夕暮まで
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(夕暮れ族から転送)
『夕暮まで』(ゆうぐれまで)は、吉行淳之介の連作中編小説。また、それを原作とした1980年公開の日本映画。
小説
[編集]1978年に新潮社より刊行され、野間文芸賞を受賞した。1965年以来発表された短編を集めたもので、「公園にて」、「網目のなか」(『新潮』1971年11月)、「傷」(『群像』1976年10月)、「血」(『新潮』1977年7月)、「すでにそこにある黒」(『海』1977年12月)、「夕暮まで」(『新潮』1978年5月)からなる。
杉子という若い女性と主人公の男との交渉を描いたものだが、杉子は性行為をしながら最後の一線を許さず、オリーブオイルを塗った「すまた」で終わらせる。この設定が話題となり中年男性と若い女性の愛人カップルを指して「夕暮れ族」という流行語を生んだ。
筒見待子の愛人バンク「夕ぐれ族」(1982年摘発)は、この流行語に便乗したものと思われるが、作品内容と直接の関係はない。
映画
[編集]夕暮まで | |
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監督 | 黒木和雄 |
脚本 |
浜地一郎 田辺泰志 |
原作 | 吉行淳之介 |
製作 | 三浦波夫 |
出演者 | 桃井かおり |
音楽 | 荒木一郎 |
撮影 | 鈴木達夫、田村正毅、小林達比古 |
編集 | 鈴木晄 |
製作会社 | アート・センター |
配給 | 東宝 |
公開 | 1980年9月20日 |
上映時間 | 110分 |
製作国 | 日本 |
キャスト
[編集]- 江守杉子:桃井かおり
- 佐々:伊丹十三
- 祐子:加賀まりこ
- 園子:馬淵晴子
- 岡田:風間杜夫
- みえ子:山口美也子
- 佐々の妻:大橋芳枝
- 佐々直子:柿崎澄子
- オートバイの男:今村薫
- スナックの若い男:中丸信
- 中年の警官:福原秀雄
- 若い警官:江藤潤
- 洋食屋の親父:殿山泰司
- 洋食屋のおばさん:戸川暁子
- 酒屋の中年女:三戸部スエ
- 岡田の同僚:鳥居浩一
- ホテルの見知らぬ男:石橋蓮司
- バスの車掌:比呂みさこ
- みえ子の男:田辺年秋
- 雑誌記者:川口啓史
- 鳥料理屋の主人:原田芳雄
- パーティの客:小川亜佐美、湯沢勉、鈴木信之
- バスの乗客:町田祐子
製作
[編集]主演の桃井かおりが、20才年上のベテラン監督・黒木和雄の演出と肌が合わず、黒木を"未熟"呼ばわりし、派手な大ゲンカとなって、桃井がビール瓶を持って応戦する事態となり、週刊誌にすっぱ抜かれ大きな話題を呼んだ[1]。桃井は映画やテレビ業界から、中野良子と並び"扱いにくい女優"の双璧といわれてきたが[1]、当時としては一番の売れっ子女優でもあり、役も降ろされず、桃井の増長を許す結果となった[1]。