小林宏 (工学者)
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(小林宏 (工学博士)から転送)
人物情報 | |
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生誕 | 1966年8月29日(58歳)[1] |
出身校 | 東京理科大学 |
学問 | |
研究分野 | ロボティクス |
研究機関 |
東京理科大学 チューリッヒ大学 株式会社イノフィス |
博士課程指導教員 | 原文雄[2] |
博士課程指導学生 | 橋本卓弥[3] |
主な指導学生 | 菊池耕生[4]、松下光次郎[5] |
学位 | 工学博士[2] |
主要な作品 | SAYA、マッスルスーツ、ハートステップ |
影響を受けた人物 | ロルフ・ファイファー[6]、細田耕 |
影響を与えた人物 | 辻俊明 |
学会 | IEEE、日本ロボット学会、日本機械学会、計測自動制御学会、電子情報通信学会 |
主な受賞歴 | 文部科学大臣表彰、産学官連携功労者表彰、グッドデザイン賞、日本ロボット学会技術賞、日本機械学会論文賞 |
公式サイト | |
小林研究室 |
小林 宏(こばやし ひろし、1966年8月29日[1] - )は、日本のロボット研究者。東京理科大学博士(工学)、同大学工学部機械工学科教授。腰に特化した運動支援を行う「マッスルスーツ®」を開発・販売するベンチャー企業イノフィスの創業者。アクティブ歩行支援機「ハートステップ」にも取り組んでおり、受付ロボット・先生ロボットであるSAYAの開発者でもある。肌の画像診断や食事支援ロボットでも実績がある[6]。
来歴・人物
[編集]静岡県立沼津東高等学校を経て[7]、東京理科大学工学部機械工学科を卒業。同大学院工学研究科機械工学専攻修士課程修了、同博士課程修了。1992年より3年間、日本学術振興会特別研究員。1995年より東京理科大学工学部機械工学科助手(1996年3月まで)、1996年より2年間、日本学術振興会海外特別研究員(於:AI Lab, Dept. of Computer Science, Univ. of Zurich)、1998年に東京理科大学工学部機械工学科講師、1999年に東京理科大学工学部機械工学科助教授、2001年に科学技術振興事業団さきがけ研究21「相互作用と賢さ」領域研究員。2008年に東京理科大学工学部機械工学科教授。2013年東京理科大学発ベンチャー株式会社イノフィスを創業。取締役CTO[1][8]。当初パワードスーツのようであったマッスルスーツは[9]、リュックサック型で空気圧ゴム人工筋により腰部をサポートする「マッスルスーツ®」として実用化され、介護現場や農作業従事者に活用された[10][11][12]。
主な受賞歴
[編集]- 文部科学大臣表彰 - 2006年平成18年度科学技術分野 若手科学者賞、2019年科学技術賞 (開発部門)[13]
- 産学官連携功労者表彰
- グッドデザイン賞
- 日本機械学会 - 日本機械学会賞(論文)
- 1996年度 - 「人の顔の6基本表情のニューラルネットワーク認識における特性分析」『日本機械学会論文集 C編』第61巻第582号[17]。
- 2005年度 - 「食事支援ロボットシステムの開発と定量的評価」『日本機械学会論文集 C編』第70巻第699号[18]。
- 2010年度 - 「ライフマスクを用いた顔ロボットによる動的表情表出」『日本械学会論文集 C編』第75巻第749号[19]。
- 2014年度 - 「腰補助用マッスルスーツ®のフィールドテスト(物流の作業現場への適用)」『日本機械学会論文集C編』第79巻第806号[20][21]。
- 日本ロボット学会 - 1995年第6回技術賞「アクティブ・ヒューマン・インタフェース(AHI)のための顔ロボットの研究」[22]
- 計測自動制御学会 - 1992年度学術奨励賞「リカレントニューラルネットワークによる動的な顔表情認識」[23]
(その他)
- 1995年 - 第5回佐藤記念知能ロボット研究奨励賞[1]
- 2004年 - UBS イノベーションアワード特別賞「受け付けロボットSAYA」[24]
- 2008年 - 第2回 キッズデザイン賞 商品デザイン部門「アクティブ歩行支援機」[25][注釈 2]
- 2010年 - 第12回 建設ロボットシンポジウム 優秀論文賞[26]
- 2018年 - Red Herring 100 Global Winner(世界で最も革新的なベンチャー企業100社)選出[12]
- 2018年 - 東京都 産業交流展2018「世界発信コンペティション」 製品・技術(ベンチャー技術)部門 奨励賞[27]
(指導学生の受賞)
- 2004年度 - キャンパスベンチャーグランプリTOKYO 特別賞(東京産業人クラブ賞)「小型パワーリハビリマシンによる健康ビジネス」(代表 - 相川高行)[28]
社会的活動
[編集]- 日本ロボット学会 - フェロー(2016年、推薦理由 - 装着型筋力補助装置の開発と市場開拓・事業化ならびに学会運営への貢献)[29]
- 日本機械学会 - 正会員[30][31]
- 計測自動制御学会 - 正会員[23]
- 電子情報通信学会 - 正会員[1]
- IEEE - 会員[31][30]
主な著作
[編集]学位論文
[編集]- 『ロボット・人間コミュニケーションのためのAHIに関する基礎的研究』東京理科大学〈博士学位論文(甲第242号)〉、1995年3月20日。
著書
[編集]- 『ロボット進化論 ―「人造人間」から「人と共存するシステム」へ ―』オーム社〈坊ちゃん選書〉、2006年、ISBN 4274202631。(単著)
- 『顔という知能 ― 顔ロボットによる「人工感情」の創発 ―』共立出版、2004年、ISBN 432012104X。(原文雄との共著)
- 『知の創成 ― 身体性認知科学への招待 ―』R. Pfeifer、C. Scheier 著、共立出版、2001年、ISBN 4320120329。(石黒章夫、細田耕との共訳)
(分担執筆)
- 「23.5.2 産業応用(マッスルスーツ)」『ロボット制御学ハンドブック』近代科学社、2017年、762-765頁。ISBN 978-4-7649-0473-6。
解説
[編集]- 「ウェアラブルロボットの福祉機器への応用」『日本ロボット学会誌』第20巻第8号、2002年、805-808頁。
- 「人を動かすシステム~マッスルスーツ®,アクティブ歩行器~」『バイオメカニズム学会誌』第30巻第4号、2006年、184-188頁。
- 「表情豊かな顔ロボットの開発と受付システムの実現」『日本ロボット学会誌』第24巻第6号、2006年、708-711頁。
- 「人間を支援するロボット技術」『日本ゴム協会誌』第80巻第9号、2007年、344-349頁。
- 「5. 顔ロボット」『映像情報メディア学会誌』第62巻第12号、2008年、1933-1937頁。
- 「マッスルスーツ®と重力シミュレータとしての可能性」『バイオメカニズム学会誌』第34巻第1号、2010年、23-28頁。
- 「リリースしないメディア戦略?!」『日本ロボット学会誌』第29巻第2号、2011年、132-135頁。
- 「小児リハビリテーションへのロボット技術の応用」『The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine』第53巻第5号、2016年、385-391頁。
- 「《第7回》介護アシスト機器(アシストスーツ)」『計測と制御』第56巻第1号、2017年、44-48頁。
- 「着用型筋力補助装置「マッスルスーツ®」」『エレクトロニクス実装学会誌』第19巻第6号、2016年、384-388頁。
出演
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e 小林宏、原文雄「顔ロボットにおける6基本表情の動的実時間表出」『日本ロボット学会誌』第14巻第5号、1996年、677-685頁。
- ^ a b 小林 1995.
- ^ 橋本卓弥『アンドロイドロボットにおける人間らしさの演出に関する研究』東京理科大学〈博士学位論文(甲第910号)〉、2009年3月20日、NAID 500000499084。
- ^ 菊池耕生『構造・機械システムの形態と知能の進化的設計に関する研究』東京理科大学〈博士学位論文(甲第383号)〉、1999年3月20日。
- ^ 松下光次郎「スイス3年間の海外研究体験記」『日本機械学会誌』第109巻第1057号、2006年、956-957頁。
- ^ a b 小林 2011.
- ^ “EduTown あしたね | 大学教授/会社創業者・最高技術者 小林 宏さんの職業インタビュー | キャリア教育・職業調べ・教育総合サイト エデュタウンあしたね 東京書籍”. EduTown あしたね. 2022年11月29日閲覧。
- ^ くらしと保険.
- ^ 前田太郎「パワードスーツのサイエンス ― 創作と創造の狭間で ―」『計測と制御』第43巻第1号、2004年、38-45頁。
- ^ 長場 2018.
- ^ “介護現場の深刻な問題…「腰痛」を解決する『マッスルスーツ』とは?”. tayorini (2019年9月11日) 2019年9月16日閲覧。
- ^ a b INCJ 2018.
- ^ 平成31年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等の決定について 文部科学省 2019/4/9
- ^ a b “産学官連携功労者表彰”. 2019年9月15日閲覧。
- ^ “マッスルスーツ 人間の動作を支援するウェアラブル・ロボット”. 受賞対象一覧 2006年度. GOOD DESIGN AWARD. 2019年9月15日閲覧。
- ^ a b “歩行支援機 アクティブ歩行支援機”. 受賞対象一覧. GOOD DESIGN AWARD. 2019年9月16日閲覧。
- ^ “1996年度 日本機械学会賞,日本機械学会奨励賞受賞者”. 日本機械学会. 2019年9月15日。
- ^ “2005年度(平成17年度) 日本機械学会賞受賞者”. 表彰. 日本機械学会. 2019年9月15日閲覧。
- ^ “2010年度(平成22年度) 日本機械学会賞受賞者”. 2019年9月15日閲覧。
- ^ “2014年度日本機械学会賞・奨励賞・教育賞受賞者一覧”. 日本機械学会. 2019年9月15日閲覧。
- ^ 「日本機械学会賞〔2014年度(平成26年度)審査経過報告〕論文(13) 腰補助用マッスルスーツ®のフィールドテスト : 物流の作業現場への適用)」『日本機械学会誌』第118巻第1158号、2014年、260-261頁。
- ^ “1995.01.01 第6回技術賞 実用化技術賞(技術賞)受賞者(1995年)”. 受賞者一覧. 日本ロボット学会. 2019年9月15日閲覧。
- ^ a b “学会賞受賞者”. 計測自動制御学会. 20191年9月15日閲覧。
- ^ イノベーション・ジャパン2004組織委員会 (2004年9月29日).“日本全国の大学・研究室の最先端技術分野における232成果の中から選出 イノベーション・ジャパン2004 「UBS イノベーション アワード」決定!”(Press Release). 2019年9月16日閲覧。
- ^ a b “アクティブ歩行支援機 受賞番号 08101”. KIDS DESIGN AWARD. 2019年9月15日閲覧。
- ^ “本学教員が建設ロボットシンポジウムにおいて優秀論文賞を受賞”. TUS Today. 東京理科大学 (2010年10月19日) 2019年9月16日閲覧。
- ^ “2018年度 受賞企業|中小企業のビジネスコンテスト 世界発信コンペティション”. 東京都 (2018年11月14日)
- ^ “2004年度入賞者”. キャンパスベンチャーグランプリ. 2019年9月16日閲覧。
- ^ 「2016年度 日本ロボット学会 フェローのご紹介」『日本ロボット学会誌』第34巻第7号、2016年9月、お知らせ2頁。
- ^ a b 小林 2011, p. 135.
- ^ a b 小林 2010, p. 28.
- ^ “2007年4月8日放送 人工筋肉で、来るべき高齢化社会を救いたい”. 夢の扉. TBS. 2019年9月15日閲覧。
- ^ “人工筋肉を使った“マッスルスーツ”“歩行器”で社会の役に立つ! 東京理科大学 小林宏さん”. 空想科学バラエティ. TV東京. 2019年9月16日閲覧。
参考文献
[編集]- “アクティブ・ヒューマン・インタフェース(AHI)のための顔ロボットの研究”. 日本のロボット研究開発の歩み. 日本ロボット学会. 2019年9月16日閲覧。
- “投資先事例: イノフィス 古川尚史 代表取締役社長 CEO 東京理科大学発、「マッスルスーツ」で介護業界の人手不足を救う”. INCJ (2018年12月14日) 2019年9月16日閲覧。
- “いのちを守る Web.11 人間の機能を補助するロボットで寝たきりの人がいなくなる世界を”. くらしと保険. 2019年9月16日閲覧。
- 長場恵子「「イノフィスのアシストスーツ」を10台導入 住宅用木材パネル製造で腰痛による休業者ゼロに」『日経Robotics』2018年2月号、26-29頁。
- Yuka Shingai (2019年8月9日).“製造業から医療現場まで作業支援を補助!誰もが自立できる社会を実現する「マッスルスーツ」”. HERO X. 2019年9月16日閲覧。
外部リンク
[編集]- 東京理科大学工学部機械工学科 小林研究室 - 現在の公式サイト
- kobalab.com - 旧研究室公式サイト
- 株式会社イノフィス - 小林が立ち上げた大学発ベンチャー
(研究者情報)
- 東京理科大学HP教員プロフィール
- 小林宏 - 旧研究室サイト内の教授紹介ページ
- 論文一覧(KAKEN、CiNii、IRDB)
(関連動画)
- セントラルエンジニアリング.【特別インタビュー】東京理科大学 工学部機械工学科教授 小林宏様 <前編>(2019年7月4日)、<後編>(2019年7月5日)
- 前坂俊之チャンネル (2014年10月16日).Japan robot Week 2014ー商品化された「マッスルースーツ」のすごさ - YouTube