渡部家「史料館」
渡部家史料館(わたなべけしりょうかん)は、秋田県鹿角市にある古民家を活用した展示施設。内部を修復し、代々伝わる骨董品類などを含めて公開している。
5月から11月の間、午前10時から午後4時まで公開している。入館料は無料。ただし、一週間前までに予約が必要である。
建築学上も貴重な建物として、その筋の関係者[誰?]の注目を集めている。特に宣伝はしていないものの、今では珍しい囲炉裏(方言で「ひびど」とも)を囲んでの撮影会などが開催され、その存在が知られるようになってきた。
概要
[編集]「渡部家住宅」として主屋・土蔵・門の3件が国の登録有形文化財に登録されている。
- 登録年月日:平成18年3月27日
- 所在地:秋田県鹿角市八幡平字石鳥谷63
- 所有者:個人所有
主屋
[編集]- 構造・形式等:木造2階建、茅葺(鉄板仮葺)、寄棟造、建築面積378平方メートル
- 年代:明治24年(1891年)〔所蔵資料〕
- 登録基準:二(造形の規範となっているもの)
渡部家は、花輪代官所の役人を勤めた在郷武士の家系をひく旧家である。
中世城館である石鳥谷館跡に位置する渡部家住宅は、その規模の大きさと上質な用材や造作に特色があり、特に、来賓用の小座敷や、坪庭を挟んで対をなす二四畳半敷きの大座敷には、槐(エンジュ)や桐がふんだんに用いられている。また、当家の記録から上棟年と大工棟梁浅利重吉が判明している。
土蔵
[編集]- 構造・形式等:土蔵造2階建、鉄板葺、切妻造、建築面積124平方メートル
- 年代:明治35年(1902年)〔所蔵資料〕
- 登録基準:一(国土の歴史景観に寄与しているもの)
主屋の北東に位置する、桁行8間(約15.3メートル)、梁間4間(約7.7メートル)の中規模の米蔵で、斗代蔵(とだいぐら)とよばれている。主屋と同じ大工棟梁によって建設されたことがわかっており、外壁などは鉄板で覆われているが、内部はほぼ建築当初のままである。
門
[編集]- 構造・形式等:木造、鉄板葺、間口四・七メートル
- 年代:江戸末期
- 登録基準:一(国土の歴史景観に寄与しているもの)
主屋の南側正面に建つ木造薬医門(やくいもん)で、鉄板葺(当初は柾葺)の切妻屋根を架けている。手前に板壁を配し、扉を設けない開放的な門で、アプローチの石段とともに屋敷地の表構えをつくる構成要素になっている。
※薬医門とは、本柱2本・控柱2本の4本の柱上に切妻屋根を架けた門のこと。棟(屋根の中心)は本柱・控柱の中間より前寄りに位置する。
外部リンク
[編集]座標: 北緯40度8分59.1秒 東経140度46分40.8秒 / 北緯40.149750度 東経140.778000度