コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

奮起湖弁当

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
奮起湖弁当
2010年の奮起湖便當
各種表記
繁体字 奮起湖便當
簡体字 奋起湖便当
拼音 Fènqǐhú biàndāng
注音符号 ㄈㄣˋ ㄑㄧˇ ㄏㄨˊ ㄅㄧㄢˋ ㄉㄤ
発音: フェンチーフー ビェンタン
台湾語白話字 Pùn-ki-ô͘ piān-tong
台湾語発音: Pùn-ki-ôo piān-tong
日本語漢音読み ふんきこべんとう
日本語慣用読み ふんきこべんとう
英文 Fenqihu Meal Box
テンプレートを表示

奮起湖弁当(ふんきこべんとう、繁体字中国語: 奮起湖便當)または奮起湖鉄路弁当(繁体字中国語: 奮起湖鐵路便當)は台湾嘉義県竹崎郷中和村奮起湖中国語版発祥の駅弁を元にした弁当。ホームでの駅売りはなくなってしまったが、駅周辺の奮起湖老街にあるホテルや飲食店などで現在も販売している。

歴史

[編集]

日本統治時代台湾各地でも鉄道駅弁当を即売する露天商が出現していた。

また、奮起湖駅阿里山森林鉄路での重要な拠点駅であり[1]、初期の列車は嘉義駅から阿里山まで7時間かけて運行していたため[2]、奮起湖が上下列車の交換、機関車への給水地点であり、朝に嘉義駅を出発した乗客だけでなく乗務員の休息拠点も兼ねており[3]、昼食時間帯だったことから食事の需要は存在していた[4]。戦前は駅そばが売られていた。

戦後は林務局玉山林管処の福利委員会がその従業員への弁当を用意するようになったが、当時は長時間の運送中に変質してしまうことを考慮し、奮起湖近辺の店舗で調理されたものを調達することになった。

民国50年代(1960年代)、中興号中国語版列車が阿里山線での運行を開始すると、奮起湖の食堂から駅へ届ける業者が現れ[4]、奮起湖弁当を買い求める観光客が大幅に増加した。最盛期には1日2,000個が売れたという[4]。『沒吃過奮起湖便當,彷彿沒到過阿里山(奮起湖弁当を食さずには阿里山へ行ったことにはならない)』とフレーズが流行するほどだった[3]

民国70年代(1980年代)に阿里山公路が開通すると鉄道利用者の減少とともに弁当の販売量も1日20個足らず[4]と打撃を受けた[1]。それでも阿里山線が観光鉄道として再生が図られると、マスメディアに取り上げられたり、2002年6月より[3]統一超商セブンイレブン)との共同開発で地元以外での販路が拡大し[1]、注目度が上昇した。翌2003年には50周年記念版[註 1]と銘打った限定メニューを展開[5]、それ以来1日6,000食が売れるようになり[6]2009年には弁当の60周年[註 2]と銘打ち、食堂経営者とセブンイレブンが1年かけて開発した限定版[7]を同年夏に起きた八八水災からの復興祈願も込めて販売するなど[6]、現在も奮起湖観光の目玉となっている[8][9][10][11]

容器も初期は保温を意識した金属製だったが、木製、紙製と時代ごとに変遷している[1]

派生

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ 登山食堂の開設50周年
  2. ^ 2003年が50周年、2009年が60周年というのは辻褄が合わないが、食堂開設と弁当メニュー開発時期は異なるものとしている。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d 奮起湖弁当の変遷にみる「過去」の利用 臺灣資料(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
  2. ^ (繁体字中国語)奮起湖鐵路便當 中華大学
  3. ^ a b c (繁体字中国語)奮起湖 阿里山國家風景區
  4. ^ a b c d (繁体字中国語)“奮起湖便當的起源”. 圓理想便當. (2016年3月20日). http://www.ilunch.com.tw/news-info.asp?id=262 
  5. ^ (繁体字中国語)“全國7-ELEVEN將與阿里山奮起湖同步推出「奮起湖便當50週年紀念版」採用阿里山當地食材再次挑起記憶中的美好滋味”. 統一超商. (2003年7月21日). https://www.7-11.com.tw/company/news_page.asp?dId=163 
  6. ^ a b (繁体字中国語)“奮起湖便當60年 7-11推出紀念限定版”. 卡優新聞網. (2009年10月15日). http://www.cardu.com.tw/news/detail.php?nt_pk=6&ns_pk=8227 
  7. ^ (繁体字中国語)“傳承60年的內山味: 奮起湖便當紀念版上市!”. 7-Eleven公式ブログ. (2009年10月20日). http://blog.7-11.com.tw/diary.aspx?id=278 
  8. ^ (繁体字中国語)林孟佳、顏永欽、李惠洲 (2014年5月23日). “鐵路便當/嘉義奮起湖便當”. 自由時報. http://week.ltn.com.tw/travel/DC1604.html 2017年3月7日閲覧。 
  9. ^ (繁体字中国語)奮起湖便當 奮起湖大飯店 Fenchihu hotel”. www.fenchihu.com.tw. 2017年3月7日閲覧。
  10. ^ (繁体字中国語)林谷隆 (2016年12月21日). “阿里山奮起湖便當曾滿足兩岸遊客的味蕾”. QOOS新聞網. 2017年3月7日閲覧。
  11. ^ (繁体字中国語)戀戀阿里山-奮起湖大飯店官方網站”. www.fenchihu-hotel.com.tw. 2017年3月7日閲覧。
  12. ^ (繁体字中国語)7-ELEVEN 小七食堂-御飯糰”. 統一超商. 2017年3月7日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]