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深見けん二

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
深見けんニから転送)

深見 けん二(ふかみ けんじ、1922年3月5日 - 2021年9月15日[1])は、福島県出身の俳人。本名は謙二。

来歴

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高玉鉱山(現・郡山市)に生まれる。父の転勤で東京に移り、府立第五中学校を経て東京帝国大学工学部冶金科を卒業。卒業後は東大冶金科研究室勤務を経て日本鉱業入社。日興エンジニアリング勤務。

高校時代の1941年より高浜虚子に師事、20歳の頃に深川正一郎の指導を受ける。大学卒業後「ホトトギス新人会」を結成。1952年より山口青邨にも師事し、1953年に青邨の「夏草」同人。1959年に「ホトトギス」同人。1989年、「珊」創刊同人。1991年、「Fの会」を土台として「花鳥来」を創刊、主宰。

1992年、句集『花鳥来』で第31回俳人協会賞を受賞[2][3][4]

2006年、句集『日月』で第21回詩歌文学館賞俳句部門を受賞[2][4]

2014年、句集『菫濃く』で第48回蛇笏賞[2][3]および第13回山本健吉賞を受賞[4]

代表的な句に「薄氷の吹かれて端の重なれる」など。19歳より虚子に直接学んだ花鳥諷詠客観写生の実践と普及に努めた。俳人協会名誉会員、日本文藝家協会会員、楊名時太極拳師範。

2021年9月15日誤嚥性肺炎のため死去[2][3]。99歳没。

著書

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句集

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  • 『父子唱和』 近藤書店、1956年
  • 『雪の花』 玉藻社、1977年
  • 『星辰』 東京美術、1982年
  • 『花鳥来』 角川書店、1991年
  • 『余光』
  • 『日月』 ふらんす堂、2005年
  • 『蝶に会ふ』 ふらんす堂、2009年
  • 『菫濃く』 ふらんす堂、2013年
  • 『水影』 ふらんす堂、2006年
  • 『深見けん二俳句集成』 ふらんす堂、2016年
  • 『夕茜』 ふらんす堂、2018年
  • 『もみの木』 ふらんす堂、2021年

俳書

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  • 『虚子の天地』 蝸牛社、1996年
  • 『虚子『五百句』入門』 蝸牛新社、2003年
  • 『四季を詠む』 日本放送協会出版、2003年
  • 『吟行入門 私の武蔵野探勝』 小島ゆかりとの共著、日本放送協会出版、2003年
  • 『折にふれて』 ふらんす堂、2007年
  • 『選は創作なり―高浜虚子を読み解く』 NHK出版、2011年

脚注

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  1. ^ ふらんす堂によるTwitterへの投稿(2021年9月17日)
  2. ^ a b c d “俳人の深見けん二氏死去”. 時事通信社. (2021年9月17日). https://web.archive.org/web/20210917163255/https://www.jiji.com/jc/article?k=2021091700913 2021年9月18日閲覧。 
  3. ^ a b c “深見けん二氏が死去 俳人”. 日本経済新聞. 共同通信社. (2021年9月17日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE17ADN0X10C21A9000000/ 2021年9月18日閲覧。 
  4. ^ a b c 深見けん二」『デジタル版 日本人名大辞典+Plus』https://kotobank.jp/word/%E6%B7%B1%E8%A6%8B%E3%81%91%E3%82%93%E4%BA%8Cコトバンクより2021年9月18日閲覧 

参考文献

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  • 稲畑汀子編 『ホトトギスの俳人101』 新書館、2010年、72-73頁
  • 稲畑汀子、大岡信鷹羽狩行監修 『現代俳句大事典』 三省堂、2005年、484-485頁

外部リンク

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