さんべ温泉スキー場
さんべ温泉スキー場は、島根県大田市三瓶町東ノ原にあったスキー場[1]。1961年-2009年の期間に営業した[1]。スキー場が閉鎖した後は、1基のリフトが「三瓶観光リフト」として登山客などに利用されている。2018年には残存する建物を利用して石見ワイナリーがオープンしている。
概要
[編集]女三瓶山と、鱗屑する大平山の東側斜面の「東の原」の南側にリフトを設置して、冬季にスキー場として利用できるようにしたもので面積は50haある[1]。「東の原スキー場」とも呼ばれた[1]。1961年に大田市によって設置され開業[1]。大田市保養施設管理公社が運営した[1]。1976年には3基のペアリフトが設置されていた。土曜日には22:00までナイター営業も実施された。1980年代には1シーズンに10万人が利用したが、積雪量の減少や競合施設の増加によって利用客が減少したために2009年で閉鎖された[1]。2009年は年間7000人が利用したのみであった[1]。1999年までは冬季にゲレンデで花火大会が開催されていた[1]。閉鎖後は3基あったリフトは、1基が撤去され1基は荒廃した状態で残されているが、残る1基は、三瓶観光リフトとして利用されている。
三瓶観光リフト
[編集]2015年現在、ペアリフトは1基のみが稼働状態として残され、冬季以外のシーズンに「三瓶観光リフト」として、登山やトレッキングに利用されていた[2]。このリフトは1977年に設置されたもので[2]、標高差255m、全長856mを片道11分で結ぶ。ゲレンデ内を徒歩で登ることは禁止されており、リフトを使用せずに三瓶山に登る場合は、リフト乗り場近くより南側に伸びる登山道を使用する。リフトを使わない場合はリフト降場まで片道35分(上り)かかり、女三瓶山山頂までは合計徒歩60分となる。リフトは降りる場合にも利用できる。スキー場閉鎖後も年間2万人の利用があり、新型コロナウイルスが問題となった2020年には人混みを避けることが出来る観光施設として人気が集まり2万5000人以上が利用した[2]。管理は市が指定した管理管理者(2020年時点で大田市の「さんべ観光」)が行っていたが、保守点検管理者の退職に伴い2021年7月末をもって運行を休止[2]。大田市では観光リフトを重要な観光資源と考え、異なる事業者と契約するなど運行再開についての検討を行った[2]。
2021年11月13日、飯南町の飯南トータルサポートが新たな運営管理者となり三瓶観光リフトは再開された[3]。
石見ワイナリー
[編集]2018年4月15日、現地に残されていたスキー場のレストラン棟を再利用して、石見ワイナリー・醸造所がオープンした。事業者は、石見ワイナリーホテル美郷やカヌーの里おおち、ゴールデンユートピアおおちなどの指定管理業務も担う。醸造所は先立って前年の2017年9月に完成していた。日本唯一の国立公園内醸造所とされる。周辺の4.2haのぶどう畑でメルローやシャルドネ、山ブドウなどの5種類約1万本のブドウを栽培する。隣接して森のレストラン「石見の杜 星空のレストラン」というオープンエアスタイルのレストランも展開した。敷地内に20基のガゼボ(あずまや)を備え、イベントなどにも活用されたが、こちらは短期間で休業となった。
関連項目
[編集]リンク
[編集]- さんべ温泉スキー場 - 北三瓶会
- 2010年のさんべ温泉スキー場の様子(動画)
出典
[編集]座標: 北緯35度7分41.9秒 東経132度38分26.4秒 / 北緯35.128306度 東経132.640667度