セーブ (コンピュータ)
セーブ (save) とは、コンピュータのプログラムにおいて、作業内容や各種データを記憶媒体に保存すること。
コンピュータプログラムにおいて、電源が切れるなどの不測事態対策、作業の中断・終了、別の機器で読み出したいなどの理由で行われる。
同義語は他にもいくつかあるが、多くのBASIC環境でSAVE
という命令(文ではない)であったことなどもあり、セーブという表現が人気である。
コンピュータゲーム
コンピュータゲームにおいては、プレイを中断する際、現在の進行状態を保存し、次回にプレイするときにその時点から再開できるように処理することをセーブという。主に子どもの間では、この保存されたデータそのものを「セーブ」と呼ぶこともある(「セーブが消えた」など)。
時代が進むと、自動的にセーブを行う「オートセーブ」のゲームソフトも増えた。
また、2010年代には複数のハードウェアでセーブデータを共有できる「クロスセーブ」機能も登場する。
セーブポイント
セーブポイント(save point)は、コンピュータゲームにおいて進行状況のセーブができる箇所に制限がある場合、セーブが可能な地点を指す。
アクションゲームやロールプレイングゲームなどにはプレイヤーの緊張感を高めるためやプログラム上の都合のため、セーブできる箇所を制限するものがある。こうしたゲームではセーブを行うための地点が設けられ、この地点をセーブポイントと呼ぶ。セーブ可能地点に制限のあるゲームでも、ワールドマップでは自由にセーブできるものがあるが、この場合はワールドマップをセーブポイントと呼ばない。
なおセーブポイントはアクションゲームやロールプレイングゲームなど操作キャラクターがフィールド画面を自由に移動できるゲーム、またはステージ制のゲームにおいて使用される概念であり、パズルゲームや音楽ゲーム、ボードゲームなどのようにフィールド画面が存在しないゲームやスポーツゲーム・レースゲームのように限られた狭いエリア内でしか移動できないゲームには基本的にこの概念はない(この場合メニュー画面でセーブを行うか、または自動的にセーブされる)。
またアクションゲームやロールプレイングゲームでも、メニュー画面からいつでもセーブ可能な場合や自動的にセーブを行うものはセーブポイントの概念はない。
セーブポイントは作品により設置されている場所は異なり、ダンジョン内、ステージ選択画面、町の入口、教会、宿屋などに設置されている。形態もさまざまで、光などで示されたエリアに立つことによりセーブが可能になるもの、何らかの物体に触れてセーブ画面を呼び出すもの、特定の人物(教会の神父や宿屋の店主など)に話しかけてセーブを行ってもらうものなどの種類がある。
バンジーのゲームデザイナー、ジェイソン・ジョーンズは自身のゲームにセーブポイントを設けた理由について、次のような点を挙げた[1][2]。
- どこでもセーブできると、挽回できない場面でセーブしてしまう場合がある。
- どこでもセーブできると、場当たり的にセーブしがちである。前項のほか貴重アイテムの消費などセーブ前にしてはいけないことについてプレイヤーに考えさせる。
- セーブポイントの設置によって、別のレベルの難易度調整を加えられる。
- 再開時にセーブポイントまで大きく戻ることで、ゲームオーバーに避けるべき動機づけをする。
出典
- ^ Hamish Sinclair 'Undocumented Features' bungie.org, 2012年2月29日
- ^ Jason Jones 'Re: PiD gripes' 1993年9月3日