公衆等脅迫目的の犯罪行為等のための資金等の提供等の処罰に関する法律
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公衆等脅迫目的の犯罪行為等のための資金等の提供等の処罰に関する法律 | |
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日本の法令 | |
通称・略称 | テロ資金提供処罰法 |
法令番号 | 平成14年法律第67号 |
種類 | 刑法 |
効力 | 現行法 |
成立 | 2002年6月5日 |
公布 | 2002年6月12日 |
施行 | 2002年7月2日 |
所管 | 法務省 |
主な内容 | テロリズムへの資金等の提供等の処罰について |
関連法令 | 組織的犯罪処罰法 |
制定時題名 | 公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律 |
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ウィキソース原文 |
公衆等脅迫目的の犯罪行為等のための資金等の提供等の処罰に関する法律(こうしゅうとうきょうはくもくてきのはんざいこういとうのためのしきんとうのていきょうとうのしょばつにかんするほうりつ)は、公衆または国もしくは地方公共団体もしくは外国政府等を脅迫する目的で犯罪行為を行うための資金等を提供させる行為または提供する行為を処罰する日本の法律。法令番号は平成14年法律第67号、2002年(平成14年)6月12日に公布された。2014年(平成26年)の法改正までは「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律」という題名、2022年(令和4年)の法改正までは「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金等の提供等の処罰に関する法律」という題名であった。
概要
[編集]テロリズムに対する資金供与の防止に関する国際的な要請に応えるため、2002年(平成14年)6月12日に公布され、同年7月2日から施行された。
2014年(平成26年)には、テロリズムへ資金だけでなく土地、建物、物品、役務その他の利益を提供する行為を処罰することを主な内容とする改正法が成立し[1]、同年12月20日から施行された。
2022年(令和4年)には、公衆等を脅迫する目的の有無を問わず、外形的にテロリズム(法律上は「公衆等脅迫目的の犯罪行為」)と同等の評価が可能な犯罪類型を「特定犯罪行為」として規定し、該当する行為を処罰することを主な内容とする改正法が成立し、同年12月29日から施行された[2]。(対象行為の実質的拡充や法定刑の引き上げも行われた。) これにより、いわゆるCBRNEテロリズムが網羅されることとなった。
第1条において、テロリズム(法律上は「公衆等脅迫目的の犯罪行為」及び「特定犯罪行為」)として以下のものを定義している。
- 人質テロリズム(第1項第一号、第2項第一号)
- 航空機テロリズム(第1項第二号、第2項第二号・第六号・第八号)
- 船舶テロリズム(第1項第二号、第2項第二号・第七号)
- ハイジャック(第1項第二号、第2項第二号・第六号)
- 爆弾テロリズム(第1項第三号、第2項第三号・第十号)
- 外交官等保護条約の保護対象への攻撃(第2項第一号・第五号)
- 空港テロリズム(第2項第二号)
- 生物テロリズム(第2項第三号)
- 化学テロリズム(第2項第三号)
- 核テロリズム(第2項第四号・第九号)
ランサムウェアで企業を脅迫するなど、サイバー空間で行動するハッカー集団は対象に入っていない[3]。
構成
[編集]- 第一条(定義)
- 第二条(公衆等脅迫目的の犯罪行為等を実行しようとする者による資金等を提供させる行為)
- 第三条(公衆等脅迫目的の犯罪行為等を実行しようとする者以外の者による資金等の提供等)
- 第四条(同上)
- 第五条(同上)
- 第六条(自首)
- 第七条(国外犯)
- 第八条(両罰規定)
- 附則
脚注
[編集]- ^ “改正テロ資金提供処罰法が成立 不動産など対象に”. 日本経済新聞. (2014年11月14日) 2016年3月28日閲覧。
- ^ 国際的な不正資金等の移動等に対処するための国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法等の一部を改正する法律(令和4年法律第97号)要綱
- ^ “「炎上する」「顧客や株主守れ」 KADOKAWA被害の身代金要求ウイルス、支払い是非は”. ITmedia NEWS. 2024年8月1日閲覧。