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上野昻志

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
上野昂志から転送)

上野 昻志(うえの こうし、1941年2月22日 - )は、日本の文芸・映画・時事評論家。コラムニスト。

略歴

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東京出身[1]。父は美術家で神戸大学教授を務めた上野省策東京都立大学竹内好に師事し、魯迅を専攻[2]1966年、東京都立大学大学院在籍中、『ガロ』連載の社会時評的コラム「目安箱」で評論家デビュー[2]。このコラムは反既成政党、反近代、学生運動擁護色が強い。

1969年、季刊誌「シネマ69」にやくざ映画論(「閉ざされた型」「矛盾に向けた求心力」)を発表。1970年以降同誌や「映画芸術」誌上で加藤泰論中心に映画評論を展開。同時に森進一、魯迅、林静一などを論じる。

1971年、東京都立大学人文科学研究科博士課程単位取得退学。同年、書き下ろしの赤瀬川原平論「曖昧な露骨」を含む初の評論集『沈黙の弾機』を刊行。『新日本文学』誌上でも花田清輝論などを執筆した。1973年、吉田喜重監督の『戒厳令』の製作に関与 (共同プロデューサーの一人) 。2008年から日本ジャーナリスト専門学校校長(2010年3月閉校)。

その評論活動は多岐に亘り、今となっては功績を特定することが難しいが、『映画=反英雄達の夢』や『映画全文』など映画論に特筆すべき、後世に残るものがある。なおその反近代思想はデビュー作「共有と私有 小繋の入会権訴訟について」(「ガロ」66年4月号)に印象的に現れているが、『沈黙の弾機』には未収録。

著作

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  • 『沈黙の弾機:上野昻志評論集』(青林堂、1971年)
  • 『魯迅』(三一書房、1974年)
  • 『巷中有論:街にケンカのタネを拾う』(白夜書房、1978年)
  • 『現代文化の境界線』(冬樹社、1979年)
  • 『紙上で夢みる:現代大衆小説論』(蝸牛社、1980年/清流出版、2005年)
  • 『映画=反英雄たちの夢』(話の特集、1983年)
  • 『肉体の時代:体験的’60年代文化論』(現代書館、1989年)
  • 『戦後再考』(朝日新聞社、1995年)
  • 『映画全文:1992〜1997』(リトル・モア、1998年)
  • 『写真家 東松照明』(青土社、1999年)
  • 『戦後60年』(作品社、2005年)
  • 『黄昏映画館:わが日本映画誌』(国書刊行会、2022年)

編著ほか

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  • 編『鈴木清順全映画』(立風書房、1986年)
  • 橋本文雄『ええ音やないか:橋本文雄・録音技師一代』(聞き手、リトル・モア、1996年)
  • 『生きる力 宮崎学×梁石日』(柏書房、2000年)構成
  • 伊地智啓『映画の荒野を走れ:プロデューサー始末半世紀』(木村建哉と共編、インスクリプト、2015年)

脚注

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  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.282
  2. ^ a b 上野昂志 - 著者情報”. 清流出版. 2019年3月20日閲覧。

外部リンク

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