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炭素質コンドライト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
炭素質球粒隕石から転送)
炭素質コンドライトのサンプル、左から、アエンデ隕石、タギシュ・レイク隕石、マーチソン隕石

炭素質コンドライト(たんそしつコンドライト、Carbonaceous Chondrite)、またはC-型コンドライト、もしくは炭素質球粒隕石コンドリュールを含む石質隕石のうち、いろいろな化合物有機物の形で炭素原子を含むものをいう[1]。発見された隕石全体に占める炭素質コンドライトの割合は少なく、数十例である。

このタイプの隕石は、気化しやすい成分を多量に含んでいる。星間物質がいったん惑星などに集結すると重力エネルギーの開放によって高温となり、これらの成分は蒸発してしまう[2]が、この隕石は固結してから200℃を超えたことはない。すなわち、原始惑星など大型天体の一部として取り込まれる過程を経ていない太陽系創生当時の原始の星間物質における、元素組成の情報を含んでいると考えられている。炭素質コンドライトのなかには、アミノ酸脂肪酸などの有機物もしばしば見出される[3]。原始地球に水をもたらした物質(隕石)と考えられている[4]

炭素質コンドライトはさらにCI、CM、CH、CR、CKなどに分類される。Cのつぎの文字はそのグループを代表する隕石の名前から取られている(例としてはCIのIはイブナ隕石にちなむ)。炭素質コンドライトのうち、有名なものにはオルゲイユ隕石イブナ隕石マーチソン隕石タギシュ・レイク隕石アエンデ隕石カルーンダ隕石NWA 801などがある。

出典

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参考文献

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  • 薮田ひかる「始原天体有機物研究の今とこれから:アミノ酸」(PDF)『遊・星・人= Planetary people : 日本惑星科学会誌』第19巻第1号、日本惑星科学会、2010年3月、28-35頁、CRID 1520853832922799232ISSN 0918273X 
  • 古川善博, 三枝大輔, 可野邦行, 宇留野晃, 齋藤律水, 伊藤元雄, 松本恵, 青木淳賢, 山本雅之, 中村智樹「炭素質コンドライトの高分解能イメージング質量分析: CHN化合物の分布が示す初期太陽系での有機物生成」『日本地球化学会年会要旨集』2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集、2022年、190頁、doi:10.14862/geochemproc.69.0_190 
  • 武田弘, 小川かほる, 瀧和夫「水環境教育における惑星物質進化とオルゲィユ隕石の役割」『日本地球化学会年会要旨集』2005年度日本地球化学会第52回年会講演要旨集、2005年、69頁、doi:10.14862/geochemproc.52.0.69.0 

関連文献

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