栃木兄弟誘拐殺人事件
表示
(栃木幼児誘拐殺人事件から転送)
栃木兄弟誘拐殺人事件(とちぎきょうだいゆうかいじけん)は、2004年9月11日、栃木県小山市で兄弟(4歳と3歳)が誘拐され、暴行の末に川に落とされて殺害された事件[1]。
逮捕されたのは被害者家族が同居していた家の家主の男で、事件前に兄弟に虐待を繰り返していた[2]。彼は裁判の末、2005年に一審で死刑判決を受けるも2006年に病死した。オレンジリボン運動のきっかけとなった事件である[3][4]。
事件の経過
[編集]- 2004年9月11日 - 兄弟の誘拐事件が発生。
- 2004年9月13日 - 男(39歳)が未成年者誘拐の容疑で逮捕される。男は被害者家族と同居しており、家主はこの男である。男は2人を連れまわしたことを1度は認めるが「わからない」と供述が一変する[5]。
- 2004年9月14日 - 被疑者が2人の殺害を認めた。その供述通り、思川で弟の遺体が発見される[6]。
- 2004年9月16日 - 兄の遺体も同じ川で発見される[7]。被疑者を殺人の容疑で再逮捕した[7]。
- 2004年9月30日 - 被害者の父親も覚せい剤取締法違反(使用)容疑で逮捕した[8]。
- 2004年10月8日 - 被疑者を殺人罪で宇都宮地裁に起訴した[9]。
- 2004年12月14日 - 宇都宮地裁で初公判が開かれ、被告人は起訴事実を認めたが、覚醒剤を使用して錯乱状態だったと主張した。弁護側も心神耗弱を主張し、刑事責任能力について争う姿勢を見せた[10]。
- 2005年8月9日 - 論告求刑公判が開かれ、検察側は「落ち度もない幼児2人を橋の上から投げ入れて殺害した犯行態様は卑劣」として被告人に死刑を求刑した[11]。
- 2005年9月8日 - 被告人が1審の宇都宮地裁[12]で死刑判決。
- 2006年6月4日 - 被告人が東京拘置所で病死、公訴棄却。
脚注
[編集]- ^ “気持ちと情報をわかちあう「オレンジリボンネット」”. www.orangeribbon-net.org. 2023年11月30日閲覧。
- ^ “思川に投げ落とされ殺害17年 兄弟虐待死 風化させない 小山の元民生委員・菅原さん|下野新聞 SOON”. 下野新聞 SOON. 2021年9月12日閲覧。
- ^ 兵庫県. “児童虐待の防止”. 兵庫県. 2023年11月30日閲覧。
- ^ “児童虐待防止・オレンジリボンキャンペーンとは”. 大阪市. 2023年11月30日閲覧。
- ^ “幼い兄弟依然不明、男を逮捕 栃木の誘拐事件”. 朝日新聞. (2004年9月13日) 2004年9月13日閲覧。
- ^ “⚪︎⚪︎ちゃんの遺体発見、兄の行方捜索 小山の誘拐事件”. 朝日新聞. (2004年9月14日) 2004年9月17日閲覧。
- ^ a b “⚪︎⚪︎容疑者を殺人容疑で再逮捕方針 小山の幼児誘拐”. 朝日新聞. (2004年9月16日) 2004年9月16日閲覧。
- ^ “エキサイトブログ「ラサの感想」”. 2023年6月6日閲覧。
- ^ “栃木の幼い兄弟殺害、⚪︎⚪︎容疑者を起訴”. 読売新聞. (2004年10月8日) 2004年10月11日閲覧。
- ^ “事実認め「心神耗弱」主張 小山兄弟殺害事件で被告”. 下野新聞. (2004年12月14日) 2004年12月15日閲覧。
- ^ “栃木・小山市の兄弟殺害の被告に死刑求刑”. 読売新聞. (2005年8月9日) 2005年8月10日閲覧。
- ^ 本来、小山市は宇都宮地方裁判所栃木支部(栃木市)の管轄で、本事件のように合議事件は栃木支部でも取り扱っているが、実際には宇都宮地方裁判所本庁(宇都宮市)で行われた。
参考文献
[編集]- 『殺人現場を歩く2』 2巻、ミリオン出版、2006年7月21日。ISBN 4813020429。