剰余価値率

剰余価値率（じょうよかちりつ、英: rate of surplus-value, 独: Rate des Mehrwerts）は、マルクス経済学において、可変資本に対する剰余価値の割合を示す。搾取率とも言う。

可変資本をV 、剰余価値をM で示すと、剰余価値率m' は次の式で定義される。m=Ｍ/Ｖ

また、剰余価値/労働力の価値、または剰余労働/必要労働ともあらわされる。

解説

ポール・サミュエルソンは、次のように解説する。

マルクスは、マークアップ・剰余$s_{i}$は直接労働についてだけあるとし、それぞれの部門の剰余$s_{i}$は可変資本$v_{i}$に対し同じ比率のマークアップ（上乗せ）をする。この$s_{i}$対$v_{i}$の比率が剰余価値率$m$であり（ドイツ語：Mehrweltから）、すべての産業に共通するもので、次のようにあらわす。

$m=m_{1}=m_{2}=$…$=m_{i}=$

$s_{1}=mv_{1},s_{2}=mv_{2},$…$s_{i}=mv_{i},$…

▶︎剰余価値率:$S_{i}/V_{i},S_{2}/V_{2},m$

サミュエルソンは、競争はすべての産業に関し、$s_{i}/v_{i}$だけでなく、利潤率を均等化させるので、剰余価値率均等のかわりに、均等利潤率$\pi$を措定すべきであるという。

▶︎均等利潤率:$\pi =s_{1}/(c_{1}+v_{1})=s_{2}/(c_{2}+v_{2})$

→詳細は「再生産表式」を参照

関連項目

• 利潤率の傾向的低下の法則
• 再生産表式
• マルクス主義批判