湯の峰温泉
湯の峰温泉(ゆのみねおんせん)は、和歌山県田辺市(旧国紀伊国)にある温泉。旧本宮町に位置し、熊野本宮へも近い。
世界遺産紀伊山地の霊場と参詣道の登録地域でもある。
アクセス
- 鉄道:紀勢本線新宮駅より熊野交通バスで約60分。紀勢本線紀伊田辺駅より龍神バスで約90分。近鉄大和八木駅より奈良交通の新宮駅ゆき特急バスが近鉄高田市駅、近鉄御所駅、JR和歌山線五条駅を経て通る。(大和八木駅より約5時間20分。)
泉質
- 重曹硫化水素泉
- 源泉温度92℃。下記の「つぼ湯」に入る際は必ず湯温を確かめること(水を埋めて冷ますので、前にしばらく人が入っていないと大変熱くなっている。)
温泉街
湯の谷川の流れる狭い谷の両岸に約15軒の旅館が存在する、静かな温泉街である。
共同浴場は2箇所存在する。そのうちのひとつは、日本最古の共同浴場と言われる「つぼ湯」である。川岸の小屋の中に2から3人程度が入れる岩穴があり、そこに温泉が湧いている。1800年の歴史があるとされ小栗判官回復の伝説がある。1日に7回湯の色が変わると言われている。つぼ湯の少し下流に『湯の峰共同浴場』があり、つぼ湯もここが管理している。つぼ湯は世界遺産に登録されている。
共同浴場前の川岸に「湯筒」という源泉湧出口がある。湧出温度は100℃近くあり、ここで温泉玉子やゆで野菜を作る光景が見られる。近所の店で卵を売っているので、観光客も温泉たまご作りを楽しめる。
歴史
開湯は成務天皇の代に大阿刀尼によって発見されたと言われる。温泉名は、湯の花でできた薬師如来の胸から温泉が湧いていたことに由来し、「湯の胸」転じて「湯の峰」となった。
熊野詣と関連が深く、湯垢離場(ゆごりば)として栄えた。古くは熊野三山、または熊野本宮参拝後に身を清めたが、室町時代に入ると旅の疲れを癒す意味もあって参拝前に入浴したという。
熊野詣に出た天皇や貴族など、非常に多くの人物がこの地を訪れた。
また、小栗判官の蘇生話など、この温泉に纏わる話も多い。
一遍がこの地で修行したと言われている。
江戸時代に作成された温泉番付では、「本宮の湯」として勧進元に名を連ねた。
1957年(昭和32年)9月27日 - 厚生省告示第310号により、熊野本宮温泉郷の一部として川湯温泉、渡瀬温泉とともに国民保養温泉地に指定。共に国民保養温泉地に指定された川湯温泉、渡瀬温泉とは毎年10月に献湯祭を開き、熊野本宮大社に献湯している。