桜美かつし

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桜美 かつし(さくらび かつし)は、日本男性アニメーターアニメーション演出家アニメーション監督J.C.STAFF所属。

本名の桜美 勝志でクレジットされることもある。

代表作に『少女革命ウテナ』(演出、原画、レイアウト監修)、『よみがえる空 -RESCUE WINGS- 』(監督)など。

その他、『とある科学の超電磁砲』シリーズや『とらドラ!』等、多数のJC作品の演出に参加、レイアウト監修を務めている。

作風[編集]

凝ったレイアウトとキャラクターの細かい仕草などによる情緒的な演出が特徴。キャラクターに当たる光と影を使った心情表現も多い。

インタビューのなかで桜美は「いわゆる「萌え」や、残酷な描写はあまり好かない」「自分には、アニメは良いものだという幻想がある」と語っている。『真月譚 月姫』『あさっての方向。』などでも、原作にあるダークさや、残酷な描写を極力押さえた物語と、余韻のあるラストを描いた。

彼の絵コンテを見た作品の原作者や、ファンブックのインタビュワーによれば、いずれも指示などが細部まで細かく書かれていたという。その他、鈴村健一藤村歩など、彼の監督作に出演した声優、スタッフの多くは、「(登場人物の心情や状況を)台詞ではなく、絵で表現することが多い」と、それぞれの作品のインタビューの中で語っている。

他にも桜美は作品中に必ず「仕掛け」を用意すると語っている。『ガンパレード・マーチ 〜新たなる行軍歌〜』の第1話「プレイバック The Visitor」において、速水厚志と芝村舞が出会う歩道橋のシーンで、舞は上の段、速水は下の段に位置していて、速水が舞を見上げる形となっている。これは出会った当初における二人の関係を表現したもので、この歩道橋は劇中幾度か登場し、最終回のEDで、この歩道橋を上がってきた速水が、橋の丁度中央で舞と顔を見合わせるシーンは、二人の関係がようやく対等になったことを表現したという。同じように『真月譚 月姫』でも、主人公の遠野志貴が困難に直面した時には、決まって同じ坂を上っていくシーンが挿入される。

影響を受けた作品は、「これまで見てきた作品全て」だという。

参加作品[編集]

テレビアニメ[編集]

1986年
1991年
1992年
1994年
1995年
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
2019年
2020年
2021年
2022年
2024年

劇場アニメ[編集]

1986年
1994年
1996年
1997年
1999年
2007年
2019年

OVA[編集]

1985年
  • くりいむレモンPART9 ハプニング・サマー(動画)※桜美宮工名義。18禁作品。
  • くりいむレモンPART10 STAR TRAP(動画)※桜美宮工名義。18禁作品。
1986年
  • くりいむレモンPART11 黒猫館(動画)※桜美宮工名義。18禁作品。
  • 湘南爆走族 残された走り屋たち(動画)※桜美勝志名義
1988年
1989年
1990年
1991年
1994年
1996年
1997年
1998年
2001年

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ あさっての方向。 : 作品情報”. アニメハック. 2020年9月4日閲覧。
  2. ^ 裏切りは僕の名前を知っている : 作品情報”. アニメハック. 2020年9月18日閲覧。
  3. ^ 神様のメモ帳 : 作品情報”. アニメハック. 2020年9月20日閲覧。
  4. ^ ふらいんぐうぃっち :作品情報”. アニメハック. 2020年9月3日閲覧。
  5. ^ アリスと蔵六 : 作品情報”. アニメハック. 2022年9月25日閲覧。

関連項目[編集]