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弓削隼人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
弓削 隼人
東北楽天ゴールデンイーグルス #38
2019年4月25日 ヤクルト戸田球場
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 栃木県佐野市
生年月日 (1994-04-06) 1994年4月6日(30歳)
身長
体重
193 cm
105 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2018年 ドラフト4位
初出場 2019年4月4日
年俸 1700万円(2025年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

弓削 隼人(ゆげ はやと、1994年4月6日 - )は、栃木県佐野市出身のプロ野球選手投手)。左投左打。東北楽天ゴールデンイーグルス所属。

身長は193cmで、2021年に阿部剣友に抜かれるまではNPBの日本人左腕投手で歴代最長身であった[2]

経歴

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プロ入り前

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実家では祖父から2代にわたってラーメン店を経営[2]。佐野市立吉水小学校で野球を始め、佐野市立田沼東中学校時代は佐野シニアに所属[3]佐野日本大学高校に進学すると2年春からベンチ入りし[3]、3年春からはエースを務めたが[4]甲子園球場の全国大会とは無縁であった。野球部の2年後輩に田嶋大樹がいる。

日本大学への進学後は肩や肘の故障もあり、入学から2年間での公式戦登板はわずか1試合のみであった[5]。4年になると頭角を現し[4]、4年秋では初の完封勝利を挙げるなど[6]2勝0敗・防御率1.93という好成績で敢闘賞を受賞し[3]、チーム25季ぶり(2004年春以来)となる東都大学1部リーグ優勝に貢献した[7]。さらにリーグ優勝によって出場権を得た明治神宮大会では東海大学北海道キャンパスとの初戦に先発し、7回1安打無失点の好投でチームを勝利に導いた[8]。野球部の同期に京田陽太がいる。

大学卒業後はSUBARUへ入社し、1年目の第40回JABA日立市長杯選抜野球大会予選リーグ日本製紙石巻戦で公式戦デビュー[9]。2年目は都市対抗に出場し、初戦の王子戦に救援で登板した[10]日本選手権への出場がかかっていた日本通運との関東代表決定戦では先発として6回無失点と好投したものの、チームはタイブレークの末に敗れた[11]

2018年10月25日に行われたドラフト会議では、東北楽天ゴールデンイーグルスから4位指名を受け、契約金5000万円、年俸1000万円(金額は推定)という条件で入団した[12]背番号23[13]

楽天時代

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2019年は同期入団の辰己涼介太田光渡邊佳明と共に春季キャンプを一軍でスタートすると[14]、新人ながら開幕ローテーションに入り[15]、4月4日の北海道日本ハムファイターズ戦でプロ初登板初先発を果たしたが、5回途中1失点で降板[16]。翌5日に出場選手登録を抹消されると[17]、二軍で昇格を待つ日々が続いた[18]。7月30日の日本ハム戦で2度目の先発機会が巡ってくると[19]9回2安打無失点と好投し、プロ初勝利をプロ初完投・初完封で飾った[4]。続く8月6日の埼玉西武ライオンズ戦でも7回無失点の好投で2勝目を挙げ、16イニング連続無失点を記録[20]。9月上旬まで先発ローテーションを守ると、変則的な日程もあってブルペン待機となり[21]、9月26日の西武戦でプロ初のリリーフ登板を果たした[22]。ルーキーイヤーは8試合(7先発)の一軍登板で3勝3敗・防御率3.74を記録し、オフに350万円増となる推定年俸1350万円で契約を更改した[23]

2020年は新型コロナウイルスの影響で120試合制の短縮シーズンとなり、開幕も6月に延期されたものの、2年連続で開幕ローテーションに入ると、本拠地開幕戦の先発マウンドを任され、6回2/3を3安打無失点の好投で勝利投手となった[24]。その後もカード頭での先発を任されたが、7月23日のオリックス・バファローズ戦で8回途中2失点と好投[25]したのを最後に5試合連続で3失点以上を喫し、特に8月18日の日本ハム戦で15安打9失点[26]、続く同25日の千葉ロッテマリーンズ戦では1回1/3で降板[27]と自己ワーストの投球内容が続き、翌8月26日に登録抹消[28]。10月には左肘のクリーニング手術を受け[29]、そのままシーズンを終えた。この年は10試合に先発して3勝2敗・防御率5.01という成績でオフに現状維持の推定年俸1350万円で契約を更改した[30]

2021年は開幕ローテーション入りを逃したものの、開幕2戦目の先発を予定していた田中将大が直前に故障で離脱し、代役の髙田萌生も結果を残せず、先発機会が巡ってきた[31]。しかし、2試合続けて5回持たずに降板となり[32][33]、その後は長らく二軍調整が続いた。9月30日の日本ハム戦で約5カ月半ぶりとなる一軍の先発マウンドに上がり、5回1失点の好投でシーズン初勝利を挙げたものの[29]、先発機会が無いため翌10月1日に登録抹消[34]。同18日の日本ハム戦で再び一軍の先発マウンドに上がったが、制球が定まらず自己最短の1回で降板となり[35]、シーズン最終盤はリリーフに回った。この年は5試合(4先発)の登板で1勝1敗・防御率7.24という成績にとどまり、オフに200万円減となる推定年俸1150万円で契約を更改した[36]

2022年はリリーフとして開幕を一軍で迎え[37]、開幕から4試合の登板で無失点であったが[38]、新型コロナウイルス陽性判定を受けて4月5日に出場選手登録を抹消された[39]。療養を経て[38]同30日に再登録され[40]、翌5月1日の福岡ソフトバンクホークス戦で6回表の1イニングを無失点に抑えると、6回裏の攻撃中に雨天コールドとなりプロ初セーブが記録された[41]。開幕から12試合連続無失点を記録していたものの[42]、5月22日に登録抹消[43]。二軍では先発調整が続き[44]、8月10日に瀧中瞭太が新型コロナウイルス陽性判定を受けたことから[45]、翌11日のオリックス戦で急遽シーズン初先発となったが[44]、4回1/3を5失点で敗戦投手となった[46]。8月12日に出場選手登録を抹消されて[47]以降の一軍登板は無くシーズンを終え、この年は13試合(1先発)の登板で0勝1敗1セーブ・防御率3.29という成績であった。オフの11月9日に行われた契約更改交渉では、150万円減となる推定年俸1000万円でサイン[48]。同20日には翌年から背番号が38に変更となることが球団から発表された[42]

2023年は2年連続でリリーフとして開幕を迎え[49]、開幕から7試合の登板で防御率1.80を記録していたが[50]、4月21日に出場選手登録を抹消された[51]。6月21日に再登録されるも[52]、7月1日のロッテ戦で1回1/3を5安打3失点と打ち込まれ[53]、翌2日に登録抹消[54]。同28日に再登録されたが[55]、8月10日のソフトバンク戦では1アウトしか奪えずに2安打1四球2失点を喫し[56]、翌11日の登録抹消[57]以降の一軍登板は無く、この年は12試合の登板で防御率5.59という成績に終わった。オフに20万円減となる推定年俸980万円で契約を更改した[58]

2024年は開幕を二軍で迎えたが、5月3日に出場選手登録されると[59]、交流戦開始前の時点では開幕から7試合連続無失点を記録した[60]。8試合目の登板となった5月30日の横浜DeNAベイスターズ戦でシーズン初失点を喫したものの[61]、6月16日の広島東洋カープ戦では先発の松井友飛が両足を攣ったことを受け[62]、5-0の4回表から登板し、1イニングを無失点に抑えると、弓削に勝利投手が記録。一軍では自身990日ぶりの白星となった[63]。交流戦終了時点では12試合に登板し、1勝0敗・防御率2.63を記録していたが[64]、6月25日のロッテ戦で1回5安打1四球5失点[65]。続く同29日の西武戦[66]から7月26日のロッテ戦[67]にかけて6試合連続無失点を記録するも[注 1]、28日の同カードでは1回4安打2四球4失点[69]。続く7月30日のソフトバンク戦[70]から8月30日のオリックス戦[71]にかけて9試合連続無失点を記録するも、31日の同カードでは2回5安打3失点[72]と一軍登板を重ねた一方で、不調時の登板では乱調であった。9月11日のソフトバンク戦で2/3回を投げ、6安打1四球5失点を喫すると[73]、翌12日に登録抹消となり[74]、そのまま二軍でシーズンを終えたものの、この年は自己最多の34試合に登板し、2勝0敗1ホールド・防御率5.94を記録。オフに720万円増となる推定年俸1700万円で契約を更改した[75]

選手としての特徴

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身長193cmの大柄な体格から繰り出す最速149km/hのストレートが武器で、スライダーカーブフォークなどの変化球も投げ分ける[3]軟投派の左腕投手。

かつてMLBで一世を風靡した長身の左腕投手にちなんで、SUBARU時代から「和製ランディ(・ジョンソン)」とも呼ばれている。実際には、ジョンソンの現役時代ほどストレートは速くないものの、身長が高い割にコントロールが良い[5]

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2019 楽天 8 7 1 1 0 3 3 0 0 .500 172 43.1 40 5 9 0 2 34 0 0 18 18 3.74 1.13
2020 10 10 0 0 0 3 2 0 0 .600 229 50.1 57 9 20 0 3 34 2 0 34 28 5.01 1.53
2021 5 4 0 0 0 1 1 0 0 .500 65 13.2 20 0 6 0 1 6 0 0 11 11 7.24 1.90
2022 13 1 0 0 0 0 1 1 0 .000 61 13.2 14 2 6 0 2 5 0 0 5 5 3.29 1.46
2023 12 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 47 9.2 12 1 4 1 2 5 0 0 7 6 5.59 1.66
2024 34 0 0 0 0 2 0 0 1 1.000 150 33.1 42 1 4 1 1 28 0 0 22 22 5.94 1.53
通算:6年 82 22 1 1 0 9 7 1 1 .563 724 164.0 185 18 54 2 11 112 2 0 97 90 4.94 1.46
  • 2024年度シーズン終了時

年度別守備成績

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投手












2019 楽天 8 1 7 1 2 .889
2020 10 3 8 1 0 .917
2021 5 1 2 0 0 1.000
2022 13 1 3 0 0 1.000
2023 12 1 2 1 0 .750
2024 34 1 5 0 0 1.000
通算 82 8 27 3 2 .921
  • 2024年度シーズン終了時

記録

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初記録

背番号

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  • 23(2019年 - 2022年)
  • 38(2023年 - )

登場曲

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脚注

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注釈

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  1. ^ 7月9日のロッテ戦ではプロ初ホールドを記録した[68]

出典

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  1. ^ 楽天 - 契約更改 - プロ野球」日刊スポーツ。2024年11月23日閲覧
  2. ^ a b 楽天193センチ弓削が初勝利 長身源はラーメン?日刊スポーツ 2019年7月30日配信
  3. ^ a b c d 【楽天】ドラ3弓削、193センチ日本人現役最長身左腕誕生へ「小学生の頃から頭ひとつ出ていた」”. スポーツ報知 (2018年10月31日). 2021年12月22日閲覧。
  4. ^ a b c 楽天弓削プロ1勝、社会人時代の練習回帰で直球復活”. 日刊スポーツ (2019年7月31日). 2021年12月22日閲覧。
  5. ^ a b 楽天・弓削プロ初勝利 “和製ランディ”の真骨頂で2安打完封”. 日刊ゲンダイDIGITAL (2019年7月31日). 2021年12月22日閲覧。
  6. ^ 1メートル92大型左腕、日大・弓削 初完封「何とか乗り切れた」”. Sponichi Annex (2016年10月12日). 2021年12月22日閲覧。
  7. ^ 25季ぶりVの日大 仲村監督「選手が頑張った」他大学からも称賛”. Sponichi Annex (2016年10月25日). 2021年12月22日閲覧。
  8. ^ 日大コールド勝ち4強 192センチ左腕弓削7K 日刊スポーツ 2016年11月14日配信
  9. ^ 第40回JABA日立市長杯選抜野球大会予選リーグ 対日本製紙石巻 SUBARU硬式野球部
  10. ^ 第89回 都市対抗 本大会 7月14日 東京ドーム 第1試合 1回戦
  11. ^ 第44回日本選手権大会・関東代表決定戦 SUBARU硬式野球部
  12. ^ 【楽天】193センチの“和製ランディ”ドラフト4左腕・弓削隼人が契約合意 スポーツ報知 2018年11月16日配信
  13. ^ 楽天1位辰己「7」2位太田は「2」新人背番号発表”. 日刊スポーツ (2018年11月22日). 2021年12月22日閲覧。
  14. ^ 楽天が久米島キャンプメンバー発表 ドラ1辰己ら新人6選手が1軍スタート”. Full-Count (2019年1月16日). 2021年12月22日閲覧。
  15. ^ 【楽天】ドラ4弓削、球団初の開幕ローテ入り新人のデビュー戦勝利へ”. スポーツ報知 (2019年4月2日). 2021年12月22日閲覧。
  16. ^ 楽天ルーキー左腕・弓削、初登板初先発で勝ち投手まで“あと2死”で降板 スポーツニッポン 2019年4月4日配信
  17. ^ 日本ハム斎藤佑樹ら抹消、巨人重信ら登録/5日公示”. 日刊スポーツ (2019年4月5日). 2021年12月22日閲覧。
  18. ^ 楽天 ルーキー・弓削隼人 準備はOK”. 週刊ベースボールONLINE (2019年6月26日). 2021年12月22日閲覧。
  19. ^ 30日の予告先発 広島モンティージャが巨人戦で初登板&初先発、巨人は山口”. Sponichi Annex (2019年7月29日). 2021年12月22日閲覧。
  20. ^ 楽天・弓削 プロ初完封に続き7回零封 連敗止め3位浮上「連打を浴びずに抑えられた」 スポーツニッポン 2019年8月7日配信
  21. ^ 楽天CS進出へ弓削がリリーフ待機「力になりたい」”. 日刊スポーツ (2019年9月10日). 2021年12月22日閲覧。
  22. ^ 2019年9月26日 【公式戦】 試合結果 (東北楽天vs埼玉西武)”. 日本野球機構. 2021年12月22日閲覧。
  23. ^ 【楽天】弓削は350万円増の1350万円でサイン プロ初完封初勝利を含む3勝をマーク”. スポーツ報知 (2019年11月21日). 2021年12月22日閲覧。
  24. ^ 楽天、ホーム開幕戦で快勝!弓削「本来の投球が出来た」、浅村「とにかく塁に出ることだけ考えて打席に」”. Sponichi Annex (2020年6月23日). 2021年12月22日閲覧。
  25. ^ 楽天弓削が8回途中2失点力投 前回負傷降板から”. 日刊スポーツ (2020年7月23日). 2021年12月22日閲覧。
  26. ^ ハムキラー楽天弓削9失点 初回から打たれワースト”. 日刊スポーツ (2020年8月18日). 2021年12月22日閲覧。
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  28. ^ 広島曽根ら登録、DeNAロペスら抹消/26日公示”. 日刊スポーツ (2020年8月26日). 2021年12月22日閲覧。
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  31. ^ 楽天・弓削 4・3オリ戦で今季初先発へ 小山投手コーチ期待「ゲームをつくってもらいたい」”. Sponichi Annex (2021年3月30日). 2021年12月22日閲覧。
  32. ^ 【楽天】弓削隼人、今季初先発は4回途中1失点で降板「精彩を欠く投球になってしまった」”. スポーツ報知 (2021年4月3日). 2021年12月22日閲覧。
  33. ^ 楽天・弓削3回7失点KO「今日は何もないです」田中将復帰前の正念場マウンドで”. デイリースポーツ (2021年4月10日). 2021年12月22日閲覧。
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  35. ^ 楽天・弓削が今季自己最短1回2失点で降板「コントロールが定まりませんでした」”. デイリースポーツ (2021年10月18日). 2021年12月22日閲覧。
  36. ^ 楽天の長身左腕・弓削は200万円ダウンで更改 5試合の登板にとどまり「かみ合わなかった」”. Sponichi Annex (2021年11月29日). 2021年12月22日閲覧。
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関連項目

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外部リンク

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