富山地方鉄道不二越線
不二越線 | |
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不二越駅 | |
概要 | |
起終点 |
起点:稲荷町駅 終点:南富山駅 |
駅数 | 5駅 |
路線記号 | T |
ウェブサイト | 鉄道 駅情報 |
運営 | |
開業 | 1914年12月6日 | (全通)
所有者 | 富山軽便鉄道→富南鉄道→富山電気鉄道→富山地方鉄道 |
路線諸元 | |
路線総延長 | 3.3 km (2.1 mi) |
軌間 | 1,067 mm (3 ft 6 in) |
電化 |
直流1,500 V, 架空電車線方式 |
運行速度 | 70 km/h |
停車場・施設・接続路線 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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不二越線(ふじこしせん)は、富山県富山市の稲荷町駅と同市の南富山駅を結ぶ富山地方鉄道の鉄道路線である。路線名となっている「不二越」とは、沿線に工場がありかつて本社が置かれていた工作機械メーカーの名称である[1]。
路線データ
[編集]- 路線距離(営業キロ):3.3km
- 軌間:1067mm[2]
- 駅数:5駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)[2]
- 電化区間:全線(直流1500V)[2]
- 閉塞方式:自動閉塞式[2]
- 最高速度:70km/h[2]
歴史
[編集]現在の不二越線の区間は富山軽便鉄道[3](後の富山鉄道)の手によって開業したものである[4]。富山軽便鉄道は、後の笹津線にあたる区間も開業させていた(笹津線は1933年に一旦廃止、戦後富山地鉄によって復活するも1975年に再度廃止)。
1914年(大正3年)12月6日に富山駅(現在の電鉄富山駅) - 笹津駅間17.6kmが開業した[4][5]。しかし、国鉄高山本線の開業により業績が悪化し、政府の補償(773,150円)[6]を受けて1933年(昭和8年)4月20日に富山鉄道は解散、堀川新駅(現在の南富山駅) - 笹津駅間は廃止となった。残る富山駅 - 堀川新駅間は富山市街地の東淵を走り、沿線の工場からの貨物輸送や富山県営鉄道(現在の上滝線)との連絡線として好調であったことから、新設の富南鉄道に譲渡された。
1937年(昭和12年)、富南鉄道は県東部の交通統合を睨んで設立された富山電気鉄道の傘下に入り、1941年(昭和16年)には正式に合併した。1943年(昭和18年)1月1日の交通大統合により富山地方鉄道となり、旧富山県営鉄道線とあわせて同社の立山線となった。
年表
[編集]- 1913年(大正2年)3月6日 - 富山軽便鉄道に対し鉄道免許状下付(国有鉄道富山停車場-上新川郡大沢野村間)[7]。
- 1914年(大正3年)12月6日 - 富山軽便鉄道により富山駅 - 笹津駅間が開業[4][5][8]。
- 1915年(大正4年)10月24日 - 富山軽便鉄道が富山鉄道に社名変更[4][9]。
- 1917年(大正6年)9月17日 - 山室停留場を停車場に変更[9]。
- 1931年(昭和6年)8月15日 - 稲荷町駅が富山電気鉄道との共同使用駅となる[9]。
- 1933年(昭和8年)4月20日 - 富山鉄道解散、堀川新駅(現在の南富山駅) - 笹津駅間は廃止[4][5][10][11]、富山駅 - 堀川新駅間は富南鉄道に譲渡[4][5][9][12]。
- 1941年(昭和16年)12月1日 - 富南鉄道が富山電気鉄道に路線を譲渡[4][5][9]。同社の富南線となる[13]。
- 1943年(昭和18年)
- 1946年(昭和21年)6月1日 - 電鉄富山駅 - 稲荷町駅間が電化[4]、粟巣野駅までの直通運転開始[17]。
- 1952年(昭和27年)9月26日 - 大泉駅開業[16][18]。
- 1958年(昭和33年)4月12日 - 山室駅を不二越駅に改称[16][18][19]。
- 1969年(昭和44年)4月1日 - 路線名変更により稲荷町駅 - 南富山駅間を不二越線として分離[19][20]。
- 1977年(昭和52年)12月10日 - CTC化[21]
- 1996年(平成8年)4月1日 - 上滝線とともにワンマン運転を導入[4]。
- 2019年(平成31年)3月16日 - 稲荷町駅 - 不二越駅間に栄町駅が開業[22][23][24]。また全駅で駅ナンバリングを実施[25]。
運行形態
[編集]全列車が各駅停車で、本線の電鉄富山駅から発着している。上滝線とは一体の路線として運用されており、「不二越・上滝線」と呼称される。
列車はすべて電鉄富山駅 - 岩峅寺駅間運転の列車のみで、途中駅を始発・終着とする区間列車はない。なお、電鉄富山駅からは立山線経由の岩峅寺行きも発着しているため、列車の方向幕や電鉄富山駅の行先案内板の備考欄には立山線系統の岩峅寺行きは「寺田経由」(立山行きも同様)、不二越・上滝線系統の岩峅寺行きには「南富山経由」と付加されている。
上滝線と同じく、路線規格の都合から、20m級車体の16010形は入線できなかったが、2011年12月23日から「アルプスエキスプレス」で同形が入線するようになった。
駅一覧
[編集]駅番号 [26] |
駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 接続路線・備考 | 線路 |
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T02 | 稲荷町駅 | - | 0.0 | 富山地方鉄道:本線(全列車電鉄富山方面直通) | ∨ |
T58 | 栄町駅 | 0.6 | 0.6 | | | |
T59 | 不二越駅 | 0.4 | 1.0 | | | |
T60 | 大泉駅 | 1.2 | 2.2 | | | |
T61 | 南富山駅 | 1.1 | 3.3 | 富山地方鉄道:上滝線(全列車直通)、富山軌道線(南富山駅前駅: C01) | ◇ |
過去の接続路線
[編集]- 不二越駅:富山地方鉄道富山軌道線(山室線)
- 南富山駅:富山地方鉄道笹津線
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 朝日 2011, p. 7.
- ^ a b c d e 寺田 2013, p. 90.
- ^ 『日本全国諸会社役員録. 第23回』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ a b c d e f g h i 寺田 2013, p. 242.
- ^ a b c d e f g 朝日 2011, p. 14.
- ^ 「富山鉄道株式会社所属鉄道中堀川新笹津間経営廃止ニ対スル補償ノ為公債発行ニ関スル法律」『官報』1933年3月30日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 「軽便鉄道免許状下付」『官報』1913年3月10日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 「軽便鉄道運輸開始」『官報』1914年12月14日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ a b c d e 富山地方鉄道(編)『写真でつづる富山地方鉄道50年の歩み』富山地方鉄道、1979年、182頁。
- ^ 「鉄道営業廃止許可」『官報』1933年3月16日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 「鉄道営業廃止」『官報』1933年5月4日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 4月12日許可「鉄道譲渡許可」『官報』1933年4月14日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ a b 富山地方鉄道(編)『富山地方鉄道五十年史』富山地方鉄道、1983年、347頁。
- ^ “企業情報 - 沿革”. 富山地方鉄道. 2022年1月12日閲覧。 “昭和18年1月1日富山県交通大統合実施、富山地方鉄道と社名変更”
- ^ 富山地方鉄道(編)『富山地方鉄道五十年史』富山地方鉄道、1983年、330頁。
- ^ a b c 寺田 2013, p. 243.
- ^ a b c 富山地方鉄道(編)『写真でつづる富山地方鉄道50年の歩み』富山地方鉄道、1979年、175頁。
- ^ a b 富山地方鉄道(編)『写真でつづる富山地方鉄道50年の歩み』富山地方鉄道、1979年、176頁。
- ^ a b 朝日 2011, p. 15.
- ^ 富山地方鉄道(編)『写真でつづる富山地方鉄道50年の歩み』富山地方鉄道、1979年、68頁。
- ^ 『富山地方鉄道五十年史』(1983年3月28日、富山地方鉄道株式会社発行)912頁。
- ^ “鉄道線および軌道線への「ナンバリング」導入について”. 富山地方鉄道 (2019年2月18日). 2019年2月18日閲覧。
- ^ “富山地鉄に新駅 「栄町駅 県立中央病院口」”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(北日本新聞). (2019年3月16日) 2022年1月11日閲覧。
- ^ “富山地方鉄道:「栄町駅」開業 学生の利用増見込む/富山”. 毎日新聞. (2019年3月17日) 2022年1月11日閲覧。
- ^ “富山地鉄が駅・停留場ナンバリングを導入…鉄道線はT、軌道線はCの頭文字 2-3月”. Response. (2019年2月18日). 2019年3月16日閲覧。
- ^ 鉄道 駅情報 - 富山地方鉄道
参考文献
[編集]- 『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄 19 富山地方鉄道 富山ライトレール・万葉線 黒部峡谷鉄道・北越急行』朝日新聞出版、2011年7月24日。
- 寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』ネコ・パブリッシング、2013年1月19日。ISBN 978-4-7770-1336-4。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 不二越・上滝線活性化事業 - 富山市活力都市創造部交通政策課