スイムキャップ
スイムキャップ(英: Swim cap)は、水泳の際に用いる帽子。スイミングキャップ、水泳キャップ、水泳帽とも呼ばれる。
素材の種類は、トリコット(水着と同じ素材)、メッシュ、シリコン、シリコンコーティング、ラテックスなどがある。
概要
[編集]水泳時に水泳帽を必ず着用するよう義務付けている施設があるが、頭髪の抜け毛によるプールの循環装置(濾過装置)への悪影響予防策を、理由として挙げている場合がある[1](特に年間を通した営業で利用者数が多い屋内プール[2][3])。
学校の授業などでは目立つ色にしたり、目印を付けたりすることで指導者の見落としを防ぐなど、児童・生徒の安全確保の観点から水泳帽を着用させている面もある[4]。泳力や学年によって色分けする方法も[5]、あえて全生徒で同じ色に統一する方法もある[6]。日本で初めて学校用の水泳帽子を作ったのはフットマーク株式会社(1969年の小学生用の水泳帽)だという[7]。
ライフセーバーが着用する例もある。オーストラリアのライフセーバー団体「サーフ・ライフセービング・オーストラリア」(Surf Life Saving Australia)は、海水浴客かライフセーバーかを瞬時に見分けられるよう、赤と黄色のツートン水泳帽を1930年代に採用し、1980年代に着用を義務化した[8](以来、“黄地に赤”はライフセーバーのシンボルカラーとなった)。これはパトロールキャップとも呼ばれ、アゴひもが付いている場合もある[9]。
競技
[編集]水球キャップは耳を保護するイヤーガードが付いており、混同を避けるため両チームのキャップ色を変えている[10]。
かつてトライアスロンの水泳で救助を求める合図は「水泳帽を取って頭上で振る」ように決められていた時期があった。しかし、ゴーグルが一緒に外れ、むしろ危険となる場合が想定されたため、現在では「(競技を停止し)片手を頭上で振り、声を出して救助を求める」となっている[11]。
競泳では、日本水泳連盟の競技規則(2010-4-1)によると「ゴーグルおよびスイミングキャップは着用してもよい」(SW10.7)と、着用は任意になっている[12]。マスターズ水泳においては「水着、キャップ、ゴーグルは見苦しくないものでなければならない。また、人に不快感を与えるようなものをつけてはならない」(第14条 水着等)と、同じく任意ながら見た目の規定がある[13]。構造的に水の抵抗を抑えてスピードの向上を目指す水泳帽も、開発されてきている[14][15]。
脚注
[編集]- ^ 第13章 体育・スポーツの安全確保 p.176 - 長岡技術科学大学:教育
- ^ よくある質問 - 松山中央公園
- ^ お願い - 浦安市屋内水泳プール
- ^ 小学校の水泳指導における安全管理指針 -夏季休業期間中の取組を中心に- - 京都市教育委員会 平成25年3月
- ^ 平成17年度 水泳学習のきまり 安全に楽しくプールで勉強するために・・・ - 瀬戸市立東山小学校
- ^ 水泳帽の色に関してのお願い - 渋谷区立西原小学校 平成26年7月18日
- ^ 学校のロングセラー「水泳帽」 - TBS 『がっちりマンデー!!』 2010.9.12 ONAIR ロングセラーのヒミツ大解剖!「学校編」
- ^ 「ダサイ」との声あった水泳帽、今後も着用 豪州ライフセーバー - AFPBB News 2011年6月22日
- ^ 「水辺の安全教室」開催内容とその目的について - NPO法人 出張寺子屋マリンスクール
- ^ 水球キャップ(すいきゅうキャップ)とは - コトバンク スポーツ用語がわかる辞典
- ^ JTU第2種公認審判員認定試験問題 解答例 - 公益社団法人 日本トライアスロン連合
- ^ 競技規則 2010-4-1 - 財団法人 日本水泳連盟
- ^ マスターズ水泳 競泳競技規則 2014 - 一般社団法人 日本マスターズ水泳協会
- ^ カッターシリーズ|こだわりの逸品 - MIZUNO
- ^ Fastskin3 - Speedo