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Wikipedia:表記ガイド

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このページはより日本語の性質に沿った、記事の書き方を提案するものです。コンピュータ上で作られる文書であることに配慮しながら、印刷物の慣行に近づける意図があります。しかし、これはあくまでもガイドラインで絶対にこうしなければならないというルールではありません。物事には例外がつきものですので、柔軟に対応すべきでしょう。

全角・半角

  • アルファベットや数字はいわゆる半角(JIS X 201)を用いる。
  • 漢字かななど和文はいわゆる全角(JIS X 208)を用いる。
  • いわゆる半角カナ(JIS X 201カナ)は使わない。
  • 空白はいわゆる半角を用いる。これは、ブラウザによっては全角の場合に適切に割り付けが行われないためである。

漢字・仮名

  • 仮名遣いは昭和61年7月内閣告示の「現代仮名遣い」を原則とする。
  • 送り仮名は昭和48年6月内閣告示・昭和56年10月一部改正の「送り仮名の付け方」を原則とする。
  • 文字についてはUnicodeで規定されているものをすべて使ってよい。ただし、記事名については、JIS X 201の7ビット、JIS第1・第2水準の漢字を用いる。これは、環境によってはそれ以外の文字が表示されない場合があるからである。
  • 記事名については数値参照・実体参照を用いない。これは現行のウィキペディア・プログラムで動作に問題があるからである。本文中やほかの言語のウィキペディアへのリンクにはつかってもよい。
  • 漢字と仮名の交ぜ書きは避け()で読み仮名をつける。例:でん粉 → 澱粉(でんぷん)またはデンプン
  • 読み仮名は常用漢字表に音訓があるものは不要である。
  • 専門用語の漢字・平仮名・片仮名のどれを使うかはその分野の慣習に従う。例:禾本科 → イネ科、弗素 → フッ素、射手座 → いて座
    • ただし、専門分野とは関係のない記事の場合は気にしなくて良い。その際のリンクには「|(パイプ)」を使う。例:餡(あん)は[[アズキ|小豆]]を原料としている。
  • 小さい「ヮ」、小さい「ヶ」は固有名詞以外では使わないようにする。例:1ヶ月 → 1か月
    • 地名では「ヶ」ではなく「ケ」が正式表記であることが多い。例:鎌ケ谷市
  • 様々な理由により、正式表記が揺れる場合がある。例:雑司が谷(地名)と雑司ヶ谷霊園と雑司ケ谷停留所と雑司谷中学校、七里ヶ浜(地名)と七里ケ浜駅と七里ガ浜(住所表示)、溝口(地名)と武蔵溝ノ口駅(JR)と溝の口駅(東急)
  • ヰ、ヱ、ヲ、ヂ、ヅについては原則として使わない。

仮名書きが原則のもの

  • 助詞
    • 例:これ位 → これぐらい、カエル・イモリ等 → カエル・イモリなど、京都迄 → 京都まで
  • 助動詞
    • 例:する様だ → するようだ
  • 感動詞
    • 例:有り難う → ありがとう
  • 接続詞
    • 例:又は → または、故に → ゆえに
  • 連体詞
    • 例:所謂 → いわゆる、彼の → かの
  • 代名詞
    • 例:貴方 → あなた、何処 → どこ
    • 漢字が慣用であるものは例外:私 君 彼 彼女
  • 形式名詞で本来の意味がほとんと失われているもの
    • 例:こうゆう風に →こういうふうに、病気の為に → 病気のために
  • 補助用言のうち、本来の意味がほとんど失われているもの
    • 例:使用して良い → 使用してよい、交差して居る → 交差している
  • 副詞のうち、本来の意味がほとんど失われているもの
    • 例:何故 → なぜ、流石 →さすが
  • 接頭語の「御」
    • 例:御菓子 → お菓子
    • 接頭語がつくことによって特別の意味を持つものは例外:御所 御用達 御者
  • 接尾語で本来の意味がほとんど失われているもの
    • 例:高目 → 高め、赤味がかった → 赤みがかった
    • 漢字一字の接尾語で音読みのものは例外:和風 感傷的
  • 当て字
    • 例:誤魔化す → ごまかす、蒲公英 →タンポポ、流行りの →はやりの、沢山 → たくさん
    • 記事名となりうるものは例外:山車(だし)

読み仮名

  • 常用漢字表以外の音訓については積極的に読み仮名をつける。
  • 常用漢字表の音訓は中学校卒業までに読めるようになっているはずなので読み仮名をつけなくてよい。
  • 固有名詞は読み仮名をつける。例:「山崎」は「やまさき」と読む場合も「やまざき」と読む場合もある。
  • 読み仮名は丸括弧()を用いる
  • そのページの中で初出単語に読み仮名をつけ、二回目以降は省略する。
  • その単語がリンクであり、記事となっている場合には読み仮名を省略してよい。例:「クジラは哺乳類である」の場合は哺乳類の記事に読み仮名があるので不要。
  • 読み仮名は単語単位にする。新聞などでは字数制限があるため読み仮名を最小限にするが、ウィキペディアでは字数制限を気にする必要はないため。例:花崗(こう)岩 → 花崗岩(かこうがん)、哺(ほ)乳類 →哺乳類(ほにゅうるい)

数字

  • 数字はアラビア数字を用いる。
    • 例:1月 100 円 3000ドル 50冊 1本 約10年 明治3年 3時30分 3.14 ナポレオン3世
    • 概数は例外:何百人 十数年 数十日
    • 固有名詞などで記事になりうるものは漢字:五色不動尊 内田百閒 御三家 三国同盟 百年戦争 正十二面体
    • 歴史用語の中にはどちらでもよいものがある。この場合はアラビア数字の方を原則とする:第2共和制と第二共和制 第1次世界大戦と第一次世界大戦 2・26事件と二・二六事件
    • そのほか熟語表現や慣用表現は漢字:柔道三段 三振 一所懸命
  • 大きな数字には3桁ごとにカンマ「,」を入れる。ただし、西暦などカンマを入れることによってかえって読みにくくなるものは除く。
    • 例:100,000,000

外来語

外来語の表記は内閣告示「外来語の表記」(平成3年2月)を原則とする。しかし、これは慣用表現を尊重していることに留意するべきである。

  • もともとの外来語が同じでも、仮名表記の違いで意味が異なるものについては使い分ける。
    • 例:ステッキとスティック トラックとトロッコ チョークとチャコ
  • 専門用語の場合はその分野での扱い方に準じる。

約物の扱い

句点「。」や読点「、」・中黒「・」などをまとめて約物(やくもの)という。約物は縦書き・横書き両方に対応するものを使うのを原則とする。

句読点

  • 句点は「。」、読点は「、」を使い「,」「.」を使わない。
  • 文の終わりには句点を打つ。
  • 括弧類と句点が重なるときは次のようにするのを原則とする。
    • 閉じ括弧の直前には句点を打たない。例:「こう主張した。」→「こう主張した」
    • 一文中に括弧が使われる場合には括弧の外に句点を打つ。地の文の区切りを明確にするため。例:外来語の表記では、次のようにする(アラビア語については識者の意見を求む)。
    • 括弧の外の文と括弧が独立している場合には括弧の外に句点を打たない。例:辞世の句を読んだ。「あいうえお かきくけこさし すせそたち つてのなにぬね のはひふへほま」
  • 文の最後が「?」「!」で終わる場合には文末に句点を打たない。
  • 箇条書きの最後にも句点を打つ。
  • 読点は一文中の句の区切りを明確にしたい場合や誤読のおそれがあるときに打つ。ウィキペディアは声に出して読むことが少ないものなので読点は乱用しない。つまり、息継ぎのために読点を打つことはしない。読点は多くなると逆に読みにくくなるので注意する。
  • 「。。。」や「、、、」とせずに3点リーダー「…」を用いる。

中黒

「・」を中黒または中点という。

  • 単語や語句の羅列の区切りには中黒を使う。例:過去・現在・未来
  • 外来語の単語の区切りには中黒を使う。例:ウィンストン・チャーチル
  • 外来語の羅列で中黒だと区別が難しい場合には、助詞や読点を使う。例:ウィンストン・チャーチルとフランクリン・ルーズベルト
  • 箇条書きにはウィキ文法の「*」を使い中黒は使わない。
  • 「・・・」とはせずに3点リーダー「…」を用いる。

疑問符・感嘆符

「?」を疑問符または耳だれ、「!」を感嘆符または雨だれという。

  • 疑問符・感嘆符について全角・半角のどちらを使うかは直前の文字に従う。例:あれ? Are?
  • 文末の疑問符・感嘆符については直後に空白をいれる。
  • 「!!」(二つ雨だれ)・「??」(二つ耳だれ)・「!?」「?!」(ダブルだれ)は記事には原則として使わない。作品名に使われている場合はその表記に従う。

コンマ・ピリオド

  • 欧文中の「,」「.」の直後には空白をいれる。

括弧類

括弧は次のものがある。‘クォーテーション’ “ダブルクォーテーション”「鉤括弧・かぎ」『二重鉤括弧・二重かぎ』(丸括弧・パーレン){中括弧・ブレース・波かっこ}[大括弧・ブラケット・角かっこ]〔亀甲〕〈山括弧・山がた・ギュメ〉《二重山括弧・二重山がた・二重ギュメ》【黒亀甲・墨付きパーレン】

  • 括弧類はいわゆる全角のものを原則として用いる。
  • 括弧内がアルファベット・数字のみの場合はいわゆる半角の () {} [] "" をつかってもよい。その際には括弧の外側に半角空白をいれる。
  • 書籍・雑誌名には『』を用いる。
  • 論文名には「」を用いる。
  • 「」の中で「」を入れ子にしたい場合には「『』」とする。
  • 丸括弧類については[(〈 〉)]の順で入れ子にする。
  • 数式では [ { ( ) } ] の順で入れ子にする。
  • 不等号 < > ≪ ≫ は括弧として用いない
  • ‘’“”は和文中では使わない。
  • 亀甲〔〕は引用文中に引用者がコメントを入れるときに用いる。

ダーシ

「―」をダーシまたはダッシュという。これは、ハイフンや長音符号などと間違えやすいので基本的に使わない。代わりに3点リーダー「…」を用いる。

ハイフン

アルファベットのハイフンはいわゆる半角マイナス「-」を用いる。いわゆる全角ハイフン(または2分ダーシ)「‐」は用いない。

  • 期間を表すときにはハイフンを用いる。例:1990年 - 1999年

長音符号

カタカナで音を長くのばす符号を長音符号(または音引)と呼ぶ。たとえば、「ゲーム」のゲとムの間に挟まれた記号「ー」のことである。これは、マイナス(-)、ダーシ・ダッシュ(―)、ハイフン(‐)と間違えやすいので注意する。

波ダッシュ

波ダッシュ・波ダーシ(「~」など)、チルダ「~」は用いない。代わりに半角マイナス「-」を用いる。

2点リーダー

2点リーダー「‥」は用いず、3点リーダー「…」を用いる。

丸は「○」を使い漢数字のゼロ「〇」や大きな丸「◯」を用いない。

罫線

罫線は使わない。代わりにウィキ文法の表やHTMLのtableタグを用いる。

略語・略称

  • 略語・略称については、そのページでの初出時に正式名称を表記する。例:IMF(国際通貨基金)
    • ただし、その略語がリンクである場合、リンク先に正式名称が表記されていれば省略して良い。

俗語・俗称・隠語

  • 俗語・俗称・隠語は原則として使わない。

差別語・差別表現

ここでは、差別表現でしか用いられなくなった言葉を差別語とする。差別語は百科事典の説明として、やむを得ない場合を除き使わない。ただし、差別表現は文脈によって生まれるものなので、安易に差別語であると認定するのは過剰反応であろう。また、差別表現と思われる場合には穏当な表現に書き換える。

年月日・時間

  • 年には「年」をつける。
  • 西暦を原則とする。和暦は併記してよい。例:2003年(平成15年)
  • 西暦は4桁表示とし、アポストロフィ・カンマなどはつけない。例: '03年 → 2003年
  • 年月日には「年」「月」「日」を用いる。例:2003/01/01 → 2003年1月1日
  • リンクをつける場合は月日にまとめる。例:[[2003年]][[1月1日]]
  • 年度については、2004年度のように表記する。ただし、日本の会計年度以外のものについては年度表示を避けた方がよい。
  • 時刻は24時間表記とする。例:午後3時 → 15時
  • 時間の表し方には「時」「分」「秒」を用いる。例:11:58:33.6 → 11時58分33秒6
  • 半期は「上半期」「下半期」を用いる。
  • 四半期は「第1四半期」「第2四半期」とする。

単位

  • 単位は片仮名を原則とする。例:m → メートル、(角度)30°→30度
    • 単位がその記事内でリンクとなっており、リンク先に説明がある場合にはアルファベット略号を使って良い。
  • できるだけSI単位系を用いる。尺貫法やヤードポンド法などを使う場合にはSI単位系での換算を併記する。
  • 温度は摂氏またはケルビンを用いる。
    • 摂氏30度を30℃としてよい。


人名

  • 人名に肩書・敬称・学位・位階・勲等はつけない。例:「サー・ウィンストン・チャーチル」→「ウィンストン・チャーチル」
    • 例外:皇族・王族などでつけることが慣習となっているもの。「後醍醐天皇」
  • 故人に「故」をつけない。

未分類

  • いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)の5W1Hを頭の片隅に入れる。すべてがそろわない記事があるだろうが記述不足の点を見つけ出すのに役に立つ。
  • 記事が利用者にとって価値があるように配慮する。
  • 文はなるべく短くする。読点(、)でだらだらと文章をつなげない。
  • 主述の関係を明確にする。主語や述語が曖昧にならないように注意する。また、あまり離さないようにする。
  • 修飾語は簡潔にする。できるだけ被修飾語のすぐそばにもってくる。
  • 連続して同じ助詞が並ばないようにする。例:北の緑の色の建物の奥の…のように「の」を並べない
  • 表記はページ内で統一する。ウィキペディア全体で統一する必要はない。

参考文献