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トビー・フォックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トビー・フォックス
Toby Fox
生誕 Robert F. Fox[1][2]
(1991-10-11) 1991年10月11日(33歳)[3]
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニューハンプシャー州 マンチェスター[1]
別名
  • Toby Fox
  • Toby "Radiation" Fox
  • FwugRadiation
市民権 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身校
職業
活動期間 2008年 - 活動中
著名な実績
公式サイト tobyfox.netウェイバックマシンからのアーカイブ)
fwugradiation.tumblr.com
テンプレートを表示

トビー・フォックスToby Fox)、本名ロバート・F・フォックスRobert F. Fox、1991年10月11日 - )は、アメリカ合衆国ゲームクリエイター作曲家男性。以前の名義はトビー・"ラジエーション"・フォックス(Toby "Radiation" Fox)[4]

コンピュータRPGUNDERTALE』と『DELTARUNE』の開発で知られ、前者は高い評価を受けており、英国アカデミー賞ゲーム部門The Game Awards3部門にノミネートされた。 初期は作曲を主に活動しており、ウェブコミックHomestuck』の音楽を担当、『UNDERTALE』で成功した後は、多くのインディーゲームの音楽を作曲するようになった。その他の代表的な作品としては、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』、『ポケットモンスター』での複数の作品にて楽曲を一部担当したことが挙げられる。

経歴

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活動と作曲

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トビー・フォックスの最も初期の作品は、2008年にリリースされた、1994年のスーパーファミコンのゲーム『MOTHER2 ギーグの逆襲』のハロウィンをテーマにしたROMハック『EarthBound Halloween Hack』[5]である。その後、高校3年生の時にアンドリュー・ハッシー英語版のウェブコミック『Homestuck』へ音楽を提供し始める。2009年4月にハッシーが「音楽チーム英語版」を立ち上げ、参加ミュージシャンを募集した当初は、それに加わるつもりはなかったが、フォックスがウェブコミックの音楽のピアノカバーを『MS Paint Adventures英語版』のフォーラムにアップロードし始めたことから、ハッシーはフォックスの活動に注目するようになり、参加するきっかけとなった[6]

フォックスは、2017年のHomestuckのビデオゲーム『Hiveswap英語版[7]、『UNDERTALE』のアーティストであるテミー・チャンの短編シナリオゲーム『Escaped Chasm英語版[8]や、『Dweller's Empty Path英語版』、ゲームフリークの2019年のRPG『リトルタウンヒーロー英語版』の音楽を作曲し、『リトルタウンヒーロー』の曲は最後に『ポケットモンスター』の作曲家である佐藤仁美がアレンジを担当した[7]。またフォックスは、『ポケットモンスター ソード・シールド』の楽曲や[7]糸奇はなのアルバム『PRAY』のボーカル曲[9]、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の数曲の楽曲を制作している[10]

メディアに出演するときはマスクで顔を隠しているが、所属しているMOTHERのファングループのイベントでは素顔で活動しており、映像などで姿を確認できる[11][12][13]。『MOTHERシリーズ』の原作者である糸井重里とは面識があり[14][15]、アメリカで発売されていない『MOTHER3』を特に好きだと語って糸井を驚かせている[16]。少しではあるが日本語を話すことができる。

賞賛と成功

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UNDERTALE

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フォックスの最も有名な作品は、2015年に開発を手掛けたコンピュータRPGUNDERTALE』で、サウンドトラックも作曲している[1]。ゲームは100万本以上を売り上げ[17]、大人気のヒット作となり社会現象を巻き起こした[A]。フォックスは、一部のアートワークをテミー・チャンなどに依頼したことを除けば、ゲーム全編を単独で開発している[26]。またこの作品を作るにあたり、日本のゲームを参考にしていて、特に『MOTHERシリーズ』や『東方Project』から大きな影響を受けたと語っている。フォックスには『UNDERTALE』を制作する以前にもゲーム開発の経験があり、高校時代に3人の兄弟とRPGツクール2000を使用してロールプレイングゲームや『MOTHER2 ギーグの逆襲』のROMハック英語版を作っており[27][28]、その代表作が『EarthBound Halloween Hack』であった[29]。キャラクターデザインやアイデアは、大学在学中に考え、ノートに描いている[30]

『UNDERTALE』はリリース後、多くのファンを獲得した[31][32]。フォックスは、「万人向けではない」と、ゲームが好きでないと言う人がいても気にしないとコメントした[32]。『UNDERTALE』は数々の賞を受賞し、幅広く評価されているが、フォックスは個人的な意見として、このゲームはまだ「ニッチ」であり、「8/10」のレビュースコアに値すると書いている[31]

2016年、フォックスは『UNDERTALE』の未使用の音楽トラックを多数リリースした[33]。またフォックスは、A Profound Waste of Time誌の寄稿者にもなっている[34]。その後、フォックスは『UNDERTALE』の制作に携わったことが評価され、2018年の「フォーブス30アンダー30」の1人に選ばれた[35]

フォックスは『大乱闘スマッシュブラザーズ』の生みの親である桜井政博の自宅を訪れ『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』で対戦している。『UNDERTALE』の登場人物であるサンズは、その後フォックスが新しいアレンジを加えた楽曲「MEGALOVANIA」と共に、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』にダウンロードコンテンツで入手できるMiiコスチュームとして収録された[36][37][38]

DELTARUNE

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2018年10月30日、フォックスは『UNDERTALE』のファンに対し、24時間以内にゲームの公式Twitterアカウントをチェックしてほしいという要望をツイートした。その翌日、フォックスは「調査」という名目で、『UNDERTALE』の続編となる『DELTARUNE』のChapter 1を無料でリリースした[39][40]。また同日、フォックスは残りのチャプターも同時にリリースされる予定だが、まだ作業が開始されておらず、完成予定時期も不明であることなど、ゲームに関する詳細な情報を公開した[41]。フォックスは2012年からこのプロジェクトに取り組んでおり、制作中に『UNDERTALE』のアイデアが『DELTARUNE』から発展したことを明言している[41][42]。2019年6月13日、『DELTARUNE』のChapter 1のみが数か月間プレイ可能だったことから、フォックスは自身のTwitterアカウントで、「ゆっくりとそれら全てを、書き出し、描き出しています」と『DELTARUNE』の残りを完成させることへの希望を持っていると述べている[43]。またフォックスは、「Chapter 1を過ぎてから50曲くらい」を完成させたと述べている[44]

2021年9月17日、フォックスは新型コロナウイルス感染症の世界的流行について言及し、「世界を取り巻く状況は、本当に大変なことになっている」ことから、『DELTARUNE』のChapter 2を無料でリリースした。次のChapter 3、4、5は『UNDERTALE』より高い価格で同時にリリースする予定となっているが、リリース時期の見通しは立っていない[45]

私生活

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フォックスはニューハンプシャー州マンチェスター出身であり、ノースイースタン大学で環境科学を専攻した[1]

手首と手の慢性的な痛みで、プログラミングや作曲ができない状態が続いており、フォックスはその痛みの再発をDELTARUNE Chapter 2の開発遅延の要因として挙げている[46]

作品

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ウェブコミック

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  • Homestuck(2006年 - 2016年)※他の作曲家と共同で楽曲提供

ゲーム

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開発作品

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  • MOTHER2 ギーグの逆襲のROMハック(2006年 - 2008年) - Arn's Winter Quest: Gway Edition、Halloween Hack: Bad Fur Day Editionなど
  • UNDERTALE(2015年)
  • DELTARUNE(2018年)
  • DELTARUNE チャプター2 (2021年)

楽曲提供作品

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歌手への提供楽曲

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  • 糸奇はな『74』(2018年) - 作詞・作曲・バッキングコーラスを担当。アルバム『PRAY』に収録[54]
  • imase with PUNPEE『Pale Pain』(2022年)
  • 糸奇はな『Skies Forever Blue』(2022年)
  • 糸奇はな『THE GREATEST LIVING SHOW』(2023年)
  • 天音かなた『片羽』(2024年) - 作詞・作曲を担当。1stアルバム『Unknown DIVA』に収録[55]
  • 宝鐘マリン『幽霊船戦』(2024年)‐作曲を担当。

その他

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  • I Miss You – EarthBound 2012(2012年)
  • Pause Ahead(2013年、Askiisoft) - 追加のダイアログを担当。
  • Chip Tanaka / Hammerhead Shark Song(2020年、田中宏和) - アニメーターとして参加。
  • Pollyanna(2020年、ほぼ日Pollyanna編集部) - MOTHERシリーズのトリビュートコミック。総勢35人の参加者の一人として寄稿[56]
  • Pollyanna2(2021年、ほぼ日Pollyanna編集部) - イラストを寄稿[57]

脚注

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出典

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  12. ^ 糸井 重里 [@itoi_shigesato] (2016年5月14日). "こういうメンバーだったんです。アメリカのファンは、なかよしで、すっごいパワフルなんです。 t.co/mn8AwJ3AXB t.co/B311woAIlH". X(旧Twitter)より2022年2月3日閲覧
  13. ^ ガイドブック取材(Fangamerの巻)”. ほぼ日刊イトイ新聞. 株式会社ほぼ日 (2016年5月13日). 2021年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月3日閲覧。
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  15. ^ 糸井 重里 [@itoi_shigesato] (2019年3月6日). "「UNDER TALL」のトビーさんに、また会ったよ。たのしくゲームの話ができたぜ。 t.co/daAa0T90P4". X(旧Twitter)より2022年2月3日閲覧
  16. ^ 糸井 重里 [@itoi_shigesato] (2017年7月28日). "おそれいったのは、彼が「MOTHER」シリーズのなかで「3」が特に好きだと言っていること。だって、「MOTHER3」はアメリカで発売されてないんだよ。すべて日本語のゲームを味わってきているんだ。 t.co/VaT88Q3wEn". X(旧Twitter)より2022年2月3日閲覧
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外部リンク

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