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性生活の知恵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
謝国権『性生活の知恵』、池田書店、1960年、表紙。

性生活の知恵』(せいせいかつのちえ)は、1960年(昭和35年)に池田書店が出版してミリオンセラーとなった、謝国権による医学啓蒙書ハウツー本であり[1][2]、同書を原作として1961年(昭和36年)に水野洽が監督し、大映東京撮影所が製作、大映が配給して公開した日本の長篇劇映画である[3]。映画は、当時の「映画倫理管理委員会」(新映倫、現在の映画倫理委員会)は同作を成人映画に指定し、18歳未満の鑑賞を制限したが[3]、同年中に製作・公開された続篇は一般映画指定であった[4]。書籍についても、1963年(昭和38年)に続篇が出版された[1]

略歴・概要

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1960年(昭和35年)6月25日、初版発行[1]。著者の謝国権は当時、日本赤十字社本部産院(現在の日本赤十字社医療センター産科)の医局長を務めており、内容的には刺激的ではあったが、初版で終わっても読者の幸福に貢献したいとの思いで出版され、発売禁止処分にならぬよう留意した[2]。初版3,000部は、版を重ねて1年間で152万部のベストセラーとなり、1970年(昭和45年)4月には第138刷、200万部を突破した。同書は「日本人の性意識を変えた」といわれる[2]

大映東京撮影所は、同書のベストセラー化を受けて、1961年(昭和36年)、同書を原作に、5話構成オムニバス形式による同名の劇場用映画を製作、同年7月28日にこれを公開した[3]。わずか2か月後の同年9月30日には『性生活の知恵 第二部』を公開している[4]。2012年(平成24年)7月現在、東京国立近代美術館フィルムセンターは、いずれのヴァージョンの上映用プリント等をも所蔵していない[5]

1963年(昭和38年)6月、続篇にあたる『これからのSEX 続 性生活の知恵』が発売されている[1]

目次

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  1. 第一章 結婚と性生活 - p.19
  2. 第二章 男性と女性の性生理 - p.28
  3. 第三章 性交への誘い - p.49
  4. 第四章 性交とその態位 - p.59
  5. 第五章 性交との訣別 - p.124
  6. 第六章 男性のために - p.127
  7. 第七章 女性のために - p.170
  8. 第八章 青年期の性 - p.219
  9. 第九章 家族計画の必要性 - p.244
  10. 第十章 妊娠しない期間の見つけ方 - p.253
  11. 第十一章 受胎調節法の実際 - p.260

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  1. 第一章 これからの性教育 - p.13
  2. 第二章 これからの性生活 - p.81
  3. 第三章 疲れない性交態位 - p.127
  4. 第四章 初夜の不成立を避けるために - p.188
  5. 第五章 新しく寝室を作る人のために - p.253

ビブリオグラフィ

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国立国会図書館蔵書による一覧である[1]

  • 『性生活の知恵』、謝国権池田書店、1960年
    • 『性生活の知恵 ポケット版』、イケダ3Lブックス、池田書店、1973年
  • 『これからのSEX 続 性生活の知恵』、謝国権、池田書店、1963年

映画

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正篇

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性生活の知恵
Seiseikatsu no chie
監督 水野洽
脚本 関口多景士
桜井康裕
原作 謝国権
製作 川崎治雄
ナレーター 松村達雄
出演者 竹村南海児
三浦友子
音楽 入江雅郎
撮影 渡辺徹
照明 田熊源太郎
製作会社 大映東京撮影所
配給 日本の旗 大映
公開 日本の旗 1961年7月28日
上映時間 58分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
次作 性生活の知恵 第二部
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性生活の知恵』(せいせいかつのちえ)は、謝国権の同名の医学啓蒙書を原作として、1961年(昭和36年)に水野洽が監督し、大映東京撮影所が製作、大映が配給して公開した、オムニバス形式の日本の長篇劇映画である[3]。当時の「映画倫理管理委員会」(新映倫、現在の映画倫理委員会)は同作を成人映画に指定し、18歳未満の鑑賞を制限した[3]。2012年(平成24年)7月現在、東京国立近代美術館フィルムセンターは、本作の上映用プリント等を所蔵していない[5]

作品データ

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スタッフ

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キャスト

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続篇

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性生活の知恵 第二部
Seiseikatsu no chie Part 2
監督 阿部毅
脚本 桜井康裕
原作 謝国権
製作 川崎治雄
竹谷豊一郎
ナレーター 松村達雄
出演者 早川雄三
市田ひろみ
音楽 大沢保郎
撮影 宗川信夫
照明 田熊源太郎
製作会社 大映東京撮影所
配給 日本の旗 大映
公開 日本の旗 1961年9月30日
上映時間 64分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
前作 性生活の知恵
テンプレートを表示

性生活の知恵 第二部』(せいせいかつのちえ だいにぶ)は、謝国権医学啓蒙書『性生活の知恵』を原作として、1961年(昭和36年)に製作・公開された同名の劇映画の続篇として、同年、阿部毅が監督し、大映東京撮影所が製作、大映が配給して公開した日本の長篇劇映画である[4]。前作に対して、当時の「映画倫理管理委員会」(新映倫、現在の映画倫理委員会)は同作を成人映画に指定し、18歳未満の鑑賞を制限したが[3]、本作に対しては「一般映画」指定であった[4]。2012年(平成24年)7月現在、東京国立近代美術館フィルムセンターは、本作の上映用プリント等を所蔵していない[5]

作品データ

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スタッフ

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キャスト

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脚注

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  1. ^ a b c d e 謝国権 性生活の知恵国立国会図書館、2012年7月11日閲覧。
  2. ^ a b c デジタル版 日本人名大辞典+Plus『謝国権』 - コトバンク、2012年7月11日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h 性生活の知恵、日本映画情報システム、文化庁、2012年7月11日閲覧。
  4. ^ a b c d 性生活の知恵 第二部、日本映画情報システム、文化庁、2012年7月11日閲覧。
  5. ^ a b c 所蔵映画フィルム検索システム東京国立近代美術館フィルムセンター、2012年7月11日閲覧。

参考文献

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  • 『日出造見参「やァこんにちは」「性生活の知恵」の著者謝国権氏』謝国権、『週刊読売』第19巻第50号所収、読売新聞社、1960年12月、p.58-63.
  • 『はじめてママになる方のために 出産の準備』謝国権、『婦人倶楽部』第43巻第14号所収、講談社、1962年12月、p.261-266.
  • 『結婚生活の知恵 幸福な愛と性のガイド』、石垣綾子、講談社、1964年、p.194.
  • 『謝国権「性生活の知恵」・レジャー時代の開幕 - 戦後ベストセラー物語 52』巻正平、『朝日ジャーナル』第8巻第43号所収、朝日新聞社、1966年10月、p.35-39.
  • 『新しい性生活の知恵 監修 謝国權 十組の夫婦の体験報告より』、『婦人倶楽部』第51巻第1号所収、講談社、1970年1月、p.391-395.
  • 『子供を一人産んだ後の性生活』謝国権、『婦人倶楽部』第52巻第1号所収、講談社、1971年1月、p.387-396.
  • 『出産前後の性生活の知恵』謝国権、『婦人倶楽部』第53巻第6号所収、講談社、1972年6月、p.415-423.
  • 『子供を産み終えてからの性生活の知恵』謝国権、『婦人倶楽部』第59巻第2号所収、講談社、1978年2月、p.153-161.
  • 『"人形"で苦心した謝国権「性生活の知恵」』池田菊敏、『文藝春秋』第58巻第9号所収、文藝春秋、1980年9月、p.211-213.
  • 『ベストセラーの戦後史 16 謝国権「性生活の知恵」昭和35年』井上ひさし、『文藝春秋』第66巻第11号所収、文藝春秋、1988年9月、p.482-487.
  • 『訪問「時代の本」5 謝国権「性生活の知恵」』吉原敦子、『諸君!』第26巻第10号所収、産経新聞社、1994年10月
  • 『「戦後50年の生き証人」に聞く 3 謝国権 - 「性生活の知恵」以前・以後』謝国権・田原総一朗、『中央公論』第110巻第5号所収、中央公論社、1995年3月、p.264-276.
  • 特別企画「謝国権氏の「名著」が世に出てから35年!! 平成版性生活の知恵極上のエクスタシーを味わうために」、『週刊現代』第37巻第39号所収、講談社、1995年10月、p.180-185
  • 『遺書、拝読 5 『性生活の知恵』池田書店刊 著・謝国権』長薗安浩、『中央公論』第119巻第5号所収、中央公論社、2004年5月、p.253-255.

関連項目

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外部リンク

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書籍
映画