コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

フライ・ライク・アン・イーグル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「フライ・ライク・アン・イーグル」
アメリカの蓄音機ディスク
スティーヴ・ミラー・バンドシングル
初出アルバム『鷲の爪
B面 マーキュリー・ブルース
リリース
規格 7インチ・シングル
ジャンル ロックスペース・ロック
時間
レーベル キャピトル・レコード
作詞・作曲 スティーヴ・ミラー
プロデュース スティーヴ・ミラー
ゴールドディスク
ゴールド(RIAA
チャート最高順位
  • 2位(アメリカ[1]
  • 21位(オランダ[2]
スティーヴ・ミラー・バンド シングル 年表
ロックン・ミー
(1976年)
フライ・ライク・アン・イーグル
(1976年)
ジェット・エアライナー
(1977年)
テンプレートを表示

フライ・ライク・アン・イーグル」(Fly Like an Eagle)は、アメリカ合衆国ロックバンドスティーヴ・ミラー・バンド1976年のアルバム『鷲の爪』で発表した楽曲。バンドの中心人物スティーヴ・ミラーが単独で作詞・作曲した。

多数のアーティストにカヴァーされており、ネヴィル・ブラザーズのヴァージョンとレス・ポールのヴァージョンにはスティーヴ・ミラー本人もゲスト参加している。また、ヒップホップにおけるサンプリング例の多い曲としても知られる[3]

録音

[編集]

この曲は1973年の段階でデモ録音が行われており、当時のヴァージョンは2006年に発売された『鷲の爪』30周年記念デラックス・エディション盤にボーナス・トラックとして収録された[4]

レコーディングでは複数のテイクが録音されたが、最終的にはファースト・テイクが採用され、ミラーはそのことに関して後年「2回目、あるいは20回目なら完璧にできるかもしれないけど、ファースト・テイクには、初めて演奏した時にしか起こらないエナジーと新鮮さがあるのさ」とコメントしている[5]リードギターのフレーズの一部は、スティーヴ・ミラー・バンドが1969年に発表した曲「暗黒の時間」からの流用である[6]

反響・影響

[編集]

1976年末にシングル・カットされると、1977年には全米2位を記録し、バンドにとって2作目にして最後の全米トップ10ヒット・シングルとなった[1]。1977年4月にはRIAAよりゴールドディスクの認定を受けている[7]

2010年には、音楽ゲーム『ロックバンド3』で使用された[8]

2012年、アメリカの生物雑誌『Birds & Blooms』の企画において、2,200人以上の読者投票の結果、本作が「鳥に関するトップ・ソング」の1位となった[9][10]

カヴァー

[編集]
「フライ・ライク・アン・イーグル」
ネヴィル・ブラザーズシングル
初出アルバム『ファミリー・グルーヴ
リリース
録音 ルイジアナ州ニューオーリンズ ザ・ニューオーリンズ・レコーディング・カンパニー[11]
ジャンル R&B
レーベル A&Mレコード
プロデュース ネヴィル・ブラザーズ、ホーク・ウォリンスキー、デヴィッド・レーナード
チャート最高順位
  • 8位(ニュージーランド[12]
  • 44位(オーストラリア[13]
  • 66位(オランダ[14]
ネヴィル・ブラザーズ シングル 年表
ドリフト・アウェイ
(1991年)
フライ・ライク・アン・イーグル
(1992年)
ワン・モア・デイ
(1992年)
テンプレートを表示
「フライ・ライク・アン・イーグル」
シールシングル
初出アルバム『スペース・ジャム オリジナル・サウンドトラック』
リリース
ジャンル R&B
レーベル アメリカ合衆国の旗アトランティック・レコード/ワーナー・サンセット・レコード
イギリスの旗ZTTレコーズ
プロデュース シール、ラシャド・スミス
チャート最高順位
  • 10位(アメリカ[16]
  • 13位(イギリス[17]
  • 29位(ニュージーランド[18]
  • 38位(スイス[19]
シール シングル 年表
ドント・クライ
(1996年)
フライ・ライク・アン・イーグル
(1996年)
ヒューマン・ビーイングス
(1998年)
テンプレートを表示

ネヴィル・ブラザーズによるカヴァー

[編集]

アメリカ合衆国のR&Bグループ、ネヴィル・ブラザーズのアルバム『ファミリー・グルーヴ』(1992年)には、スティーヴ・ミラー本人をゲストに迎えたカヴァーが収録された[11]。アルバム・ヴァージョンの他に、ケニー・ドープ・ゴンザレス英語版リトル・ルイ・ヴェガ英語版によるリミックス・ヴァージョンも存在する[20]

母国アメリカではシングル・チャート入りしていないが[21]、ニュージーランドのシングル・チャートでは合計11週トップ50入りして、最高8位を記録する大ヒットとなった[12]。また、オーストラリアでは1992年7月12日付のシングル・チャートで44位を記録[13]

シールによるカヴァー

[編集]

イギリスのR&B歌手シールは、1996年公開のアメリカ映画『スペース・ジャム』のサウンドトラックに「フライ・ライク・アン・イーグル」のカヴァーを提供した。同年には、サウンドトラック・アルバムの原盤権を持つワーナー・サンセット・レコードからアメリカ盤シングルが発売され、全米10位、『ビルボード』のR&B/ヒップホップ・シングル・チャートで44位を記録する[16]。母国イギリスでは、1997年3月29日付の全英シングルチャートで初登場13位となった[22]

シールのヴァージョンは、第40回グラミー賞において最優秀男性ポップ・ボーカル・パフォーマンス賞にノミネートされた[23]。Matt Diehlは『エンターテインメント・ウィークリー』において、シールのヴァージョンを「ファンキーなスキャットとヒップホップのリズムの突進を別とすれば、この艶っぽいソウル歌手は、スティーヴ・ミラーの1970年代ロックの名曲に、大して新しい要素を加味したわけではない。とはいえシールは巧みに、このカヴァー曲に良い味を与えている」と評している[24]

その他のカヴァー

[編集]

サンプリング

[編集]

脚注・出典

[編集]
  1. ^ a b Steve Miller - Chart History - The Hot 100”. Billboard. 2017年7月23日閲覧。
  2. ^ Steve Miller Band - Fly Like An Eagle - dutchcharts.nl
  3. ^ a b c d e McPadden, Mike (2015年8月26日). “The 11 Most Sampled Classic Rock Songs in Hip-Hop”. VH1. Viacom International. 2015年12月2日閲覧。
  4. ^ Steve Miller Band - Fly Like An Eagle - 30th Anniversary at Discogs
  5. ^ Molenda, Michael (2015年10月5日). “Steve Miller Talks About the Making of 'Fly Like an Eagle'”. Guitarplayer.com. NewBay Media. 2015年12月2日閲覧。
  6. ^ Giles, Jeff (2013年4月5日). “Weekend Songs: Steve Miller Band, 'My Dark Hour'”. UltimateClassicRock.com. Diffuser Network. 2015年12月2日閲覧。
  7. ^ RIAA公式サイト内SEARCHABLE DATABASE - 引用符付きの"FLY LIKE AN EAGLE"と入力して検索すれば表示される
  8. ^ Reilly, Jim (2010年8月20日). “Rock Band 3 Set List Revealed”. IGN.com. Ziff Davis. 2015年12月2日閲覧。
  9. ^ Stacy (2012年6月12日). “Discover the Top Bird Songs”. Birds & Blooms. Trusted Media Brands. 2015年12月2日閲覧。
  10. ^ Giles, Jeff (2012年7月4日). “Steve Miller's 'Fly Like an Eagle' Voted Best Song By Bird Lovers”. UltimateClassicRock.com. Diffuser Network. 2015年12月2日閲覧。
  11. ^ a b The Neville Brothers - Family Groove (CD, Album) at Discogs
  12. ^ a b charts.org.nz - The Neville Brothers - Fly Like An Eagle
  13. ^ a b australian-charts.com - The Neville Brothers - Fly Like An Eagle
  14. ^ The Neville Brothers - Fly Like An Eagle - dutchcharts.nl
  15. ^ Seal - Fly Like an Eagle - Amazon.com Music
  16. ^ a b Seal - Awards”. AllMusic. 2016年3月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月23日閲覧。
  17. ^ SEAL | full Official Chart History | Official Charts Company
  18. ^ charts.org.nz - Seal - Fly Like An Eagle
  19. ^ Seal - Fly Like An Eagle - hitparade.ch
  20. ^ The Neville Brothers - Fly Like An Eagle (Vinyl) at Discogs
  21. ^ Neville Brothers - Awards”. AllMusic. 2016年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月23日閲覧。
  22. ^ Official Single Chart Top 100 - 23 March 1997 - 29 March 1997 | Official Charts Company
  23. ^ Carlozo, Lou (1998年1月7日). “Chicago Artists Are Well-represented In Grammy Nominations”. Chicago Tribune. 2015年12月2日閲覧。
  24. ^ Diehl, Matt (1997年1月10日). “Fly Like an Eagle”. Entertainment Weekly. 2015年12月2日閲覧。
  25. ^ 阿川泰子/ECHOES - 紀伊國屋書店ウェブストア
  26. ^ Return of the Candyman - Charlie Hunter | AllMusic
  27. ^ American Made World Played - Les Paul | AllMusic
  28. ^ A Spoonful of Time - Nektar | AllMusic