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'''生活排水'''(せいかつはいすい)とは、[[炊事]]や[[洗濯]]など一般的な人間の生活に伴って生じ、 |
'''生活排水'''(せいかつはいすい)とは、[[炊事]]や[[洗濯]]など一般的な人間の生活に伴って生じ、排出される水。通常は、[[水質汚濁防止法]]第2条第8項における前述の定義が用いられる。人間の生活に伴うものであれば、一般家庭からの排水に限らず、事業所等からの排水も含まれる。いわゆる家庭ごみとともに、[[廃棄物の処理及び清掃に関する法律|廃棄物処理法]]における一般廃棄物に分類される。いわゆる都市部では、狭義の[[下水道]]である公共下水道により処理され、その他の地域では、[[下水道|集落排水施設]]、各家庭に設置される[[合併処理浄化槽]]等により処理されたのち、河川等の[[公共用水域]]に排出される。いづれにも、該当しない場合には、[[し尿]]は汲み取り、または、単独処理浄化槽による処理が行われるが、生活雑排水は無処理で[[公共用水域]]に排出される。 |
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工場排水のように一時に大量に出て、特定の成分が集中するものではないが、恒常的に排出され、個々の量は少なくとも、全体としては多量となる。 |
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各々の排出源が小規模で、効果的な廃水処理が難しいため、結果的にはその影響は大きく、水系の富栄養化に大きく働く。現在の[[水質汚濁]]の原因の7割近くは生活排水によるものであるとも言われる。 |
各々の排出源が小規模で、効果的な廃水処理が難しいため、結果的にはその影響は大きく、水系の富栄養化に大きく働く。現在の[[水質汚濁]]の原因の7割近くは生活排水によるものであるとも言われる。 |
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ひとつは、生活雑排水と呼ばれる台所、風呂および洗濯等の排水で、食品の残渣、洗剤および衣服の汚れ等が含まれ環境負荷([[生物化学的酸素要求量|BOD]]換算)で約70%である。もう一つは[[し尿]]と呼ばれるトイレからの排水で、環境負荷で約30%である。 |
ひとつは、生活雑排水と呼ばれる台所、風呂および洗濯等の排水で、食品の残渣、洗剤および衣服の汚れ等が含まれ環境負荷([[生物化学的酸素要求量|BOD]]換算)で約70%である。もう一つは[[し尿]]と呼ばれるトイレからの排水で、環境負荷で約30%である。 |
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== 生活排水を適正に処理している人口 == |
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生活排水を適正に処理している人口は、毎年、国などから発表されている。国からは、「適正に処理を行っている人口」の定義の違いにより、2種類の数字が発表されている。 |
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===(1)汚水処理人口普及率=== |
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:汚水処理人口普及率(%)= (下水道処理人口+集落排水施設等処理人口+合併処理浄化槽人口+コミュニティプラント処理人口)/住民基本台帳人口×100 |
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下水道、集落排水施設等処理人口は、供用開始されている区域の人口であり、実際に利用しているかは問わない。また、合併処理浄化槽人口には、下水道、集落排水施設等の供用開始区域の人口を含まない。 |
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毎年8月ごろに、[[国土交通省]]、[[農林水産省]]、[[環境省]]の連名で発表されている。 |
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平成18年度末現在の全国平均は82.4%である。 |
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===(2)汚水衛生処理率=== |
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:汚水衛生処理率(%)= (下水道処理人口+集落排水施設等処理人口+合併処理浄化槽人口+コミュニティプラント処理人口)/(住民基本台帳人口+外国人登録人口)×100 |
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下水道、集落排水施設等処理人口は、実際に利用している人口である。 |
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毎年3月ごろに、[[総務省]]から発表されている。 |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
2007年9月16日 (日) 13:56時点における版
生活排水(せいかつはいすい)とは、炊事や洗濯など一般的な人間の生活に伴って生じ、排出される水。通常は、水質汚濁防止法第2条第8項における前述の定義が用いられる。人間の生活に伴うものであれば、一般家庭からの排水に限らず、事業所等からの排水も含まれる。いわゆる家庭ごみとともに、廃棄物処理法における一般廃棄物に分類される。いわゆる都市部では、狭義の下水道である公共下水道により処理され、その他の地域では、集落排水施設、各家庭に設置される合併処理浄化槽等により処理されたのち、河川等の公共用水域に排出される。いづれにも、該当しない場合には、し尿は汲み取り、または、単独処理浄化槽による処理が行われるが、生活雑排水は無処理で公共用水域に排出される。
工場排水のように一時に大量に出て、特定の成分が集中するものではないが、恒常的に排出され、個々の量は少なくとも、全体としては多量となる。
各々の排出源が小規模で、効果的な廃水処理が難しいため、結果的にはその影響は大きく、水系の富栄養化に大きく働く。現在の水質汚濁の原因の7割近くは生活排水によるものであるとも言われる。
主要な内容としては二つある。
ひとつは、生活雑排水と呼ばれる台所、風呂および洗濯等の排水で、食品の残渣、洗剤および衣服の汚れ等が含まれ環境負荷(BOD換算)で約70%である。もう一つはし尿と呼ばれるトイレからの排水で、環境負荷で約30%である。
生活排水を適正に処理している人口
生活排水を適正に処理している人口は、毎年、国などから発表されている。国からは、「適正に処理を行っている人口」の定義の違いにより、2種類の数字が発表されている。
(1)汚水処理人口普及率
- 汚水処理人口普及率(%)= (下水道処理人口+集落排水施設等処理人口+合併処理浄化槽人口+コミュニティプラント処理人口)/住民基本台帳人口×100
下水道、集落排水施設等処理人口は、供用開始されている区域の人口であり、実際に利用しているかは問わない。また、合併処理浄化槽人口には、下水道、集落排水施設等の供用開始区域の人口を含まない。 毎年8月ごろに、国土交通省、農林水産省、環境省の連名で発表されている。 平成18年度末現在の全国平均は82.4%である。
(2)汚水衛生処理率
- 汚水衛生処理率(%)= (下水道処理人口+集落排水施設等処理人口+合併処理浄化槽人口+コミュニティプラント処理人口)/(住民基本台帳人口+外国人登録人口)×100
下水道、集落排水施設等処理人口は、実際に利用している人口である。 毎年3月ごろに、総務省から発表されている。 平成17年度末現在の全国平均は74.5%である。