火山岩
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火山岩(かざんがん、英: volcanic rock)は、マグマ由来の岩石(火成岩)のうち、火口近くで急激にマグマが冷えて固まったもの。多くは火山から噴出されてできるため、噴出岩(ふんしゅつがん、effusive rock)ということもある。対応する火成岩の深成岩に比べ、岩石中の鉱物の粒が小さいことと、石基を持つ点が異なる。
火山岩という名称は火成岩とまぎらわしいが、火成岩は火山岩や深成岩を含む、マグマからできた岩石の総称である。
斑状組織
[編集]火山岩には、斑晶(はんしょう、phenocryst)と石基(せっき、groundmass)が含まれることが多い[1]。斑晶や石基から構成される組織を斑状組織(はんじょうそしき、porphyritic texture)という[1]。
斑晶は、粗粒の結晶で、噴出前にマグマだまり内で結晶化されたものである[2]。石基は、細粒の鉱物やガラスにより構成されている部分のことで[1]、火山噴出時に急冷されることで形成された[2]。
主な火山岩
[編集]火山岩の産状
[編集]利用
[編集]加熱すると冷めにくいことから、余剰電力で火山岩を750℃程度に熱し、必要な時に取り出した熱で蒸気タービンを回して発電する「岩石蓄電」に使われる[3]。
参考文献
[編集]- 久城, 育夫、荒牧, 重雄、青木, 謙一郎 編『日本の火成岩』岩波書店、1989年。ISBN 4-00-005766-9。
- 豊遙秋、青木正博『検索入門 鉱物・岩石』保育社、1996年。ISBN 4-586-31040-5。
- 周藤賢治、小山内康人『記載岩石学 : 岩石学のための情報収集マニュアル』共立出版〈岩石学概論〉、2002年。ISBN 4-320-04639-0。
- 榎並正樹『岩石学』共立出版〈現代地球科学入門シリーズ〉、2013年。ISBN 978-4-320-04724-2。
脚注
[編集]- ^ a b c 周藤・小山内 2002, p. 8.
- ^ a b 榎並 2013, p. 56.
- ^ 「岩石蓄電 22年にも実用化 シーメンス、10社以上と覚書」 『日本経済新聞』朝刊2020年1月30日(企業3面)2020年2月23日閲覧
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- “岩石の分類”. 石の博物館. 広島大学. 2011年6月6日閲覧。
- 山岸宏光. “火山岩岩石の露頭の見方”. 実務者のための岩石肉眼鑑定法. 斜面防災対策技術協会. 2011年6月6日閲覧。
- 日本大百科全書(ニッポニカ)『火山岩』 - コトバンク