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「オカダトカゲ」の版間の差分

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|学名 = ''Plestiodon latiscutatus''<br />[[w:Edward_Hallowell|Hallowell]], [[1861年|1861]]<ref name="hasegawa">長谷川雅美 「三宅島、八丈島、青ヶ島のオカダトカゲ」『レッドデータブック2014 -日本の絶滅のおそれのある野生動物-3 爬虫類・両生類』環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室編、株式会社[[ぎょうせい]]、2014年、87-88頁。</ref><ref name="hikida">[[疋田努]] 「[https://doi.org/10.14880/hrghsj1999.2006.139 トカゲ属の学名変更~''Eumeces''から''Plestiodon''へ~]」『爬虫両棲類学会報』第2006巻 2号、日本爬虫両棲類学会、2006年、139-145頁。</ref><ref name="uetz_hosek">[http://reptile-database.reptarium.cz/species?genus=Plestiodon&species=latiscutatus ''Plestiodon latiscutatus'']. Uetz, P. & Jiri Hošek (eds.) (2019) The Reptile Database, http://www.reptile-database.org, accessed 05 Sep 2019</ref>
|学名 = ''Plestiodon latiscutatus''<br />[[w:Edward_Hallowell|Hallowell]], [[1861年|1861]]
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'''オカダトカゲ'''''Plestiodon latiscutatus''は、[[有鱗目 (爬虫類)|有鱗目]][[トカゲ|トカゲ亜目]][[スキンク]][[スジトカゲ属]]に分類されるトカゲ。
'''オカダトカゲ'''(''Plestiodon latiscutatus'')は、爬虫有鱗目トカゲ科トカゲ属に分類されるトカゲ。名前は動物学者[[岡田弥一郎]]への[[献名]]による


== 分布 ==
== 分布 ==
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伊豆半島のトカゲが[[ニホントカゲ]]ではなく、本種と判明したのはごく最近のことであった。そのため伊豆半島[[下田]]が[[タイプ (分類学)|模式標本]]の産地だった''Eumeces latiscutatus''は本種の学名になり、旧学名''Eumeces okadae''は[[シノニム]]になった。それに伴いニホントカゲの学名は''Eumeces japonicus''に変更された。


== 形態 ==
== 形態 ==
頭胴長6 - 9.6センチメートル<ref name="hasegawa" />。胴体中央部の斜めに列になった鱗の数(体列鱗数)は28 - 30<ref name="hasegawa" />。
全長15-27cm。幼体は黒い体色に5本の黄色の縦縞が入り、尾が青い。成長につれ体色が褐色になるが、他のスジトカゲ属に比べ体色の変化は早いとされる。斜めに列になった胴体の鱗の数(体列鱗数)は28-30枚だが、体色や体列鱗数には地域変異がある。


属内広範でみられる幼体時の体色(尾が青いなど)が明瞭でなかったり、斑紋が成長に伴い消失するのが早い<ref name="hasegawa" />。
== 生態 ==
[[草原]]や[[森林]]、[[海岸]]、岩場、民家近くに生息する。


== 分類 ==
食性は肉食性で、地上性の[[昆虫類]]や[[節足動物]]、[[甲殻類]]等を捕食する。[[天敵]]は[[ニホンイタチ]]等の肉食性哺乳類や[[シマヘビ]]等が挙げられる。[[青ヶ島]]、[[八丈島]]、[[三宅島]]ではネズミ駆除のため人為的に移入されたニホンイタチによる食害で生息数が激減している。
本種に対応する旧学名は''Eumeces okadae''(旧トカゲ属''Eumeces''。模式産地は三宅島。)で、伊豆諸島のみに分布すると考えられていた<ref name="hikida" />。2003年に発表された[[アイソザイム|アロザイム]]の分子系統解析から、当時の[[ニホントカゲ]]の伊豆半島個体群と考えられていた個体群が本種であることが判明した<ref name="hikida" />。ニホントカゲの旧学名''Eumeces latiscutatus''の模式産地は下田だったことから、''E. latiscutatus''の模式標本はニホントカゲではなく本種ということが判明した<ref name="hikida" />。

== 生態 ==
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繁殖形態は卵生で、6-7月に地面に穴を掘り3-15個の卵を産む。個体数の多い島では産卵数が少なかったり、隔年でしか繁殖を行わない等の地域変異が見られる。メスは卵が孵化するまで卵を保護する。


繁殖様式は卵生。三宅島では4 - 5月下旬に交尾する<ref name="hasegawa" />。1回に4 - 12個の卵を、隔年で産む<ref name="hasegawa" />。生後3年以上で性成熟し、寿命は約6年と考えられている<ref name="hasegawa" />。
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== 人間との関係 ==
== 人間との関係 ==
人為的に移入されたニホンイタチによる捕食、道路建設による石垣の撤去およびコンクリートへの改修などにより生息数が減少している<ref name="hasegawa" />。八丈島では人為的に移入されたニホントカゲとの交雑による、遺伝子汚染が懸念されている<ref name="hasegawa" />。
生息する島によって形態や生態等に地域変異が見られるため、研究の材料とされることもある。
;青ヶ島、三宅島、八丈島の個体群
{{絶滅のおそれのある地域個体群|ref=<ref name="hasegawa" />}}


== 出典 ==
以前は高密度で生息していたが、上記にあるニホンイタチの人為的な移入により生息数は激減している。そのためイタチのいない民家近く等に生息しているが、ここでも環境破壊による影響で生息数が減少している。
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{Wikispecies|Plestiodon_latiscutatus}}
* [[トカゲ]]
* [[スキンク科]]
* [[スジトカゲ属]]


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[[Category:スキンク科|おかだとかけ]]
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[[Category:トカゲ]]

2022年9月12日 (月) 19:33時点における最新版

オカダトカゲ
オカダトカゲ
オカダトカゲ Plestiodon latiscutatus
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
: トカゲ科 Scincidae
: トカゲ属 Plestiodon
: オカダトカゲ P. latiscutatus
学名
Plestiodon latiscutatus
Hallowell, 1861[1][2][3]
シノニム

Eumeces latiscutatus
Stejneger, 1907[3]
Eumeces latiscutatus okadae
Stejneger, 1907[3]
Plestiodon okadae
Schmitz et al., 2004[3]

和名
オカダトカゲ[1][2]
英名
Okada's blue-tailed skink[1]

オカダトカゲ(Plestiodon latiscutatus)は、爬虫綱有鱗目トカゲ科トカゲ属に分類されるトカゲ。名前は動物学者岡田弥一郎への献名による。

分布

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日本伊豆半島富士山以南、富士川以東および酒匂川以西>、伊豆諸島[2]

模式標本の産地(基準産地・タイプ産地・模式産地)は、下田静岡県[2]

形態

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頭胴長6 - 9.6センチメートル[1]。胴体中央部の斜めに列になった鱗の数(体列鱗数)は28 - 30[1]

属内広範でみられる幼体時の体色(尾が青いなど)が明瞭でなかったり、斑紋が成長に伴い消失するのが早い[1]

分類

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本種に対応する旧学名はEumeces okadae(旧トカゲ属Eumeces。模式産地は三宅島。)で、伊豆諸島のみに分布すると考えられていた[2]。2003年に発表されたアロザイムの分子系統解析から、当時のニホントカゲの伊豆半島個体群と考えられていた個体群が本種であることが判明した[2]。ニホントカゲの旧学名Eumeces latiscutatusの模式産地は下田だったことから、E. latiscutatusの模式標本はニホントカゲではなく本種ということが判明した[2]

生態

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草原常緑広葉樹からなる一次林や二次林、岩場(ガレ場)、海岸などに生息する[1]。三宅島などのニホンイタチによる捕食圧が強い地域では、主に民家周辺の石垣に生息する[1]

昆虫クモ端脚類ミミズなどを食べる[1]。三宅島では主に端脚類を食べ、獲物が減少する夏季はアリ類も食べる[1]

繁殖様式は卵生。三宅島では4 - 5月下旬に交尾する[1]。1回に4 - 12個の卵を、隔年で産む[1]。生後3年以上で性成熟し、寿命は約6年と考えられている[1]

人間との関係

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人為的に移入されたニホンイタチによる捕食、道路建設による石垣の撤去およびコンクリートへの改修などにより生息数が減少している[1]。八丈島では人為的に移入されたニホントカゲとの交雑による、遺伝子汚染が懸念されている[1]

青ヶ島、三宅島、八丈島の個体群

絶滅のおそれのある地域個体群環境省レッドリスト

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 長谷川雅美 「三宅島、八丈島、青ヶ島のオカダトカゲ」『レッドデータブック2014 -日本の絶滅のおそれのある野生動物-3 爬虫類・両生類』環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室編、株式会社ぎょうせい、2014年、87-88頁。
  2. ^ a b c d e f g 疋田努トカゲ属の学名変更~EumecesからPlestiodonへ~」『爬虫両棲類学会報』第2006巻 2号、日本爬虫両棲類学会、2006年、139-145頁。
  3. ^ a b c d Plestiodon latiscutatus. Uetz, P. & Jiri Hošek (eds.) (2019) The Reptile Database, http://www.reptile-database.org, accessed 05 Sep 2019

関連項目

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