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無線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
無線室から転送)

無線(むせん、wireless)とは、線を使わない方法・方式のこと。

接頭辞などとして被修飾語に附加され、複合語を構成する。そのうち特に「無線電気通信」(あるいは「無線通信」)は頻繁に短縮され単に「無線」と呼ばれるので、結果として「無線」は無線電気通信やトランシーバーを指していることが多い。

概要

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無線と有線の両方式が併用されているからこそ区別するのであって、線のいらない方法しかない場合にわざわざ「無線」と修飾することは稀である。たとえば、電気通信以外の方法で音声を(電気信号へ変換せずにそのままで)伝送するとき、すなわち具体的には対面会話大砲の音・のろし灯台などのことであるが、これらの手段により離れた相手へ情報を伝えるときには、伝送線は使わない。しかしながら、対比すべき有線の方法がごく限られたもの(伝声管糸電話‐これは音声そのままではなく振動へ変換して伝達するのだが‐など)しかなく、区別する必要が生じないので、「無線」(あるいは「無線通信」「無線音声伝達」など)と呼ぶことは通常ない。

かつては、電気信号の無線通信を実用化した手段は電波(radio)だけだったので、国語辞典に「無線とは、電波を利用した通信のこと」のように書かれた時期もある。しかし近年光ファイバーの普及により有線の光通信が実用化されるにともない、対立する「光無線通信」という表現もしばしば用いられるようになった。

英語のwirelessについても事情は同じで、「ワイヤが無い」という意味であるが、単にwirelessとのみいう場合はワイヤレス通信(Wireless Communication)の略であることが多い。主としてたとえばワイヤレスの通信機による通信などがイメージされている。ワイヤレスマイクロフォンは音声を電気信号に変換してから、電波や赤外線などによる通信をしている。

なお、ワイヤが無いことを意味する表現でも、女性下着のブラジャー針金の場合には「ノンワイヤー」と呼ぶ。

「無線」が指すこと

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  • 無線通信(あるいは無線電気通信)。線を使わず電波赤外線も含む)を使う通信のこと。この意味での類義語に「 radio レイディオ、ラジオ」がある(radio は特に電波式の無線通信を意味し、電波受信機は英語で radio receiver または radio receiving set と言う)
    • アマチュア無線船舶無線航空無線列車無線、バスの車両無線無線LANWi-Fi)等々。
      • 「○○無線」と呼ばれる通信手段や設備を「無線」と称する場合がある(この場合、携帯電話は含まない。)。
    • 無線タクシー(無線機を用いて組織的に配車・運用されているタクシー)の略称。
    • 転じて、電器店の店名・会社名の一部(サトームセンなど)。1950年代の日本では、ラジオ(電波受信機)は電器店の主要な取扱商品であった。古くからの電器店の名称に「無線」や「ラジオ」/「ラヂオ」が使われるのは、上述の事情に由来する。
  • 伝送の対象が通信信号以外のものでは、「ワイヤレス電力伝送」の事例がある。
  • ワイヤー針を発射するタイプのスタンガン - 発射体に電源を内蔵して、電力供給用ワイヤーを無くしたものがある。
  • 製本の形式の一つである無線綴じのこと。
  • その他、伝送目的以外の例

関連項目

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