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八葉寺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
八葉寺

阿弥陀堂(重要文化財
所在地 福島県会津若松市河東町広野字冬木沢208番地
位置 北緯37度33分45秒 東経139度55分59秒 / 北緯37.56250度 東経139.93306度 / 37.56250; 139.93306
山号 諸陵山、如来山
宗派 真言宗豊山派
本尊 阿弥陀如来
創建年 伝・康保元年(964年
開基 空也
文化財 阿弥陀堂(国の重要文化財)
八葉寺奉納小型納骨塔婆及び納骨器(国の重要有形民俗文化財)
冬木沢参りの習俗(国の選択無形民俗文化財)
法人番号 3380005008535 ウィキデータを編集
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八葉寺(はちようじ)は、福島県会津若松市にある真言宗寺院。山号は諸陵山。会津総菩提所会津高野山などの別名をもつ。

概要

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康保元年(964年)に空也上人がこの地を訪れた際、阿弥陀仏と経典を納めた堂宇を建立したことが始まりとされる。阿弥陀堂は、天正17年(1589年)に伊達政宗によって焼き討ちされ半焼したが、その後文禄年間(1592~96年)に再建された。

境内は、阿弥陀堂を本堂とし、右に十王堂、左に空也上人像を安置する空也堂があり、奥に奥之院がある。ほかに境内には、仁王門、空也清水、鐘楼があり、寺名の由来[1]となった、かつて八葉の蓮の形をしていたという池がある。

阿弥陀堂は、桁行3間、梁間3間、屋根は単層茅葺で入母屋造、妻入。1904年に旧古社寺保存法に基づき特別保護建造物(旧国宝)に指定され、1950年の文化財保護法施行後は国の重要文化財となっている。

冬木沢詣り

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福島県会津地方では、毎年、お盆(8/13~16)前の8月1日から7日までの期間、この八葉寺に死者を迎えに参詣する「冬木沢詣り」という習俗が広く見られる。お盆に、あの世から自宅や墓に故人が帰ってくる際にこの八葉寺を経由するので、経由地である八葉寺まで前もってあらかじめ迎えに行く、という観念に基づく。故人の名前(戒名や法名)と迎えに来た人の氏名を記した塔婆を、八葉寺奥之院に立てることで、迎えのしるしとする。また、家族や親族が、期間中に故人の歯、骨、爪、毛髪などを(あらかじめ取っておいて)持参し、木製の小型納骨五輪塔に納め八葉寺に奉納することも行われる[2]

この習俗は、冬木沢参りの習俗として国の記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択され、2010年に記録が作成され、現在は無形民俗文化財となっている。また、奉納された文禄年間からの14,824点の小型納骨塔婆及び納骨器は、八葉寺奉納小型納骨塔婆及び納骨器として国の重要有形民俗文化財に指定されている。また、毎年8月5日に境内の空也堂前で奉納される空也念仏踊は、福島県の重要無形民俗文化財に指定されている。

文化財

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冬木沢参りの習俗 - 平成11年(1999年)12月3日選択毎年お盆前の8月1日から7日に行われる。別名、会津高野山参り。

  • 重要有形民俗文化財(国指定) 八葉寺奉納小型納骨塔婆及び納骨器 - 昭和56年(1981年)4月22日指定
  • 福島県指定重要無形民俗文化財 空也念仏踊 - 昭和47年(1972年)4月7日指定 毎年8月5日に奉納される。
  • 会津若松市指定有形文化財(考古資料) 観応の碑(1353年) - 昭和45年(1970年)6月8日指定

脚注

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  1. ^ 新編会津風土記巻之八十六』 冬木沢村の項 「康保元年一伽藍ヲ創メ、携エ来ル所ノ弥陀ノ像ヲ安置シ、閼伽ノ井ヲ掘リシカ、中ニ八葉ノ蓮花ヲ生セシトカヤ、因テ如来山八葉寺ト名ケ、又多年勝地ヲモトメ、今此処ヲ得ルトテ悉地成就院ト号ス」
  2. ^ 同 「此地ヲ俗ニ会津ノ高野ト唱へ、毎年七月朔日ヨリ十一日マテ遠近ノ男女相集リ、死者ノ為ニ遺歯ヲ堂中ニ納メ、奥院ニ香花・茶湯ヲ奠シ盂蘭盆会アリ、此時諸村ヨリ市子アツマリ、亡者ノ為ニ過去将来ノ事ヲ語ル、参詣多シ」

参考文献

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  • 『福島県の地名 日本歴史地名大系第7巻』1993年、平凡社
  • 「新編会津風土記巻之八十六」『新編会津風土記 第4巻』2002年、 歴史春秋出版 

外部リンク

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