exFAT
exFAT | |
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開発者 | マイクロソフト |
正式名 | Extended File Allocation Table |
導入 | 2006年11月 (Windows Embedded CE 6.0) |
パーティション識別子 |
0x07 (MBR) EBD0A0A2-B9E5-4433-87C0-68B6B72699C7 (GPT) |
構造 | |
ディレクトリ | テーブル |
領域管理 | ビットマップ、リンクリスト |
不良ブロック | クラスタタグ |
限度 | |
最大ファイル サイズ | 16EiB |
特徴 | |
タイムスタンプ | 作成、修正、アクセス |
日付範囲 | 1980年1月1日 - 2107年12月31日(地方時) |
日付分解能 | 10ミリ秒(作成、修正)、2秒(アクセス) |
属性 | 読み取りのみ、隠し、システム、サブディレクトリ、アーカイブ |
パーミッション | ACL (オプション) |
重複排除 | 無し |
対応OS |
(組み込み向け) Windows Server 2003 SP2[2] Windows Server 2008(但しHyper-V Serverでは非対応) 以降のWindows Server Mac OS X Server v10.6.5以降 |
exFAT(イーエックスファット、Extended FAT)は、マイクロソフトが主にフラッシュドライブ向けに開発したプロプライエタリなファイルシステムであり、File Allocation Table (FAT) の後継規格である。
概要
Windows Embedded CE 6.0で初めて導入され、デスクトップ向けにはWindows Vista SP1 で初めて導入された[3]。Windows XP と Windows Server 2003 は更新プログラムをインストールする必要がある[1][2]。exFATは、NTFSがデータ構造のオーバーヘッドにより適切ではない用途に使用することができる。次世代のメモリーカード規格である「SDXCメモリーカード」や「メモリースティックXC」のファイルシステムに採用されている。
Windows以外での利用
Macにおいては、2010年にアップルにより、SDXCカードスロットの付いたMac miniとiMacがリリースされ付属する専用Mac OS X v10.6.4が対応した後、Mac OS X v10.6.5以降で対応している[4]。
Linuxにおいては、有志がLinux Kernel Mailing Listにおいてパッチの開発を行っていた[5]が、現在ではTuxeraがマイクロソフトと知的所有権の合意のもと、Linuxシステム向けのドライバを開発している。また、exfatプロジェクトによってFUSEを利用した実装による読み書き可能なexFATドライバが公開されている[6]。
FATとの比較
従来のFile Allocation Table (FAT) ファイルシステムに対する優位点としては以下のものがある。
- 大きなディスクサイズに対するスケーラビリティ。
- 理論上の最大ファイルサイズは264バイト (16EiB)。従来は最大 232バイト (4GiB)。
- 理論上の最大クラスタサイズは2255セクタ。実装上の限界は32MiB。
- 空き領域ビットマップの導入による、空き領域割り当てと削除のパフォーマンス向上。
- 1つのディレクトリで1000以上のファイル格納をサポート。
- アクセス制御リストのサポート(Windows Vista SP1/7 RTMでは未サポート)[7]。
- Transaction-Safe FAT File System (TFAT) のサポート(WinCEでのオプション機能)。
- 特定のデバイスの特性に合わせてファイルシステムをカスタマイズできるようにするためのOEM定義のパラメータを用意。
- UTCタイムスタンプが導入(Windows Vista SP2から[8])
- 修正時刻のタイムスタンプの分解能が従来の2秒から10ミリ秒になったことによる、いわゆる2秒問題(NTFSなどからファイルをコピーした際に修正時刻が最大2秒ずれる問題)の解決。
従来のFATファイルシステムに対する欠点としては以下のものがある。
- exFATを使うデバイスは、Windows VistaのReadyBoostを利用できない[9]。なお、Windows 7以降では利用可能[10]。
- ライセンスが不明確である。なお、MicrosoftはFATの一部に関する特許を取得している[11]。
- Windows XPにおいてOSをインストールするファイルシステムとしては利用できない。
- DVD-RAMでは利用できない。
特許
- Vivek P. Kamath, Dennis R. Adler, Ralph A. Lipe, ほか。(1996年11月26日)アメリカ合衆国特許第 7,542,999号 Extended file system。
脚注
- ^ a b マイクロソフト. “Windows XP 用の更新プログラム (KB955704)”. 2008年1月28日閲覧。 (x86)
マイクロソフト. “Windows XP x64 Edition 用の更新プログラム (KB955704)”. 2009年8月26日閲覧。 (x64) - ^ a b マイクロソフト. “Windows Server 2003 用更新プログラム (KB955704)”. 2009年8月26日閲覧。 (x86)
マイクロソフト. “Windows Server 2003 x64 Edition 用更新プログラム (KB955704)”. 2009年8月26日閲覧。 (x64)
マイクロソフト. “Windows Server 2003 for Itanium-based Systems 用更新プログラム (KB955704)”. 2009年8月26日閲覧。 (IA64) - ^ Brandon LeBlanc (2007年8月28日). “Vista SP1 Whitepaper” (英語). マイクロソフト. 2007年8月28日閲覧。
- ^ “Mac OS X 10.6.5 Notes: exFAT Support, AirPrint, Flash Player Vulnerability Fixes”. 2010年11月28日閲覧。
- ^ 海上忍 (2009年2月2日). “MS以外で初の対応? LinuxでexFAT読み取り用のパッチが公開”. 毎日コミュニケーションズ. 2009年2月10日閲覧。
- ^ 末岡洋子 (2013年1月22日). “FUSEベースのMicrosoft「exFAT」実装、「fuse-exfat 1.0」がリリース”. SOURCEFORGE.JP Magazine. 2014年12月31日閲覧。
- ^ Ryan Smith (2008年2月27日). “Second Shot: Windows Vista SP1” (英語). Anandtech. 2008年2月6日閲覧。
- ^ Mike Nash (2008年10月24日). “Windows Vista Service Pack 2 Beta” (英語). The Windows Blog. 2008年2月6日閲覧。
- ^ “exFAT Versus FAT32 Versus NTFS” (英語) (2008年2月27日). 2008年7月6日閲覧。
- ^ Windows 7 評価ガイド 基本的な機能の提供
- ^ Elizabeth Montalbano (2006年1月11日). “Microsoft FAT patents upheld” (英語). Computerworld. 2008年2月22日閲覧。[リンク切れ]
外部リンク
- Personal Storage: Opportunities and challenges for pocket-sized storage devices in the Windows world (Microsoft PowerPoint プレゼンテーション)
- TFAT Overview
- Extended FAT File System
- exFAT 構造解析