キャリントン男爵
キャリントン男爵(第2期) Baron Carrington | |
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Arms:Or a Chevron cotised between three Demi Griffins the two in chief respectant Sable Crest:An Elephant's Head erased Or eared Gules charged on the neck with three Fleur-de-lis two and one Azure Supporters:On either side a Griffin wings elevated Sable the dexter charged with three Fleur-de-lis palewise Or the sinister with three Trefoils slipped palewise of the last
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創設時期 | 1796年7月11日 |
創設者 | ジョージ3世 |
貴族 | グレートブリテン貴族 |
初代 | 初代男爵ロバート・スミス |
現所有者 | 7代男爵ルパート・キャリントン |
相続人 | ロバート・キャリントン閣下 |
付随称号 | キャリントン男爵(Ire) |
現況 | 存続 |
モットー | めげずに誠実に (TENAX ET FIDELIS) |
キャリントン男爵(英語: Baron Carrington)は、イギリスの男爵位。
2回創設されており、第1期のキャリントン男爵はイングランド貴族(アイルランド貴族爵位キャリントン子爵の従属爵位)、第2期の2つのキャリントン男爵はそれぞれグレートブリテン貴族とアイルランド貴族である。
歴史
[編集]1643年10月31日にチャールズ・スミス(1598-1665)にアイルランド貴族爵位「コノート県におけるバーフォードのキャリントン子爵(Viscount Carrington of Burford, in the Province of Connaught)」とともにイングランド貴族爵位「ウォリック州におけるウォートンのキャリントン男爵(Baron Carrington of Wotton, in the County of Warwick)」が与えられたのがキャリントン男爵位の最初の創設である[1]。しかしこの爵位は3代キャリントン子爵・キャリントン男爵チャールズ(1635-1706)が跡継ぎなく1706年5月11日に死去したことで消滅した[2]。
第2期は1796年7月16日に庶民院議員ロバート・スミス(1752–1838)がアイルランド貴族爵位「ブルコット・ロッジのキャリントン男爵(Baron Carrington of Bulcot Lodge)」、1797年10月20日にグレートブリテン貴族爵位「ノッティンガム州におけるアプトンのキャリントン男爵(Baron Carrington, of Upton in the County of Nottingham)」に叙されたのにはじまる[3]。
その息子で第2代キャリントン男爵位を継承したロバート(1796–1868)は勅許を得て姓をスミスから爵位と同じキャリントンへ変更した[4]。
その息子で第3代キャリントン男爵位を継承したロバート・ウィン=キャリントン(1843–1928)は自由党の政治家としてニューサウスウェールズ州総督や閣僚職を務め[5]、1895年7月には連合王国貴族「カウンティ・オヴ・バッキンガムにおけるチェッピング・ウィカムのウェンドーヴァー子爵(Viscount Wendover, of Chepping Wycombe in the County of Buckingham)」と連合王国貴族「キャリントン伯爵(Earl Carrington)」に叙され[6][5]。ついで1912年2月には連合王国貴族「リンカンシャー侯爵(Marquess of Lincolnshire)」に叙されたが[7][5]、一人息子に先立たれたため、これらの爵位は跡継ぎなく消滅した[5]。 2つのキャリントン男爵位のみ弟ルパート・キャリントン(1852–1929)に継承された[8]。
その孫である第6代キャリントン男爵ピーター・キャリントン(1919-2018)は、保守党の政治家として閣僚職を務め、サッチャー内閣では外務英連邦大臣を務めた[9][10]。世襲貴族で最後の外務大臣就任者であった。
現在の当主はその息子である7代キャリントン男爵ルパート・キャリントン(1948-)である。7代キャリントン男爵は、2022年より大侍従卿を勤めている[11]。
現当主の保有爵位
[編集]現当主ルパート・キャリントンは以下の爵位を保有している[12]。
- ブルコット・ロッジの第7代キャリントン男爵 (7th Baron Carrington, of Bulcot Lodge)
- ノッティンガム州におけるアプトンの第7代キャリントン男爵 (7th Baron Carrington, of Upton in the County of Nottingham)
- (1797年10月20日の勅許状によるグレートブリテン貴族爵位)
キャリントン男爵一覧
[編集]キャリントン男爵 第1期(1643年)
[編集]- 初代キャリントン子爵・初代キャリントン男爵チャールズ・スミス (1598-1665)
- 2代キャリントン子爵・2代キャリントン男爵フランシス・スミス (1621-1701)
- 3代キャリントン子爵・3代キャリントン男爵チャールズ・スミス (1635-1706)
- キャリントン子爵・キャリントン男爵(第1期)位廃絶
キャリントン男爵 第2期(1796年)
[編集]- 初代キャリントン男爵ロバート・スミス (1752–1838)
- 2代キャリントン男爵ルパート・ジョン・キャリントン (1796–1868)
- 3代キャリントン男爵チャールズ・ロバート・ウィン=キャリントン (1843–1928)
- 1912年にリンカンシャー侯爵に叙される
リンカンシャー侯爵(1912年)
[編集]- 初代リンカンシャー侯爵・3代キャリントン男爵チャールズ・ロバート・ウィン=キャリントン (1843–1928)
- リンカンシャー侯爵位廃絶
キャリントン男爵 第2期(1796年)
[編集]- 4代キャリントン男爵ルパート・クレメント・ジョージ・キャリントン (1852–1929)
- 5代キャリントン男爵ルパート・ヴィクター・ジョン・キャリントン (1891–1938)
- 6代キャリントン男爵ピーター・アレクザンダー・ルパート・キャリントン (1919-2018)
- 7代キャリントン男爵ルパート・フランシス・ジョン・キャリントン (1948-)
- 法定推定相続人は現当主の長男ロバート・キャリントン (1990-)
家系図
[編集]キャリントン男爵, 1796年 | |||||||||||||||
初代キャリントン男爵 ロバート・スミス (1752–1838) | |||||||||||||||
2代キャリントン男爵 ロバート・キャリントン (1796–1868) | |||||||||||||||
リンカンシャー侯爵, 1912年 キャリントン伯爵, 1895年 | |||||||||||||||
初代リンカンシャー侯爵 初代キャリントン伯爵 3代キャリントン男爵 ロバート・ウィン=キャリントン (1843–1928) | 4代キャリントン男爵 ルパート・キャリントン (1852–1929) | ||||||||||||||
リンカンシャー侯爵廃絶 キャリントン伯爵廃絶 | |||||||||||||||
5代キャリントン男爵 ルパート・キャリントン (1891–1938) | |||||||||||||||
6代キャリントン男爵 ピーター・キャリントン (1919–2018) | |||||||||||||||
7代キャリントン男爵 ルパート・キャリントン (1948–) | |||||||||||||||
ロバート・キャリントン (1990–) (法定推定相続人) | |||||||||||||||
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ Lundy, Darryl. “Charles Smyth, 1st Viscount Carrington of Burford” (英語). thepeerage.com. 2014年11月28日閲覧。
- ^ Lundy, Darryl. “Charles Smith, 3rd Viscount Carrington of Burford” (英語). thepeerage.com. 2014年11月29日閲覧。
- ^ Lundy, Darryl. “Robert Smith, 1st Baron Carrington of Upton” (英語). thepeerage.com. 2014年11月29日閲覧。
- ^ Lundy, Darryl. “Robert John Carrington, 2nd Baron Carrington of Upton” (英語). thepeerage.com. 2014年11月29日閲覧。
- ^ a b c d Lundy, Darryl. “Sir Charles Robert Wynn-Carington, 1st and last Marquess of Lincolnshire” (英語). thepeerage.com. 2014年11月29日閲覧。
- ^ "No. 26646". The London Gazette (英語). 23 July 1895. p. 4158. 2014年11月29日閲覧。
- ^ "No. 28586". The London Gazette (英語). 1 March 1912. p. 1558. 2014年11月29日閲覧。
- ^ Lundy, Darryl. “Rupert Clement George Carington, 4th Baron Carrington of Upton” (英語). thepeerage.com. 2014年11月29日閲覧。
- ^ 小川(2005) p.57
- ^ Lundy, Darryl. “Peter Alexander Rupert Carington, 6th Baron Carrington of Upton” (英語). thepeerage.com. 2014年11月29日閲覧。
- ^ Nast, Condé (2022年9月13日). “The Marquess of Cholmondeley replaced by Lord Carrington as Lord Great Chamberlain” (英語). Tatler. 2023年1月9日閲覧。
- ^ Heraldic Media Limited. “Carrington, Baron (I, 1796)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2016年8月1日閲覧。
参考文献
[編集]- 小川晃一『サッチャー主義』木鐸社、2005年。ISBN 978-4833223690。