チャレンジャー教授
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ジョージ・エドワード・チャレンジャー、通称チャレンジャー教授とは、アーサー・コナン・ドイルによるSF小説シリーズに登場する架空の人物。同じくドイルによるシャーロック・ホームズがくつろいだ思索的な人物であるのに対して、チャレンジャー教授は攻撃的・威圧的な人物である。
描写
チャレンジャー教授が初登場する小説『失われた世界』の中で、語り部のエドワード・マローンはチャレンジャー教授との初対面をこう書いている。
- 彼を前にして、私は息が詰まった。奇妙なものに対する覚悟はしていたが、こんなにも圧倒的な人間に対しての覚悟はなかった。まず息を詰まらせるのは、彼の大きさだ――彼の大きさと威圧的な存在感。彼の頭は巨大だった。いままで見てきた人間の頭の中で一番大きい。彼の山高帽は、実際に被ったこともあるのだが、頭をすり抜けて肩の上に落ち着くに違いなかった。彼の顔と髭を見て、私はアッシリアの雄牛像を連想した。前者は赤々としていて、後者は青みがかって見えるほど黒々としていて、波打って胸にかかっていた。髪の束が巨大な後頭部をぐるりと回って前面になでつける独特の髪型をしている。黒くすさまじい髭飾りの下には、明晰で批判的で横柄な、青色がかった灰色の目があった。大きく広がった肩と樽のような胸板のほかに、長く黒い体毛に覆われた巨大な二本の手がテーブルの上に現れた。これに加え、どなり、うなり、轟く声が、悪名高きチャレンジャー教授についての第一印象を作り上げたのだった。
チャレンジャー教授はまた、うぬぼれ屋で独善的、何でも屋の科学者であった。マローンの編集者であるミスター・マクアドルは、「科学への造詣がある、ただの殺人的傾向のある誇大妄想患者」と評した。だが、途中過程でまず間違いなく他人を傷つけ侮辱するものの、いかなる問題も解決し、いかなるまずい状況からも脱出するチャレンジャー教授の機知は評価に値する。チャレンジャー教授はあらゆる面で、無礼で粗暴で、社会的な良心や自制心を持たない。だが彼は素晴らしい誠実さを持つ人物であり、愛するフランス人の妻は彼の全ての理解者である。
『失われた世界』によれば、チャレンジャー教授は1863年、スコットランド、ノース・エアシャイアのラーグス(en:Largs)という村で生まれ、エディンバラ大学に進んで医学・動物学・人類学を学んだとしている。
シャーロック・ホームズと同様、チャレンジャー教授のキャラクターも実在の人物に基づいている。ウィリアム・ラザフォードという生理学の教授で、コナン・ドイルが医学を学んでいた際、エディンバラ大学で講義をしていた人物である。
書誌
- 1912 『失われた世界』(en:The Lost World) 恐竜などの先史時代の生物が生き残る南アメリカの大地への探検に旅立つ。
- 1913 『毒ガス帯』(en:The Posion Belt) 地球が毒性エーテルの雲を通過する。
- 1926 『霧の国』(en:The Land of Mist) 超自然現象についての話。後にコナン・ドイルが交霊術へ傾倒することにも関連している。
- 1928 『地球の悲鳴』(en:When the World Screamed)チャレンジャー教授の世界エキドナ理論について。
- 1929 『分解機』(en:The Disintegration Machine)科学者セオドア・ネモアによる、潜在的に危険な発明について。
外部リンク
原文(英語)