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早晩性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
極早生から転送)

早晩性(そうばんせい)とは、作物品種ごとの収穫期となるまでの栽培期間についての特性[1]。実際には温度や日長と言った環境条件によって変化し相対的に決定されるため相対指標である[1][2][3]

種類

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作物の早晩性については、早生(わせ、そうせい)、中生(なかて、ちゅうせい)、晩生(おくて、ばんせい)に分類され[3][4][5]、より細かく分類される場合には、極早生早生中生晩生極晩生[1]、または、極早生早生中早生中晩生極晩生(大晩生)と分類される[3][4][6]

早生
早生とは、作物の収穫時期となるのが中生よりも早い品種[3][7]。細かく分類される場合には極早生よりも収穫時期の遅いものを指す[7][8]。早生の品種を早生種あるいは早生品種という[7]。英語表記ではearly flowering または early maturing もしくは early ripening[3]
中生
中生とは、作物の収穫時期が早生よりも遅く晩生よりも早い品種[4]。英語表記ではmedium flowering または medium maturing もしくは medium ripening[4]
晩生
晩生とは、作物の収穫時期となるのが遅い品種[5]。英語表記ではlate flowering[9] または medium maturing[5] もしくは medium ripening[6]

特性

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一般的には生育期間が長いほど収量は高くなるため、晩生の品種ほど収量は高く早生の品種ほど収量は低くなる[1] [2][7][10][11]。しかし、高冷地の夏作物や収穫期が梅雨台風などの時期と重ならないよう災害を回避するために栽培される場合には早生の品種のほうが有利であり[1][2][7]、生育期間が長く大雨や低温といった気象条件の影響を受けると減収や収穫作業の困難を生じる場合がある[10]

早生の品種と晩生の品種を組み合わせることで収穫期を変えることができ、自然災害のリスクの分散などによって、作柄を安定させることが可能となる[1]

脚注

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  1. ^ a b c d e f 農業・生物系特定産業技術研究機構編『最新農業技術事典』農山漁村文化協会 p.874 2006年
  2. ^ a b c 日本作物学会編『作物学用語事典』農山漁村文化協会 p.196 2010年
  3. ^ a b c d e 『丸善食品総合辞典』丸善 p.1180 1998年
  4. ^ a b c d 『丸善食品総合辞典』丸善 p.780 1998年
  5. ^ a b c 『丸善食品総合辞典』丸善 p.160-161 1998年
  6. ^ a b 『丸善食品総合辞典』丸善 p.161 1998年
  7. ^ a b c d e 農業・生物系特定産業技術研究機構編『最新農業技術事典』農山漁村文化協会 p.1663 2006年
  8. ^ 農業・生物系特定産業技術研究機構編『最新農業技術事典』農山漁村文化協会 p.516 2006年
  9. ^ 『丸善食品総合辞典』丸善 p.160 1998年
  10. ^ a b 農業・生物系特定産業技術研究機構編『最新農業技術事典』農山漁村文化協会 p.199 2006年
  11. ^ 農業・生物系特定産業技術研究機構編『最新農業技術事典』農山漁村文化協会 p.517 2006年