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シンフォニータワー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
富谷配水池から転送)
シンフォニータワー
北側から見たシンフォニータワー
シンフォニータワーの位置(宮城県内)
シンフォニータワー
情報
用途 配水池/展望台
高さ 18.3m
竣工 1989年
開館開所 1989年
所在地 981-3328
宮城県富谷市上桜木1丁目1-8
座標 北緯38度21分40.8秒 東経140度52分28.7秒 / 北緯38.361333度 東経140.874639度 / 38.361333; 140.874639 (シンフォニータワー)座標: 北緯38度21分40.8秒 東経140度52分28.7秒 / 北緯38.361333度 東経140.874639度 / 38.361333; 140.874639 (シンフォニータワー)
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シンフォニータワーは、宮城県富谷市南部にある給水塔上水道の配水池)であり、展望台も備える[1]、富谷市のシンボルタワーである。「富谷配水池」とも呼ばれる[* 1]。本稿では給水塔だけでなく浄水施設についても合わせて記述する。なお同市には本シンフォニータワー・富谷配水池(容量8,000m3)の他に、隣接して設置された富谷第二配水池(容量6,000m3)と、館山配水池(容量2,000m3、北部)を持つ。水道水は浄水済のものを宮城県企業局より購入し、配水池を経由して市内に配水している[2]

概要

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シンフォニータワー内部の様子(2015年、展望台にリニューアル済)

仙台市から市境を北上してすぐの国道4号沿い東側、上桜木町1丁目1-8[3]にあり、七ヶ宿ダムを水源とする市の水道水の配水池であり、1989年4月に完成した[4]。富田市(当時は町政)の水道事業の嚆矢であったという[5]。この配水池の建設は、「シンボルタワー富谷配水池」事業という名称でふるさと創生一億円事業の一つとして行われている[6]。総事業費は4億8,100万円だった[6]

シンボルタワーとして

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8月1日頃(水の日)には展望台として一般開放されることもある施設である[7][8][9][* 2]。展望台は、標高130mのところにあり、約18メートルのらせん階段を利用して登るもので、天気が良ければ仙台湾や、泉ヶ岳船形山など奥羽山脈を望める[8][10][11]。また、仙台市の高層ビル群も見ることができるという[12]

富谷市のシンボルタワーとしての機能を持たせるため[13]、夜間2時間のライトアップを行い、屋上のオルゴールが、1日に4回、メロディ・チャイムを流していたが[14]、騒音問題により定時的な運用は停止されたという[15]。だが2012年4月には一日3回のかたちでの運用が再開された[16]。なおこの放送施設は元々防災無線のために設置されたと言う経緯がある[17]。なお、同市「大亀山森林公園」の展望台もシンボルタワーとされている[18][13][* 3]

2011年3月11日に発生した東日本大震災に罹災、その修繕工事のため、この年には一般開放が中止された[19]。この修繕を機に、「展望室」から「展望台」へと大幅なリニューアルが行われた[20][21]

2016年、富谷町富谷市に市政移行するにあたり、記念切手が発売されているが、その10種のデザインのうちの一つに選ばれている建築物である[1]。同年の仙台放送の番組でも取り上げられた[12]

水道施設として

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第二配水池

七ヶ宿ダムから70kmの導水管を経て導水されているが[15][2]、浄水施設は付随しておらず、富谷市の南にある白石市南部山浄水場で浄水されたものを、宮城県企業局より購入したうえで導水している[2]

貯水機能は8000トン。すぐ横には漆沢ダムから取水・導水した(大和町中峰浄水場経由)6000トンを貯水可能な第二配水池が併設されている[22][23][2]。この二つの配水池は連絡され、必要であれば相互に水を融通しあえる構造である[24]

一日平均浄水量は7,322m3硬度は20程度である(いずれも2014年現在)[25]ポンプを用いた配水ではなく、(本配水施設のみでなく、富谷市の全ての水道において)重力による自然流下による配水がなされている(2015年現在)[26]

配水地区は第一が熊谷、穀田、あけの平の一部、富ケ丘、鷹乃杜、日吉台、明石台、成田の各地区。第二がとちの木、あけの平の一部、杜乃橋、上桜木、大清水、となっている[27]


2011年には3月11日に発生した東日本大震災により破損してしまい、七ヶ宿ダムからの取水管も破断。その他にも各所で漏水が発生しこのため一時配水機能を停止する。第一配水池は復旧に最も時間を要したが、3月28日正午に機能を回復、夕刻には配水を再開した[28][29]

隣接する第二配水池も漆沢ダムからの取水管が破損したが、震災直後にはこの配水池には2 - 3日分の水道水が残っており、一部地域(町内全域の5.7%)には配水可能であった。その後は送水が不能となった漆沢ダム水系の代わりに南川ダムからの緊急送水にて給水機能を復旧させ、さらに第二配水池が第一配水池の担当する一部地域への配水を行った[28][29]

断水期間中、石巻市にある日本水道協会宮城県支部が機能不全に陥っており支援が得られない状態であったが、他の自治体(遠くは名古屋市東広島市など)やトヨタ自動車[* 4]などからの支援で必要な給水を行い、断水期間中は最大で、町内の13箇所に給水車・小中学校の受水槽などを活用した給水所を設け、断水に対応した[* 5]。また隣接する大和町からの融通により、19日には従来1人あたり2リットルであった給水量が、18リットルにまで増加した[28][29]

町内全域としては、3月30日には給水率は100%の復旧を得、給水車等による給水は29日から縮小、31日には停止された[28]。『広報とみや』の4月11日臨時号では、復旧はしたものの水不足であり節水を要すると記述されている。

規模

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  • 配水池
高さ18.3m 直径31.5m 容量8000m3[30]
  • 展望台
標高130m、直径10m[30]

周辺の見所

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関連文献

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  • 広報とみや - 富谷市のWebサイトからpdfファイルを閲覧可能。本タワーの開放が同市の年中行事である他、地図への表記や「シンフォニータワーそば」(平成20年6月号 p.13)などの記述から「ランドマーク」としての認知度が高い事や、市民による写真投稿が確認できる。東日本大震災以後は、時折節電のためにライトアップが中止されている。

脚注

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注釈

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  1. ^ 『広報とみや』平成25年9月号 p.12、平成24年8月号 など、配水池そのものをシンフォニータワーと呼称する例が多くみられるが、『広報とみや』臨時号 (2011年4月11日)などのように、単に富谷配水池とされる例もある。
  2. ^ 年度の違う複数の出典により確認できることから、ほぼ毎年行われている模様。ただし解放日・解放日数は異なる。『広報とみや』平成24年9月号によれば、284名が来場したとのこと。また、『広報とみや』平成25年10月号p.21によれば、この年には10月5日に秋の一般開放が行われている。
  3. ^ 大亀山森林公園は、タワーのみならずそれ自体を市(出典の当時は町)の観光スポットとして整備している。
  4. ^ 大型給水車の融通。富谷町が所有していたのは2トン給水車であったが、トヨタ自動車は15日に21トン級の給水車を融通し、大きな戦力となった。なお町全体では3月12日には3台の給水車のみで対応していたが、最盛期にはおおよそ16 - 18台の給水車が対応に当たった。
  5. ^ 給水所は公民館・小中学校を中心にのべ13箇所設置されたが、同時稼働していたのは最大で12箇所とのことである。

参考文献

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  1. ^ a b “<富谷市移行>記念切手 11日発売”. 河北新報社. (2016年10月7日). オリジナルの2016年10月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161007173042/http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201610/20161007_12011.html 2017年1月14日閲覧。 
  2. ^ a b c d 富谷市企画部 企画経営課、2012、『広報とみや 平成24年8月号』、富谷市企画部 企画経営課 p. 3
  3. ^ 富谷市企画部 企画経営課、2013、『広報とみや 平成25年8月号』、富谷市企画部 企画経営課 p. 20
  4. ^ 2016、『富谷市市勢要覧』、富谷市市企画部企画政策課 p. 41
  5. ^ 富谷市議会、2012、『平成24年第2回定例会議事録(第1号)』、富谷市議会
  6. ^ a b 地方自治政策研究会、1989、『全国地域づくり最新データ』、第一法規 p. 7
  7. ^ 富谷市企画部 企画経営課、2006、『広報とみや 平成18年7月号』、富谷市企画部 企画経営課 p. 8
  8. ^ a b 富谷市企画部 企画経営課、2014、『広報とみや 平成26年9月号』、富谷市企画部 企画経営課 p. 12
  9. ^ 富谷市企画部 企画経営課、2010、『広報とみや 平成22年9月号』、富谷市企画部 企画経営課 p. 12
  10. ^ 富谷市企画部 企画経営課、2014、『広報とみや 平成26年7月号』、富谷市企画部 企画経営課 p. 28
  11. ^ 富谷市企画部 企画経営課、2008、『広報とみや 平成20年7月号』、富谷市企画部 企画経営課 p. 8
  12. ^ a b 「カノ☆パン 参上!」にリニューアル”. 仙台放送 (2016年). 2017年1月18日閲覧。
  13. ^ a b 富谷市議会、2012、『平成24年第1回定例会議事録(第2号)』、富谷市議会
  14. ^ 新訂 富谷町誌(平成5年発行)
  15. ^ a b 富谷市議会、2011、『平成23年第4回定例会議事録(第1号)』、富谷市議会
  16. ^ 富谷市企画部 企画経営課、2012、『広報とみや 平成24年4月号』、富谷市企画部 企画経営課 p. 25
  17. ^ 富谷市議会、2003、『平成15年第3回定例会議事録(第2号)』、富谷市議会
  18. ^ 公園・レジャー”. 富谷市. 2017年1月14日閲覧。
  19. ^ 富谷市企画部 企画経営課、2011、『広報とみや 平成23年8月号』、富谷市企画部 企画経営課 p. 21
  20. ^ 富谷市企画部 企画経営課、2012、『広報とみや 平成24年7月号』、富谷市企画部 企画経営課 p. 26
  21. ^ 富谷市議会、2013、『平成25年第3回定例会議事録(第1号)』、富谷市議会
  22. ^ 富谷市企画部 企画経営課、2010、『広報とみや 平成22年6月号』、富谷市企画部 企画経営課 p. 28
  23. ^ 富谷市議会、2011、『平成23年第4回定例会議事録(第1号)』、富谷市議会
  24. ^ 富谷市議会、2011、『平成23年第1回定例会議事録(第1号)』、富谷市議会 - 2月28日。直後、3月11日に起こった東日本大震災の際には実際に第二配水池から第一配水池への融通が行われた。
  25. ^ 日本水道協会. “平成26(2014)年度 水道統計 浄水(給水栓水等)の水質 (上水道事業)”. 日本水道協会. p. 16. 2017年1月18日閲覧。
  26. ^ 富谷市議会、2015、『平成27年第3回定例会議事録(第3号)』、富谷市議会
  27. ^ 富谷市企画部 企画経営課、2009、『広報とみや 平成21年8月号』、富谷市企画部 企画経営課 p. 4
  28. ^ a b c d 富谷町 3.11 東日本大震災の記録編集委員会、[no date]、『東日本大震災の記録 内陸部自治体500日の取組み』、宮城県富谷町 p. 36
  29. ^ a b c 富谷市企画部 企画経営課、2011、『広報とみや 平成23年3月11日 東日本大震災 臨時号 がんばろう!宮城 2011年4月』、富谷市企画部 企画経営課 p. 3 - 発行日は震災の1ヵ月後、4月11日となっている。
  30. ^ a b 平成5年3月31日版 新訂 富谷町誌 P.504

外部リンク

[編集]
  • 富谷市 - 広報とみや、および議事録がオンラインで閲覧可能。