦 |
メルセデスベンツ・CLK-LMは、メルセデス・ベンツとAMGが1998年ル・マン24時間レース及びFIA GT選手権参戦用に開発した、FIAグループGT1規定のグランドツーリングスポーツカーである。
概要
[編集]前年のCLK-GTRの発展型であるが、GT選手権用エンジンはグループCに使われていたM119エンジンからターボを取り除いた5リットル V型8気筒自然吸気エンジンに変更され[2]、ラジエターもフロントからサイドへ移された[1]:111。そのためCLK-GTRと比べボンネットが低く薄くなっている部分が特徴である。また全体の設計が改められ、車体全体が低く、薄さが一際強調されたスタイルとなっている。CLK-GTR同様GT1ホモロゲーション取得用のロードバージョンが作られたが、市販はされなかった。
ル・マン参戦を公式に発表したのは予備予選も終った5月になってからで、ル・マン本番がデビュー戦となった。予選ではトヨタを抑えポールポジションを獲得するも(もう1台も3位)、決勝では2時間で2台ともリタイヤに終る[1]:112。FIA GT選手権では第3戦ホッケンハイムで、CLK-GTRに換わりデビューし優勝[1]:112。この後最終戦(第10戦)ラグナ・セカまで全てのレースで優勝し、2年連続でチーム (AMG) とドライバーズ(クラウス・ルートビッヒ/リカルド・ゾンタ)のダブルタイトルを獲得する[1]:110, 112。なおプライベーターには供給されておらず、ワークスチームのみの供給に留まった。
ロードカーの製作が必要だったFIA規定のグランドツーリングスポーツカーはこれが最後で、翌年はフリーフォーミュラのLMGTP (メルセデス・ベンツ・CLR) に発展することとなる。
なお1999年の全日本GT選手権にMTCIチームがCLK-LMを購入してエントリーすることを表明していた。しかし、マシン購入の段になってインポーターとAMGの間でトラブルが発生したため、AMG側が車輌の譲渡に対して難色を示し、態度を硬化させたことから、結局エントリーを断念した。