ヨーク=オールバニ公爵
ヨーク=オールバニ公爵(ヨーク=オールバニこうしゃく、英語: Duke of York and Albany)は、イギリスの公爵位。グレートブリテン貴族として3度創設されたが、いずれも1代で廃絶した。
歴史
[編集]17世紀にはジェームズ1世の次男チャールズ(1600-1649)(後のイングランド王チャールズ1世)やチャールズ1世の次男ジェームズ(1633-1701)(後のイングランド王ジェームズ2世)といった、イングランド貴族のヨーク公爵とスコットランド貴族のオールバニ公爵を別々に叙される例があった[1]。「ヨーク=オールバニ公爵」という1つの爵位として叙される最初の人物はハノーファー選帝侯エルンスト・アウグスト(1629-1698)の息子アーネスト・オーガスタス王子(1674-1728)であり、彼は1716年7月5日にアイルランド貴族であるアルスター伯爵とグレートブリテン貴族であるヨーク=オールバニ公爵に叙された[2]。しかし、アーネスト・オーガスタス王子は1728年8月14日に生涯未婚のまま死去、爵位は廃絶した[2]。
1760年4月1日、ジョージ3世(1738-1820)は弟にあたるエドワード王子(1739-1767)をアイルランド貴族であるアルスター伯爵とグレートブリテン貴族であるヨーク=オールバニ公爵に叙した[2]。1767年9月17日にエドワード王子が生涯未婚のまま病死すると、爵位は廃絶した[2]。
1784年11月29日、ジョージ3世の次男フレデリック王子(1763-1827)はアイルランド貴族であるアルスター伯爵とグレートブリテン貴族であるヨーク=オールバニ公爵に叙された[2]。フレデリック王子は1827年1月5日に死去、後継者となる息子がおらず爵位は廃絶した[2]。
以降「ヨーク=オールバニ公爵」の爵位を与えられる人物はおらず、ヴィクトリア女王(1819-1901)の時代には息子レオポルド王子(1853-1884)がオールバニ公爵、孫ジョージ王子(1865-1936)がヨーク公爵に叙され、両爵位は分離した。
ヨーク=オールバニ公爵(第1期、1716年)
[編集]- 初代ヨーク=オールバニ公爵アーネスト・オーガスタス王子(1674年 – 1728年)
ヨーク=オールバニ公爵(第2期、1760年)
[編集]- 初代ヨーク=オールバニ公爵エドワード王子(1739年 – 1767年)
ヨーク=オールバニ公爵(第3期、1784年)
[編集]- 初代ヨーク=オールバニ公爵フレデリック王子(1763年 – 1827年)
出典
[編集]- ^ Cokayne, George Edward; Gibbs, Vicary, eds. (1910). Complete peerage of England, Scotland, Ireland, Great Britain and the United Kingdom, extant, extinct or dormant (Ab-Adam to Basing) (英語). Vol. 1 (2nd ed.). London: The St. Catherine Press, Ltd. p. 51.
- ^ a b c d e f Cokayne, George Edward, ed. (1898). Complete peerage of England, Scotland, Ireland, Great Britain and the United Kingdom, extant, extinct or dormant (U to Z, appendix, corrigenda, occurrences after 1 January 1898, and general index to notes, &c.) (英語). Vol. 8 (1st ed.). London: George Bell & Sons. pp. 218–219.