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利用者:Yumoriy/note/「series」属性と図書館書誌における「シリーズ」

「series」属性と図書館書誌における「シリーズ」

図書館書誌(日本目録規則)における「シリーズ」[編集]

図書館の書誌情報における「シリーズ(series)」は端的には「叢書」を指す。対象書籍が備える物理的な表示にもとづく情報である(「内容」にもとづく情報ではない)。

日本図書館協会の『日本目録規則 2018年版』は、「#2.10 シリーズ表示」項で、

#2.10.0.1 記録の範囲
単行資料、逐次刊行物、更新資料に対するシリーズについての表示を記録する。シリーズは、記述対象より上位の書誌レベルに位置する体現形である。

と規定する。

日本図書館協会による『日本目録規則 2018年版』の用語解説では、

シリーズ series
終期の有無を問わない上位の書誌レベルの資料の集合。各資料の固有のタイトルのほかに、そのグループ全体に共通する総合タイトルがあり、相互に関連づけられている。個々の資料には、順序づけのためのシリーズ番号が付いているものと、付いていないものがある。

と説明している(下掲の「D 用語解説(2023.3.1更新」参照)。

また、2018年版の作成準備の過程で検討集会資料として作成された『「日本目録規則(NCR)2018 年版」(仮称) 全体条文案概要』の「特に注意の必要な用語」では、

シリーズ series
NCR1987 年版では、終期の有無によって「セットもの」「シリーズ」の用語を使い分けていたが、本規則では RDAに準じて、終期の有無を問わない用語として用いる。必要に応じて「終期を予定しないシリーズ」等の表現を用いる。

とする。(RDAはResource Description and Access〈資源の記述とアクセス英語版〉の略。『英米目録規則 第2版 (AACR2)』の後継規則。)

おそらく海外の図書館書誌、目録規則においても「series」もこの定義で運用されている(未検証)。(目録作成者による書誌情報の異同を防ぎ、一意に目録を作成できるため。)

たとえばウィキペディア英語版の出典テンプレート en:Template:Cite book は、

series or version: When the source is part of a series, such as a book series or a journal, where the issue numbering has restarted.

と解説している。

ウィキペディア日本語版における「シリーズ」が図書館の目録規則に従う必要はない。だが、とくにInfobox(Help:Infobox)や出典テンプレート(Template:Cite book)のデータにおいて図書館書誌の目録規則における「シリーズ series」の用法を検討しないまま「シリーズ」の語を用いるのは、将来的なウィキデータの展開による図書館目録とのデータ共有や、ウィキペディア日本語版から他言語版への翻訳において無駄なコストを生み出すことになる ように思われる。

以上、《Template‐ノート:基礎情報_書籍#引数追加提案》《ノート:シリーズ_(作品)#加筆依頼:日本目録規則における「シリーズ」》に投稿したのを機に記録しておきます。--Yumoriy会話) 2024年2月18日 (日) 15:40 (UTC)