ライダーハウス
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ライダーハウスとは、オートバイや自転車などでの旅行者を主な対象にする比較的簡易な宿泊施設の総称。
概要
[編集]多くは男女別の相部屋で、寝袋などを宿泊者が持参して雑魚寝する宿泊形態となっているが、運営形態などに明確な定義はない。寝具を提供しないことによって旅館業法の適用を免れている施設がほとんどである。「ライダーハウス」という総称の起源については判然としないが、1980年代後半の雑誌や地図などではすでに使用されている。
カニ族と呼ばれる鉄道旅行者向けに駅前などで提供されていた臨時宿泊所が転じたものや、1980年代以降にミツバチ族と呼ばれる北海道をオートバイでツーリングするライダーが増加した時期に開設されたもの、ライダーとしてライダーズハウスを利用した経験のある者が自らが開設したものがある。ライダーハウスは個人のボランティアや地方自治体、自治会が町おこしの一環として運営しているものが多い。また、食堂やみやげ店などが副業あるいはサービスの延長として運営しているものもある。また、ライダーハウスという名称であっても、旅館業法上の許可を受けて、一定程度の設備と料金で営業している宿泊施設もある。本州では通年営業しているライダーハウスもあるが、北海道では6月 - 9月の間営業している所がほとんどである。料金は旅館や民宿、ユースホステルなどと比較して低廉であり、食堂や土産物店との兼営では、食事をしたり買い物をすることを条件に宿泊でき、または料金が無料となる施設もある。
施設の形態・状況
[編集]基本的に食事提供はなく、宿泊者用の風呂がない場合も多い。トイレや洗面所がない施設もある。地方自治体などが設置する場合は専用のプレハブやテントを建てることもあるが、次のような施設を利用して運営されている。
- 空き家や空き倉庫
- 鉄道車両の廃車体(ツーリングトレイン)
- 廃線となった鉄道路線の駅舎
- 土産物店や食堂、居酒屋、銭湯などの空き部屋や空きスペース
- カーリング場など、夏場に遊休中の施設
その他
[編集]- 宿泊者の多くは同じくツーリングを行なうライダーや自転車での旅行者なので、互いに気安くうち解けられ、情報交換したり、持ち寄りで即席の宴会などが発生するなど、コミュニケーションを図るには最適であるが、プライバシーは少なめである[独自研究?]。自家用車・徒歩・団体の宿泊に際しても、ほとんどの[独自研究?]ライダーハウスは利用可能である。
- 特定のライダーハウスに長期宿泊を行うかたわら、ほかの宿泊者に威圧的な態度で接するなど、不快な言動を行なう者をライダーの間では「ぬし(主)」と呼ばれている。こういった「ぬし」の発生を防ぐため[独自研究?]、連泊の禁止・制限をしている施設もある。
- 「50歳以上の利用禁止」などの差別的規定を掲げる施設がある。旅館業法適用施設では法令違反であるが、その適用外であるために行える行為である。
- 時期によっては昆布干しや農作業などのアルバイトを紹介してくれる施設もある。
- 北海道では、施設の老朽化、管理人の高齢化、利用者の減少・トラブル(後述)などが原因で[要出典]閉鎖が相次いでいる。一方で、北海道以外の土地では、かつて北海道で利用した者が中心に、新規で開設する例も見られる。
- 初期のライダーハウスなどには、ライダー側に「泊めてもらう」という暗黙の了解が存在した。しかし、1980年代末から1990年代前半にかけて北海道を旅するライダーが急増した頃から、「泊まってやる」という意識で客として扱うことを要求する者が増え[独自研究?]、ライダーハウス側の定めた条件を守らないなどのトラブルが頻発。バイク雑誌への情報提供拒否や閉鎖が多発する原因となった。
- 管理者が夜常駐していない施設も多い。