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F-22 (戦闘機) の 2007年3月4日 (日) 06:11 (UTC) から分割 (主執筆者:Manju, Lupinoid, Marsian, U.S.S.Momotaro, Los688. 他) |
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なお、各候補機について、以下のようなメリット・デメリット等が指摘されている。 |
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現在、米空軍のF-22Aの1機あたりの調達価格は1億2000万から1億3000万ドル(1ドル120円として約156億円)と言われている。[[F-15]]戦闘機が約4000万ドル(1ドル120円として約48億円)である事を考えれば、大変高価な機体であることは間違いない。<br/> |
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日本への輸出にあたってはさらに値を上げ、200億円を超えるのは確実視されている。なお、日本のF-15J/DJの調達価格は、一機あたり100億から120億円ほど。 |
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==== ライセンス生産の問題 ==== |
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日本政府は次期戦闘機について、国内航空産業の製造・技術基盤の維持という観点から見て、機体の[[ライセンス生産]]が望ましいとしているが、米政府内には、最新の軍事技術を多く含んだF-22Aの販売には、技術流出を危惧する声も少なくなく、その為にライセンス生産が認められる可能性は低い。また仮にライセンス生産が可能になったとしても、米国から輸入しなければならない部品の割合が多くなる可能性が高い。また、ライセンス生産にはライセンス料を始め多額の費用がかかり、需要が少ないのも手伝って、調達価格のさらなる高騰が予想される。 |
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なお、ライセンス生産が認められなければ、必然的に完成機を輸入することになる。但し、完成品輸入の場合、ライセンス生産した場合と比べ部品の調達や技術情報の制限(輸入元の事情次第で大きく影響する)から稼働率が大幅に低下する。単純に製造技術という側面だけでなく、運用上の問題も大きくなる。 |
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==== 搭載兵装の問題 ==== |
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F-22Aのウエポンベイには空自の[[99式空対空誘導弾|AAM-4]]や[[04式空対空誘導弾|AAM-5]]は、搭載が出来ない可能性がある。ミサイル側のフィンや弾体の小型化などで対応できるならばともかく、機体側のウエポンベイの改修が必要となれば、コストはもとより技術的側面から見て現実的ではないし、そもそも米側が認めない可能性もある。その場合、米国製のAIM-120CとAIM-9Xを使うことになる。 |
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==== 米国の思惑 ==== |
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米国には、上で述べているように生産予定数が減らされたことを受け、総生産機数を増やして一機あたりの生産コストを下げたいとの商業的な思惑が強いと見られる。“顧客”には前提として、米軍のパートナーとして信頼できること、財政的に導入の余裕があり、また戦略的に導入の意義があることなどが求められるが、それらを満たす国家というと、日本が真っ先に挙げられるであろうことは想像に難くない。 |
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2006年に米連邦議会に提出され、下院を通過した日本・[[オーストラリア]]・[[イギリス]]に対するF-22Aの輸出解禁法案は上院で否決され、実際に輸出される見通しはまだ立っていない。今後の動向が注目されている。 |
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==== 周辺諸国への影響 ==== |
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圧倒的な戦闘能力を持つF-22Aを保有する国の軍事的優位は明白であり、周辺地域の軍事バランスを変化させる事は必至である。これに伴い配備国周辺への政治影響が懸念され、既に各界で議論やプロパガンダが盛んになっている。日本のF-22A配備はアジア情勢に影響を与える大きな要因となり、親密な同盟関係にある米国、政治経済で結びつきが強くなりつつある[[台湾]]、戦略的な結束を強めつつある[[インド]]、また日本同様F-22Aを購入する可能性のある[[オーストラリア]]等、日本と友好的な国、戦略的な結束を強めつつある国、国際政治の場において利害の一致する国々にとっては歓迎すべき事であり、日本の軍事的優位の形成がこれらの国の平和維持や膠着する政治情勢の好転といった恩恵をもたらすと分析される。一方で、近年日本と政治的な対立を深める[[中華人民共和国|中国]]や[[ロシア]]等にとっては大きな脅威となり、対抗策の模索や対日政策の方針が注目されている。ただし、現在までのところ、日本・オーストラリア両国へのF-22A導入は可能性の域を超えない為、対外諸国の公式コメントは無い。 |
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=== 回答のあった機種 === |
=== 回答のあった機種 === |
2007年3月5日 (月) 07:22時点における版
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F-Xまたは、FX(えふえっくす)とは、Fighter-Xの略称で、日本航空自衛隊の次期戦闘機導入計画を指す略語。あくまで計画・概念を指す語であって特定の機種を指す語ではないから、機種が選定され導入が始められれば計画はその機種の名で呼ばれ、その次に導入する戦闘機の計画・概念が新たなF-Xとなる。そのため、F-X計画には現在のところ以下の4つが存在する。
第1次F-X
ノースアメリカン F-86の代替となる戦闘機を導入する計画。ロッキード F-104C/D改とグラマン G-98J-11(F11Fの改造型)との争いになったが、前者をF-104Jとして採用した。
第2次F-X
ロッキード/三菱 F-104J/DJの後継となり、未だ残っていたノースアメリカン F-86の代替となる戦闘機を導入する計画。マグダネルダグラス F-4E改、ロッキード CL1010-2(F-104の発展型)、サーブ 37 ビゲン、ダッソー ミラージュF1の争いになったが、F-4E改をF-4EJとして採用した。
第3次F-X
マグダネルダグラス/三菱 F-4EJの後継となり、未だ残っていたロッキード/三菱 F-104J/DJの代替となる戦闘機を導入する計画。マグダネルダグラス F-15C/D改、グラマン F-14、ゼネラルダイナミクス YF-16、ノースロップ YF-17、ダッソー ミラージュF1、サーブ 37 ビゲン、パナビア トーネードADVの争いになったが、F-15C/D改をF-15J/DJとして採用した。
以上第3次までのF-Xでは、いくつかの騒動あるいは汚職疑惑(F-104J/DJ採用の逆転劇やダグラス・グラマン事件)がありながらも、結局は候補機の中で一番性能が高く、米軍でも運用しており有事の際の補給を受けやすい機種を採用してきた。また、いずれの機種も導入前半の数~数十機は完成機購入やノックダウン生産で調達されたものの、すぐに日本国内の航空機産業によるライセンス生産に移行した。生産が進行するにつれて徐々に国産化率が高められていき、国内航空機産業の技術向上と生産基盤維持に大きな貢献を果たした。3機種ともにライセンス生産の主契約企業は三菱重工業であったが、エンジンのライセンス生産をした石川島播磨重工はじめ、日本航空機産業におけるほぼすべての企業が何らかの形で生産にかかわっていた。
次期F-X
マグダネルダグラス/三菱 F-15J/DJの後継となり、直接には2008年度中に廃棄がはじまるマグダネルダグラス/三菱 F-4EJ改の代替となる戦闘機を導入する計画。平成21年度までの中期防衛計画中にF-X7機分の予算が要求されている。
周辺諸国にSu-27などのF-15と同水準の第4世代機が拡散しつつある防衛環境にあって現在FI任務についているF-4EJ改を代替する機体であるから、要撃任務の能力が高いことが第一の要求であるが、当然時代の趨勢といえるマルチロール化もある程度要求されているものと思われる。
F-22Aラプター、ラファール、F/A-18E/F、ユーロファイター、F-15FX、F-35らをF-Xの候補として挙げ、調査を行っているとされている。
2007/2/14の時事通信社の報道では、調査対象6機種の内、14日までに質問書に回答のあった米・英のメーカーに対し、2月中にも調査員を現地に派遣する方針を固めたとのことである。対象はF/A-18(米), F-15FX(米), ユーロファイター(英)の3機種。もちろん、質問書に回答があったことと導入されることとは別の事象であり、現時点で回答が無いことと導入されないこともまた別の事象である。
なお、各候補機について、以下のようなメリット・デメリット等が指摘されている。
価格の問題
現在、米空軍のF-22Aの1機あたりの調達価格は1億2000万から1億3000万ドル(1ドル120円として約156億円)と言われている。F-15戦闘機が約4000万ドル(1ドル120円として約48億円)である事を考えれば、大変高価な機体であることは間違いない。
日本への輸出にあたってはさらに値を上げ、200億円を超えるのは確実視されている。なお、日本のF-15J/DJの調達価格は、一機あたり100億から120億円ほど。
ライセンス生産の問題
日本政府は次期戦闘機について、国内航空産業の製造・技術基盤の維持という観点から見て、機体のライセンス生産が望ましいとしているが、米政府内には、最新の軍事技術を多く含んだF-22Aの販売には、技術流出を危惧する声も少なくなく、その為にライセンス生産が認められる可能性は低い。また仮にライセンス生産が可能になったとしても、米国から輸入しなければならない部品の割合が多くなる可能性が高い。また、ライセンス生産にはライセンス料を始め多額の費用がかかり、需要が少ないのも手伝って、調達価格のさらなる高騰が予想される。
なお、ライセンス生産が認められなければ、必然的に完成機を輸入することになる。但し、完成品輸入の場合、ライセンス生産した場合と比べ部品の調達や技術情報の制限(輸入元の事情次第で大きく影響する)から稼働率が大幅に低下する。単純に製造技術という側面だけでなく、運用上の問題も大きくなる。
搭載兵装の問題
F-22Aのウエポンベイには空自のAAM-4やAAM-5は、搭載が出来ない可能性がある。ミサイル側のフィンや弾体の小型化などで対応できるならばともかく、機体側のウエポンベイの改修が必要となれば、コストはもとより技術的側面から見て現実的ではないし、そもそも米側が認めない可能性もある。その場合、米国製のAIM-120CとAIM-9Xを使うことになる。
米国の思惑
米国には、上で述べているように生産予定数が減らされたことを受け、総生産機数を増やして一機あたりの生産コストを下げたいとの商業的な思惑が強いと見られる。“顧客”には前提として、米軍のパートナーとして信頼できること、財政的に導入の余裕があり、また戦略的に導入の意義があることなどが求められるが、それらを満たす国家というと、日本が真っ先に挙げられるであろうことは想像に難くない。 2006年に米連邦議会に提出され、下院を通過した日本・オーストラリア・イギリスに対するF-22Aの輸出解禁法案は上院で否決され、実際に輸出される見通しはまだ立っていない。今後の動向が注目されている。
周辺諸国への影響
圧倒的な戦闘能力を持つF-22Aを保有する国の軍事的優位は明白であり、周辺地域の軍事バランスを変化させる事は必至である。これに伴い配備国周辺への政治影響が懸念され、既に各界で議論やプロパガンダが盛んになっている。日本のF-22A配備はアジア情勢に影響を与える大きな要因となり、親密な同盟関係にある米国、政治経済で結びつきが強くなりつつある台湾、戦略的な結束を強めつつあるインド、また日本同様F-22Aを購入する可能性のあるオーストラリア等、日本と友好的な国、戦略的な結束を強めつつある国、国際政治の場において利害の一致する国々にとっては歓迎すべき事であり、日本の軍事的優位の形成がこれらの国の平和維持や膠着する政治情勢の好転といった恩恵をもたらすと分析される。一方で、近年日本と政治的な対立を深める中国やロシア等にとっては大きな脅威となり、対抗策の模索や対日政策の方針が注目されている。ただし、現在までのところ、日本・オーストラリア両国へのF-22A導入は可能性の域を超えない為、対外諸国の公式コメントは無い。
回答のあった機種
- F-15Eを対空戦闘重視に再設計し、高機動化した機体。ボーイング社より提案中。6機の中で最もデメリットが少ない。
- F-15DJと外形はほぼ同じだが、改造によって内部構造にほとんど共通点はなくなっている。それゆえ、ライセンス生産前に完成機の分解調査を行う必要がある。
- F-15シリーズそのものがF-22の登場で近々型落ちになる可能性もある。F-15自体も世代的には比較的古い。
- F-15Eは戦闘爆撃機であり、機体重量の増加等、F-15Jに比べ導入するメリットがあるか、という問題がある(とは言え戦闘爆撃機として改造された機体故、機体重量の増加は仕方の無い事ではあるが、対Gに関しては7Gから9Gに引き上げられており、エンジンもF-15Jより高性能のものを搭載している為重量の面ではさほど問題にはならない、しかしながら翼面加重は確実に増大する為機動性の低下は免れないであろう)。
- 韓国同様、精密爆撃を支援する「精密映像位置提供地形情報(DPPDB)」というソフトウェアが輸出規制に引っかかる為爆撃精度が落ちる可能性がある。また、輸出規制にかかる品目を国産品で代用できるかも疑問視されている。
- アメリカでは空対空に特化させたF-15Fの構想もあったがパイロット負担軽減の観点で中止されている為、日本で導入してもパイロットには大きな負担となると考えられる。
- 第4.5世代機。亜音速域で良好な運動性を持つ。最新アビオニクスが搭載されている。
- F/A-18C/Dが諸コストの高さでFSX商戦で敗れている。
- 導入経験のない艦載機であり、航空自衛隊の機体として扱うには不要な装備がある(これもコストの高さの一因になっている)。
- 加速性能・航続性能について問題があり、要撃機としては不向きと言われている。
- 他機種と比べ騒音がとてつもなく大きい(アメリカでも訴訟に発展)。
- 欧州の4.5世代機。日本でのライセンス生産のほか、国産機器(アビオニクス等)を搭載するための改造が許可される、という話がある。国産機器が搭載できることはアメリカ機にあるアメリカ製機器のコストの高さやアメリカ側の輸出規制に依存しないという意味ではアメリカ機よりは有利とも取れる。
- これまで空自に導入経験のない欧州機であり、整備面などで不安が残る。しかし、アビオニクス等については国産品が使用できる為、後述のラファールよりは有利とも言える。
- 性能面で、今後航空優勢を維持できるかに疑問が残る。但し、アフターバーナーなしの超音速飛行対応を謳っているのはこの機種だけである。
回答のなかった機種
- 第5世代機。F-22以外の他機に比べ、ステルス性が高い(と言われている)。
- ステルス性を維持した状態では中距離空対空ミサイルを2発しか搭載出来ず、数の劣勢をカバーしきれない可能性がある。
- 2009年度までとなる中期防衛計画に間に合わない。また、そもそも開発計画に参加していないため、購入するためには、開発計画に参加した国への配備が終了した後(2010年代後半?)になる。
- 開発の遅れにより、価格は当初より高騰中である。また、国際共同開発であるため、F-22以上にライセンス生産の可能性は低い。
- フランスの4.5世代機。元々は前述のユーロファイターをフランスが諸事情から蹴って独自開発した機種である。
- ユーロファイターと違い、国産機器搭載許可が出されていない。
- ユーロファイター同様、これまで空自に導入経験のない欧州機であり、整備面などで不安が残る。
- 同じく性能面で、今後航空優勢を維持できるかに疑問が残る。
展望
日本の特殊な防衛事情のため、航空自衛隊の採用する要撃戦闘機には他国の戦闘機を圧倒するレベルの戦闘力が要求される。日本の周辺国では、第4世代戦闘機の配備が進んできており、ロシアや中国ではSu-27、Su-30や、韓国においてはF-15Eの韓国版、F-15Kの配備が始まっている。日本のF-15Jと同世代の戦闘機が周辺国に配備されたことにより、F-Xではそれらの戦闘機を圧倒できる性能を持つ戦闘機、第5世代戦闘機が必須になると思われる。 しかし、本命のF-22はアメリカ上院議会で輸出許可が一度却下されており、非常に苦しい状況となっている。また、国内ではF-2支援戦闘機の生産が減数となったため、F-Xで決定された機体のライセンス生産が行えない場合、これまで継続して戦闘機の生産を行ってきた部署が浮いてしまうことになる。そのため国内航空機産業保護の点からライセンス生産が望ましいと三菱重工は指摘している。
これらの事情を踏まえ、今回のF-X選定は、どの機体に決まるかまったく予想のつかない状態となっている。
参考項目
- P-X (航空機) - 次期固定翼哨戒機(Patrol aircraft-eXperimental)
- C-X (輸送機) - 次期輸送機(Cargo aircraft-eXperimental)
- TK-X - 次期主力戦車
- 心神 (航空機)- 防衛省技術研究本部による、先進技術実証機